体質ごとにわける漢方

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

漠方では、自分の体の調子を探る手がかりとして「気・血・水」の理論を用いる。体の働きを保つ3つの要素、気・血・水、それぞれが過不足なく「巡る」状態が健康で、逆にこれらの滞りや不足によってバランスが崩れることが、様々な不調を招く原因と考える。この原因によって、体質や症状のタイプも異なり、合う薬も変わっていく。そこで、なんとなくの不調が続いている人は、まず下図のチェックリストを使って自己チェック。一番多いのが、今のあなたに当てはまるタイプ。

女性に多い代表的な5つのタイプ

     

水が滞っている

水毒
  • むくみがち
  • 乗り物酔いしやすい
  • 倦怠感
  • ぽっちゃり
  • 鼻水やたんが多い

血が不足している

血虚
  • こむらがえりが起きやすい
  • 白髪が多い
  • 顔の血色が悪い
  • 肌がかさつく
  • 爪が割れやすい

血が滞っている

悪血
  • 顔、唇の色が濃い
  • 月経痛がつらい
  • 肩こり
  • 月経血に塊がある
  • シミ・くすみが多い

気が不足している

気虚
  • 疲れやすい
  • 倦怠感
  • 息切れ</li>
  • 風邪をひきやすい
  • 冷え

気が滞っている

気虚
  • いらいらしやすい
  • 不安や憂鬱になりやすい
  • 月経前の体調変動が大きい
  • 胃や腸がはりぎみ
  • おならがでやすい

不調の原因は多くの情報が必要

チェックと同時に、確認したいのが、「症状の変遷や自分の転機について、時系列でさかのぼって把握すること」体は一つの大きな宇宙で、心と体はすべてがつながっているという「心身一如」の考え方を重視する漢方では、症状や訴えの背景まで分析して、不調の大本に迫るのが大切なステップ。
「職場の異動、結婚など自分の転機とその後に起こった症状を書きとめた年表のようなものがあると、この不調の大本にたどりつきやすい」という。
こんな例がある。 「春から体中に痛みを感じ、白髪も増えて不眠になった」という。よく話を聞くと直近に実父の死という転機があり、しかも、真冬の2月から便秘改善のためにヨーグルトを毎日500g食べていた。つまり、冷えが大きな原因だった。
冷えを改善さききょせる気虚タイプ向けの漠方を処方し、ヨーグルトの減量を行った。「1週間ですごく楽になった」いう報告があった。
複雑に思われがちな漢方だが、基本の処方を知っておけば、月経や肌のトラブル、イライラなど心の不調も整えてくれる。 

気滞

「気滞」とは、気の巡りが滞って、気が停滞した状態のことです。性格的に生まじめで繊細な人が多く、ストレスによるイライラが出やすくなったり、精神不安が高まったりする。そんな気滞の人には、気の巡りを促す基本処方の「加味逍遙散」が定番。「メンタルから来るのどの詰まりがある人ならF 半夏厚朴湯』を。上った気を下ろす働きがある」。
げっぷや膨満感が気になる人には、気を通しやすくする「開気丸」がいい。

タイプ

神経過敏でいらいらしがち腹部や胸脇部に張りがある。にきび、肌荒れが起こりやすい。月経前は過食がちで月経周期が不安定。

「血」とは血の巡りが滞って、血液がドロドロになる状態のこと。体格は、比較的がっちりしていて体力があり、お腹がぽっこり出て、月経トラブルを抱える人が多い。「便秘が多く、黒い便が出やすい。月経も重くて、本来、自分の体にないものを作ってしまっているのが血の特徴的な症状。

舌が紫色っぽい。顔色、唇の色が暗い。シミやくすみが目立つ。肩こり、頭痛がある。基本の桂枝茯苓丸が最適です。

疲れやすく虚弱で風邪を引きやすく動くと息切れがし、経血の色が薄くてさっとしている。

気虚

「気虚」とは、「気虚」とは、気=生命エネルギーが不足して、パワー不足の状態のこと。倦怠感があり、活力不足で、免疫力も下がり気味になる。そんな気虚の人には、基本処方の「十全大補湯」か「温経湯」を。
ストレスによる心の落ち込みに効いて、胃腸の機能を整えながら元気をつける「加味帰脾湯」もいい。「疲れ切った人の気や鋭気を高めるを「衛益顆粒」には、免疫力を上げる働きもあり、カゼや花粉症の予防や症状改善にも効果がある。

タイプ

疲れやすく虚弱で風邪を引きやすく動くと息切れがし、経血の色が薄くてさっとしている。

漢方薬使用前の体質チェックをもう少し詳細に行いたいならこちら。

関連記事