鮭 の 赤色の アスタキサンチン の抗酸化力は 白内障 に著効

鮭 の 赤色の アスタキサンチン の抗酸化力は 白内障 に著効 です。

寿命も延びるアスタキサンチンの効果

長寿国となった日本ですが、健康で長生きし、人生を楽しむのでなければ、長寿の意味がありません。最近は、健康寿命という言葉が使われるようになりました。寝たきりでは生きている意味がないという考え方に変わっています。家族に迷惑をかけたくないという気持ちの強い現れでしょう。そして、健康を維持するためのかぎ重要な鍵は、言うまでもなく毎日の食事にあるのです。

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食品に含まれる成分の中には、体の抗酸化力を高め、体内で発生した活性酸素(ふえすぎると体に悪い作用をする酸素)を、速やかに取り除く働きを持つものがあります。

ビタミンEは抗酸化物質の代表ですが、実は最近の研究で、ビタミンE の100~1000倍もの強力な抗酸化カを持つ食品成分が発見されました。それが、鮭、金目鯛、桜エビなどの魚介類に豊富に含まれる、アスタキサンチンというカロチノイドの一種です。ちなみに抗酸化作用の多いビタミンはビタミンA、ビタミンC、ビタミンEですが、ビタミンEは油に多く含まれます。品質のいい油は毎日の食事に欠かせません。

カロチノイドとは、動植物にだいだい含まれる黄、橙、赤などの天然色素のことで、強力な抗酸化作用を持っていて、老化や病気の元凶となる活性酸素の害を防ぐことから、注目を集めている成分です。

カロチノイドの中には、ニンジンのオレンジ色のもとであるベータカロチンなどのように、体内でビタミンAに変わって働くものもあります。

こうしたカロチノイドの中でも、最も強力な抗酸化作用を持っているのがアスタキサンチンで、サケの身のあのきれいなピンク色の正体です。そのほかイクラやスジコ、タラコにも含まれていますし、タイ、キンメダイ、メバル、キンキなど、体表の赤い魚の皮の部分にもあります。皮を残しては意味がありませんので丸ごと食べることが大切です。

エビやカニの殻や身の赤色もアスタキサンチンによるものです。ただし、同じ赤身の魚といっても、マグロやカツオの⊥亦色はアスタキサンチンによるものではありません。

アスタキサンチンの研究は、まだ始まったばかりですが、すでに多くの疾患に対する有効性が次々と示されています。

例えば白内障です。(白内障についてはこちら)白内障も、活性酸素の関与によって起こることがわかっています。目はものを見るために、光を透過させるので、紫外線(太陽光線の一種)の影響は避けられません。紫外線は活性酸素の発生を促すことが知られています。

この紫外線の影響で、大量に活性酸素が発生すると、目のレンズの役割をしている水晶体のたんばく質が酸化されて、濁りが出てきます。いわばレンズが曇った状態になるわけで、光を通しにくくなった結果、視力が低下してしまうのです。

高齢になると、活性酸素に対する防御機能がしだいに低下して、白内障を起こしやすくなります。アスタキサンチンは、その優れた抗酸化作用で、活性酸素が水晶体を酸化するのを防ぎ、白内障の予防・改善に役立ちます。

また、動物実験では、アスタキサンチンの投与で、寿命が37% も延びることが実証されています。

レモンを搾って食べると効果的

アスタキサンチンを人が摂取した場合、抗酸化作用を発揮するかどうかについては、その実験結果を日本臨床栄養学会でも発表されています。

1日3.6~14.4グラムのアスタキサンチンを摂取すると、LDLが酸化されるまでの時間が長びき、それだけ活性酸素の害を防いでいることがわかります。

サケの切り身一切れがおよそ100グラムなので、十分な量のアスタキサンチンを摂取できます。タイなどの赤い皮の魚は、できるだけ皮ごと食べるといいでしょう。

また、サクラエビなどのように殻ごと食べられるものも、積極的に取り入れたいものです。

従来の栄養学は、たんばく質や脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルなどの生命を維持するために必要な栄養素を、毎日の食生活の中で不足しないように補うことを基本としてきました。

しかし、活性酸素のような悪玉因子の弊害が深刻となっている現在、最低量さえクリアしていればいいという「守りの栄養学」では、生命は維持できても、健康を守ることは難しいと思われます。

病気を撃退し、高い健康レベルを維持するには、抗酸化成分のような体の機能向上に役立つ栄養素を、栄養所要量の枠を越えて積極的に取っていく「攻めの栄養学」に切り替えていく必要があります。

アスタキサンチンは、そうした攻めの栄養学の重要な要素の1つとして、大変価値のあるものといえるでしょう。

ただし、アスタキサンチンは活性酸素を取り込むと、アスタキサンチン自体が周囲に害を及ぼすようになってしまいます。そこで、ビタミンC とともに食べて、酸化したアスタキサンチンを無害にする必要があります。

焼いたサケにビタミンC の豊富なダイコンおろしを添えたり、レモン、カボスなどを絞って食べたりする工夫は、味わいを増すだけでなく、活性酸素対策にも非常に効果的な、先人の知恵なのです。昔の人の食習慣は、これだけすすんだ現代でも本当にすばらしいものばかりで驚かされます。

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