メチル・スルフォニル・メタン(MSM)

メチル・スルフォニル・メタン(MSM) とは、植物に由来する有機硫黄化合物の一種である。硫黄は、必須栄養素の1 つであり、人も含めてあらゆる動植物に広く存在する。

MSM は、通常の食品の中では、牛乳(3.3 ppm)、コーヒー(1.6ppm )、トマト(0.86 ppm以下) などにわずかに存在するが、効果を期待できる量を確実に摂取するためにサプリメントが利用される。関節炎や花粉症に伴う症状に効果があるとして注目されている機能性成分である。

効能、効果は、関節炎・関節痛の改善。花粉症に伴うアレルギー性鼻炎の改善。問質性膀胱炎に対する改善作用。抗酸化作用。抗炎症作用など。 基礎研究において、MSM の抗酸化作用・抗炎症作用が示されてきた。

たとえば、ヒトの白血球を用いた実験では、活性酸素の発生がMSMによって抑制された。また、MSM の腫瘍細胞増殖抑制作用や、自己免疫疾患の改善作用なども示唆されている。 MSM に関して、関節炎・関節痛に効果があったという例が多数知られている。

グルコサミンやコンドロイチンとの併用による効果も経験されている。ただし、厳密な臨床試験は十分ではない。MSMが、花粉症に伴うアレルギー性鼻炎の症状緩和に効果があったという臨床試験が報告された。

50人の患者を対象に、MSM を1 日あたり2600mg、30日間投与したところ、呼吸器系の臨床症状が改善されたという。ただし、このときのIgE やヒスタミン濃度に変化は認められなかった。MSM は、膀胱の粘膜に炎症が生じる問質性膀胱炎という病気の改善に効果があるとされている。

問質性膀胱炎は、中高年の女性に多く見られ、頻尿や排尿痛といった症状が認められる。細菌感染による急性膀胱炎とは異なり、抗生物質は効かないことから、鑑別される。欧米の臨床試験では、MSM と同様の作用をもつDMSO という成分を投与することで、問質性膀胱炎の改善に効果が見られたという。 一般に、1日あたり1~3g を摂取する。有効成分のもつ抗酸化作用・抗炎症作用によって病気の予防や改善を目的とする場合、短期間では効果が期待できないので、継続して利用する。関節炎・関節痛に対しては、グルコサミンやコンドロイチンとの併用がよく行われる。

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