体の掃除をするベストなタイミングがある

からだのそうじは、からだ本来の要求と説明しましたが、毎日の排泄行為以外にも女性の場合、自分の意思とは関係なく、からだにおける大きなリセットが3段階でやってきます。つまり女性は、いろいろなものを過渡期ごとに排泄しながら、からだをリセットしてリニューアルをくり返しているんです。

それと同時に、人間関係や自分に関する深刻な悩み、わずらわしさから解放されていく。それは、年を重ねるにつれて自分のからだに対する経験値が上がっていき、こころの疲れをからだでコントロールしていけるようになる、ということでもあるのです。これが女性の正しい成長の流れだと思います。

女性のからだの3段階リセットの、まず一段階は初潮のとき。生理がはじまる前の女の子って身も締まっていてシャープな印象です。それが中学1~3年生くらいになると、からだつきも顔もぷっくりしてくる。この時期はいわゆる思春期で、肉体だけじゃなく精神的にもぼんやりしていて、漠然とした悩みが深くなってくる頃です。

たとえば、「私らしいってなんだろう? 」とか「人を好きになるってどういうことだろう?」とか「生きることの意味って何? 」とか「死んだらどうなっちゃうんだろう?」とかね。でも、生理がはじまると、その思春期のもんもんとした状態から、まず1回脱却できます。生理というからだのそうじが毎月行なわれるようになって、リセットされるわけです。

そこで女の子は1回すっきりする。ところが、生理が毎月の日常的なものになったり、その月イチのそうじのチャンスをうまく活かせない生活をしていたりすると、からだだけでなく、こころもまたもんもんとしてくる。でも、うまい具合に異性の存在が気になりはじめ、「好きな人にかわいいと思われたい」というような気持ちが、自分の女らしい魅力をアップさせる方向へからだを動かしていってくれます。

これが、2段階目の「すっきり」。10代後半から20代にかけての恋愛期間にあたります。だけど、この状態も慢性化してくると、からだもこころも盛り上がることが少なくなってきて、またもんもんとしてきます。そこで、からだとしては「じゃあ産みますかー」と、出産をすることでまたもう1段階すっきりすることができるのです。

しかも出産は、女の人のからだにとって、一番大きな「すっきり」を得るチャンスになる。こういう「からだの過程」があるので、女の人は、男の人よりも自分のからだの欲求に気づくチャンスが多いのです。だから年を重ねていくごとに頭でごちゃごちゃ考えたり悩んだりすることが少なくなります。

もちろん、生理だって出産だって、そうそう自分の思い通りには行きません。生理はからだが整えばはじまるものだし、赤ちゃんもお母さんのからだの状態さえ整っていれば、自分の出たいタイミングで生まれてくる。陣痛というのは赤ちゃんが出てくる準備が整ったサインだからね。子育てにしても、子どもは確かに自分の体内から出てきたはずなのに、自分とはまったく別の個体だって事実を、思い知らされることばかりなのです。

でもだからこそ、女の人の人生というのは、身体的な脱皮をくり返すことによって、バージョンアップしてリニューアルしながら、よりシンプルになっていくのです。いい意味であきらめがよくなり、潔くなっていくわけです。リセットするときには、痛みなどの不快感が伴う場合もありますが、これは、からだすこもこころも健やかに成長していくために必要なステップ。何より、リセットすることによって、からだにたまっていたものがすっきり一掃されます。そう考えると、生理や出産は女性だけに与えられたシステムなのです。

関連記事