「粕」という字は、なぜ「白い米」と書くのか?

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現代食は、微量栄養素(ビタミン、ミネラル類) がかなりの割合で捨てらてしまっています。これが現代病を引き起こしている原因だと指摘する専門家もいるぐらいです。

その中で、私たち日本人にもっとも影響力が大きいのが白米です。白米は玄米からぬか(胚芽や糊粉層など) をとったものですが、玄米と白米ではあらゆる意味においてまったく異質の食物なのです。

今、日本人のほとんどは白米を食べています。そして、それが普通だと考えている人が多いのではないでしょうか。

「白米を食べだしたのは、せいぜい豊臣秀吉が死んでからのことで、淀君以来です。要するに大阪落城のちょっと前、35年前から、ようやく、日本人は白米を広く食べだした」いうことです。

しかし、この当時の白米は、精米技術がまだまだ低かったため、現代の白米とはかなり趣きの違うものだったはずです。

今日見られるような、真自でぬかの部分がすっかりとり去られた精白米になったのは、明治時代以降になってからと考えられます。

つまり、日本人と米との長いつきあいを見たとき、むしろ白米のほうが特殊だといえるのです。
玄米には胚芽がついています。この胚芽は、米の生命の宿っているもっとも重要な部分で、タンパク質、脂質、ビタミンA 、B1、B2、B6、B12、E、ニコチン酸、パントテン酸、各種ミネラル類を含んでいます。

まさに「天然の栄養素の宝庫」なのです。また、糊粉層の部分には、脂質、タンパク質、食物繊維などがたくさん含まれています。

つまり、玄米には栄養素がたくさん含まれているだけでなく、エネルギーを生産、吸収し、効率よく燃焼させるビタミン、ミネラル類も含まれているのです。さらには、食べた残りかすをきちんと排泄するための食物繊維もついています。

まさに、日本人にとっては理想的な主食なのです。それにひきかえ白米は、精白されて白い部分(胚乳部) だけになってしまい、糖質がほとんどで、タンパク質が若干あるだけで、ほかの微量栄養素はかなり少なくなっています。白い米と書いて粕という文字になるのも、うなずけます。

捨ててしまう粕を使った粕漬けなどは栄養満点です。現代人が不要だと思い、捨ててしまう部分に多くの栄養が含まれているのです。

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