腸を若返らせる乳酸菌大量摂取

日本人に大腸ガンが急増しています。ここ何年かは特に増加傾向にあります。そうした患者さんに、10前から、手術などの通常の治療に加えて、粉末状の特殊な乳酸菌をすすめています。その結果、ガンが大幅に改善したり、再発や転移を防げたりしている人が、現れるようになりました。

乳酸菌をガン治療の一助に活用する病医院は、全国的に増えつつあります。乳酸菌がガン治療に力を発揮するのは、免疫力(体を病気から守る力)を強める働きがあるからです。
専門家による実験では、免疫力を強める強力な働きのあることが実証されています。現在、ガンだけでなく、さまざまな病気が人間の健康を脅かしています。そうした中で改めて見直さなければならないのは体に本来備わっている免疫の働きです。免疫とは、体内の病原体やガン細胞などを退治して、私たちの体を病気から守ってくれるしくみのです。

そのしくみを担う最も重要な器官が、実は『腸』なのです。腸は食べ物を消化・吸収するだけでなく、無数の免疫細胞によって、病気から体を守ってくれています。
腸を若返らせて活発に働かせることができれば、さまざまな病気を退けることができるのです。腸内には、100兆個以上の腸内細菌が生息しているといわれています。
これらの腸内細菌は、体に有用な働きをする善玉菌と、害をもたらす悪玉菌に大別されます。腸を若返らせるためには、腸内に乳酸菌をはじめとした善玉菌を増やさなければなりません。善玉菌が惑玉菌よりも優勢なら、おなかの調子がよくなるだけでなく、免疫力も強まるのです。そのしくみは、次のとおりです。免疫細胞にはさまざまなものがありますが、最も重要な働きをするのが、ヘルパーT細胞です。
ヘルパーT細胞には、ガンに対抗するTh1と、たんばく質などに対抗するTh2があります。この2つは、どちらか一方が活性化すると、もう一方の働きが抑制されるという問係にあります。
そのため、悪玉菌がたんばく質を分解したときにできる有害物質が増えると、Th2が活性化され、逆にThlの働きが衰えて、ガンに対抗する免疫力が低下します。また、惑玉菌が優勢になって腸内に有害物質が増えると、それに対抗するために、血液中の白血球が活性酸素(酸化力の強い酸素)を大量にまき散らします。こうした有害物質や活性酸素は、血液によって全身に運ばれ、細胞の新陳代謝(古いものと新しいものの入れ替わり)を妨げたり、細胞を傷つけたりします。それがガンやアレルギーなど、さまざまな病気を引き起こす原因になるのです。以上のように、腸を活性化して免疫力を強め、ガンをはいレめとするさまざまな病気を退けるには、腸内の最近を
増やすことが重要なのです。

腸内の善玉菌を増やすには、ヨーグルトなど、乳酸菌を多く含む食品を積極的に食べることが肝心です。特にガンの患者さんは、乳酸菌を大量に摂取して、免疫力を飛躍的に強める必要があります。乳酸菌はまた、腸の免疫細胞を直接刺激して免疫力を強めます。これは体内の全免疫細胞のうち、約6割が腸(小腸)に集中しているからです。

乳酸菌の働きは、細胞壁に含まれている成分(多糖類)によって生み出されています。その成分がバイエル板に取り込まれることで、小腸の免疫にかかわる働きを刺激し、免疫力を強めるのです。また、この成分は熟に強いので、乳酸菌が加熱によって死んでもその働きは変わりません。さらに、乳酸菌そのものが腸内の善玉菌のエサになって、善玉菌を増やすと考えられています。乳酸菌を大量にとるには、生きた菌よりも、死菌をとるほうが効率的です。
例えば、市販のヨーグルトの場合、 乳酸菌の生菌が含まれていますが、死菌なら同じ量をとった場合、 さらに大量の乳酸菌がとれるのです。しかも、大量の乳酸菌を生菌でとると、下痢になる場合がありますが、死菌ならその心配はありません。こうした優れた働きが明らかになってきたため、乳酸菌の粉末状の死菌を、ガン治療に活用する病医院が増えているのです。

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