人間関係に疲れたときも、からだを見直す

人間関係でも恋愛関係でも、家族でも、誰だってときには相手をうっとうしく感じるときがあるものです。自分のいいたいことが相手にまったく伝わらなくて、会話をしても疲れる一方。かといって、一緒にいるのに話をしないのも不自然だし、思うように言葉が出てこなくて沈黙が続けばイライラもするでしょう。そうすると「一緒にいるだけで疲れる」なんて状態になってしまうのは当然です。そういうとき、相手や状況のせいにしがちだけど、実は「自分のからだ」が原因ということも多いのです。

先に書いたように、「こころ」と「からだ」は密接に関わり合っています。こころが疲れるときは、「からだ」からの注意報が出ているときでもあるんです。

たとえば、トラブルが起こって相手との関係が行き詰まってしまったとき。頭はフル稼働で眠れなくなります。そんな状態で無理やり物事を進めようとしてもうまくいかないし、カラ回りするだけです。だけど、ちょっと時間を置いてみたら、あっさりトラブルが解決した、なんてことはよくあるでしょう。

そのときの体調はどうだったでしょうか?たいてい元気なはずです。誰でも調子がいいときは、いい発想も出てくるし、前向きな行動に出られるものです。時間を置いて、疲れがとれた状態で物事に向き合うと、自然といい流れになるものなんです。プライベートな関係でも、仕事における人間関係でも、ただがんばるだけではどうしようもないことがよくあります。そんな場合、忙しすぎて余裕がないなら、睡眠を十分にとって、すっきりとした頭とからだで次の日に臨めるようにすることです。

自分の不調から、イライラを相手にぶつけていた、というのはよくあることです。たとえば、相手に不満があったりこころがもやもやするときは、たいてい食べすぎていたり、からだを動かさずにもんもんと考えつづけていたりします。つまりエネルギーがあり余っている状態だから、それを上手に消費してからだを整えることです。

こんなふうに、まずは自分が抱えている「からだの問題」をリセットして、相手と向き合うことが大切なんです。だいたい普通に考えても、疲れたままではまわりの状況も人の気持ちも見えてこないでしょう。逆の立場でも同じことがいえる。相手がなんだかイライラしている、というときは、相手の「からだ」が疲れているということ。そう考えれば、こっちまでつられてイライラすることなく相手に気遣いができるでしょう。

だからこそ、自分や相手のからだの状態をきちんと見極める能力の高い人は、お互いに「壊れない関係」を保つことができる。からだを整えることは、健康を維持するだけじゃなくて、いい人間関係を築くことにもつながるんです。

関連記事