トマトに多いリコピンは中高年の前立腺肥大に効く!ピザがおすすめ

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人間の体内では前立腺に最多

前立腺全摘出手術を受けられた天皇陛下の例を出すまでもなく、最近、前立腺ガンという病名を耳にする機会が多くなったように思います。前立腺ガンは、アメリカでは現在11人の男性のうち1人はかかるといわれ、患者数では1、2位を争うほど多く見られるガンですが、日本でも、アメリカよりは低率ながら、年々その数がふえてきています。

前立腺は、勝胱の出口に尿道を取り囲むように付いている、クルミほどの大きさの器官で、射精のときに精子といっしょに出る前立腺液を作っています。それが、加齢とともに肥大して尿道を圧迫し、頻尿や残尿感といった排尿のトラブルを引き起こす原因となることがあります。これは50代以降に多く発生する、前立腺肥大といわれる良性の症状です。

一方、前立腺ガンは、高齢者に多いことから、進行が遅くおとなしいタイプが多いものの、骨やリンパに転移する場合もあります。「仁義なき戦い」などで知られる深作欣二監督も、前立腺ガンから、ガンが骨に転移してしまったそうです。

早期の前立腺ガンは、前立腺肥大のように排尿障害などの自覚症状が出ることは少ないので、なかなか自分では気づきにくいものです。

しかし、血液中のPSA (前立腺特異抗原)の量を調べることにより、腫瘍の有無が簡単にわかるので、ほかのガンよりも発見が容易で、ホルモン療法や放射線療法などで対処しやすいのも特徴です。

性には子宮ガンや乳ガンの定期的な検診が呼びかけられていますが、同様にこれからは、50代以降の男性には、年1回の前立腺ガン検診を、ぜひお勧めしたいと思います。と同時に、まずは予防を心がけることがいちばん大事です。

それが身近な食品で可能ならば、活用しない手はありません。前立腺ガン予防の特効薬は、なんとトマトなのです。トマトの赤い色素リコピンは、カロチノイド(植物色素の1つ) の一種で大変強力な抗酸化作用をもつことで知られていますが、なぜか人間の体の中では前立腺に最も多く存在しています。

そしてどうやら、前立腺の機能そのものにも影響を与えているようで、リコピンは前立腺に関係する諸症状の予防・改善に非常に効果があることが、最近の研究で兢々判明しています。まさに、中高年の男性には、うってつけの栄養素だといえるでしょう。

EDの治療にもリコピン

ここで私の体験をちょっとお話しします。実は一時期、前立腺の不調を来したことがありました。痛むほどではないのですが、なんとなく不快なのです。尿の出には問題はなく、前立腺ガンの指標・PSA も異常なし。炎症を起こしている様子もありませんでした。

そこでリコピンが前立腺の不調に効くことを思い出し、ガンかどうかはともかく、とにかく多量に取ってみようと、トマトジュースをがぶ飲みしたのです。

ちょうど夏だったので、水代わりに毎日1~1.5リットルのトマトジュースを飲み続けたところ、夏が終わるころには、不快感はすっかり消えていました。それ以来、前立腺とトマトジュースは、私の中で深く結びついています。

ところで、ガン予防におけるリコピンの働きですが、その強い抗酸化作用によって、前立腺内に次々と生まれる有害な活性酸素を無害化し、細胞や遺伝子の破損や老化を防いで、細胞のガン化をおさえていると考えられます。

実際、米国ハーバード大学の研究によると、トマトやトマトジュース、トマトソースを使ったピザを週2回以上食べている人は、そうでない人に比べて3割前後、前立腺ガンの発症率が低いのです。

おもしろいのは、その中でもピザの効果が最も高かったという結果です。リコピンは脂溶性(脂に溶ける性質)なので、チーズなど油脂を含む食品とともに摂取することで、効率よく吸収できるからだと考えられます。

なお、ピザにはたいていオリーブ抽が油われていますが、オリーブ油はリコピンの吸収を高めるとともに、ガンや生活習慣病の予防に役立つ理想的な油です。生のトマトにかけたり、トマトジュースに1滴落としたりして、できるだけこの2つを組み合わせて取るよう、心がけています。腸のためにもオリーブオイルは優れています。

リコピンは前立腺ガンだけでなく、膵臓ガン、子宮頚ガン、乳ガン、肺ガンの予防にも、効果が高いといわれます。ガンになりやすい家系の人は、とにかく予防のためにトマトを毎日しっかり食べましょう。

コピンが多い、赤く熟したトマトを選び、生のトマトが手に入りにくい時期は、ジュースを利用するといいでしょう。あるいはトマトソースたっぷりのピザやパスタもお勧めです。リコピンは、そのほか、スイカやグレープフルーツにも、少量含まれています。

より多くのリコピンが前立腺に蓄積されれば、ガンなどのトラブルが防げるうえに精力増強にもつながります。

最近の研究によると、ED(勃起不全) の治療にもリコピンが役立つという報告がありました。ヨーロッパでは、不道徳な媚薬食物として、トマト栽培が禁じられた時代もあったといいますが、それもリコピンの威力を物語っているのかもしれません。精力増強剤などのカを借りて、年齢以上の無理を体に強いている人は、より積極的にリコピンを取って、前立腺をいたわってください。

細胞も元気にする栄養満点のトマト