ミネラルウォーターで血液さらさら

健康関連の講演の中で「どれくらい水を飲んだら、血液はサラサラになりますか?」という質問が年間を通して一番多い質問でした。

最近、「ドロドロの血液「「サラサラの血液」 という言葉が独り歩きを始めたせいか、このような質問を受けることが多くなりました。

血液がドロドロになるメカニズムを説明し、「必要以上の水を飲んでもサラサラの血液にはなりません。ドロドロの血液をサラサラにするためには、食習慣、運動習慣を含めた生活習慣全般を見直すことが必要です。とお話ししています。

血液は、約55%の液体成分「血漿(約90%は水分で、残りの10%はタンパク質、脂質、糖質、ミネラル、酵素など)」と、約45% の細胞成分「血球(赤血球、白血球、血小板など)」で構成され、体のすみずみまで張り巡らされた毛細血管を通って、すべての細胞に栄養と酸素を運び、老廃物や二酸化炭素を回収しています。

ところが、毛細血管の内径はおよそ7ミクロン(1 000 分の7ミリ) で、髪の毛の14~15分の1ほどの太さしかないのに対し、赤血球の横幅は約8ミクロン、白血球は10~25 ミクロン、血小板は2~3 ミクロンです。

ですから、毛細血管の内径より大きい赤血球や白血球は、形を変えて毛細血管内をサラサラ流れていくのです。

血球が形を変える能力を「変形能」と言いますが、生活習慣の乱れにより血液中に糖質や中性脂肪が増加すると、過剰な糖質が糖タンパクとなり、血球の膜に付着してしまいます。すると血球の柔軟性が失われ、変形能も低下するうえに、血小板も凝集しやすくなるのです。

また、中性脂肪が増え過ぎると、消化の際の燃えカスが血液中に残ることがあります。

中性脂肪があがらないためには「アルコールの飲み過ぎに注意」することも重要です。

この燃えカスが赤血球を壊し、血小板を凝集させます。さらに、ストレスなどで活性酸素が多くなると白血球がべ夕べタになり、血小板も凝集しやすくなります。このような病的な状態の人の血液を、MC-FANという疑似毛細血管モデルを使った検査装置で観察すると、ドロドロになっています。しかし、ドロドロの原因は、極度の脱水状態でもない限り、水分不足によるものではないので、いくら水を飲んでから再検査してもサラサラになることはありません。

水さえたくさん飲めば血液がさらさらになるということではないということです。

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