発芽玄米

玄米を1~2 日水につけてわずかに発芽させた米が、発芽玄米である。白米や玄米に比べて、発芽玄米ではミネラルなどの栄養素が吸収されやすい形になっている。また、神経の興奮を抑える働きをもつγ-アミノ酪酸(ギャバ) が、発芽玄米には豊富に存在する。ヒトを対象にした研究において、生活習慣病やアレルギー疾患に対する効果が報告され、注目されている。

効能、効果は、栄養素の補給。高脂血症の予防や改善。アトピー性皮膚炎の予防や改善。肥満の改善。生活習慣病の予防。

玄米に含まれるミネラル類は、フィチン酸と結合した形で存在し、そのままでは吸収されにくい。発芽玄米では、玄米に蓄えられているさまざまな栄養素の形状が変化し、利用されやすく、かつ吸収されやすくなっている。発芽玄米のギャバ含有量は、白米や玄米の数倍に達する。ギャバは、アミノ酸の一種であり、神経伝達物質として作用する。
特に、高めの血圧を低下させる働きや、精神安定作用などが期待されている抑制系の神経伝達物質である。発芽玄米では、白米や玄米と比べて、米アレルギーの原因となるアレルゲンタンパク質が少なくなっている。これは、発芽玄米の製造過程における発芽・加熱処理による。また、アレルゲンタンパク質は減少するが、総タンパク質の栄養価に変化は認められないことから、栄養学的な問題は生じないと考えられる。なお、IP6 という成分が、玄米や豆類に多く存在する。IP6 が抗酸化作用や抗ガン作用をもつという説もあるが、ヒトでの効果は明らかではない。

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