よいイメージを思い浮かべNK細胞を活性化させる「イメージ療法」

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リラックス状態によってストレスを凄和し、気力や意欲が充電される

スポーツの世界では『イメージトレーニング』が定着し、好成績に結びついている。イスに座り、目をつむって自分の良いプレーを約15分間イメージするだけなのに、これが能力アップに結びつく。

この方法を病気治療に取り入れたのが、米国の医師・。1971年からガン治療中の患者に導入。通常の患者に比べ、大幅に良くなることを発見した。それが認められ、米国では多くの病院がガン治療のひとつとして導入している。日本でも多くの専門医が導入しており、「生きがい療法」で知られる伊丹仁朗医師もそのひとり。

「ガン闘病中の人々は、一般社会人をはるかに上 回るストレスにさらされています。ガン患者さんのストレスをコントロールすることは、治療効果を高める上で重要聾」とで、私の生きがい療法の中でもイメージ療法は重要な位置を占めます」

外国の研究報告のみならず、伊丹医師自らが研究報告した結果が大きな背景として存在している。短期的なイメージ療法前後での免疫機能の変化を調べたのである。

10人のボランティアは一室に集まり、ゆったりとしたイスに腰掛け、『熱帯魚のイメージ』のガイドテープを聴きながら15分間訓練を行った。15分間休憩後、再度15分間イメージ療法を行った。そして、イメージ療法を行う前後に血液を採取し、免疫の力の強さ(ナチュラル・キラー細胞活性) の変化を見た。

「すると、イメージ療法の後は、ほとんどの人でキラー細胞が強くなっていたのです」キラー細胞の活性が正常範囲以下だった6人は5人が正常範囲まで上昇し、残り1人は正常範囲以下ではあったものの、かなりの1 昇がみられた。正常範囲内の2人は、1人は横ばいで、もう一人は正常範囲からかなり突出したパワーを見せつけ、さらに、もともと高かった2人は、イメージ療法後もき7 -細胞の強さを維持。10人中8人が免疫力がアップし、2人が横ばいだったのである。

ガン患者には治療のひとつになるこの療法、ガン予防にも大いに結びつく。「イメージ療法は、リラックス状態によって休息、ストレス緩和、気力・意欲の充電などの側面と、困難への積極的対応能力の増大という側面の、両面の効果が得られるのです」ただ、運動がいいといっても続かない人が多いのと同じで、やはり継続することが大事。

スポーツの世界ではトレーナーが教えるように、イメージ療法も自己流でできればそれでもいいが、より効果を発揮するには、専門医の指導を受けるといいだろう。

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