βカロチンの5倍ものガン抑制作用がある「みかん」

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「ベータ・クリプトキサンチン」「オーラプチン」を発見

ミカンというのはいわゆる温州ミカンだが、98年5月に季節外れの大注目を浴びた。
「ミカンから世界初のガン抑制物質をなんと2種類も発見」 というから、驚きだ。発見したのは果樹試験場(静岡・清水市) の室長と京都府立医科大学の教授、京都大学農学部、近畿大学生物理工学部のグループ。
「柑橘類は発ガン予防に効果があるといわれるが、はたして作用している物質は何なのか」と成分特定に踏み出した。試験管内の実験、マウスによる実験で浮上してきたのが「ベータ・クリプトキサンチン」と「オーラプテン」。

まず、ベータ・クリプトキサンチンはミカンの黄色のもとになっている物質。同じ色素でガン抑制物質としてすでに有名なべ一夕・カロチンと発ガン抑制パワーを比較すると、なんとベータ・クリプトキサンチンが5倍も作用は強力だったのである。マウスの実験では皮膚ガンを抑制することが確認された。

もうひとつのオーラプチンは温州ミカンに限らずナツミカン、ハッサク、グレープフルーツといった柑橘類の果皮に含まれている。動物実験では、オーラプチンは濃度が低いほうがガン抑制に効果があったという、不思議な結果となった。
同じく、このオーラプチンに目をつけていたのが金沢医科大学の教授グループ。オーラプチンを抽出して舌ガンで効果を見た。

  1. 発ガン剤だけを与えたラットのグループ
  2. 発ガン剤と一緒にオーラプチンを与えたラットのグループ
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  4. 発ガン剤を与えた後にオーラプテンを与えたラットのグループ
の比較は… 。結果は1はラットに57% 舌ガンが発生、2は5%、そして3はゼロだった。
舌ガンのみならず大腸ガンにも効果が確認されており、オーラプチンの場合は細胞をガン化させたり、活酸素を消してくれるからと考えられる。

つまり、オーラプチンには強力な抗酸化作用がある。人気急騰のミカンだが、その摂取量は1日に2個程度で十分。一度に多量に食べると身体が黄色くなる柑皮症になるのでご用心。加えて、オーラプテンはミカンの皮や白いスジに含有されているので、丸ごとすべてとはいわないが、せめて白いスジごと食べるべきである。残ったミカンの皮は、入浴時に湯船に入れると身体がしっかり温まるので、冷え症の人にうれしい。

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