体について
骨盤を意識して、上手にコントロール!
30代になると、20代のころに比べて体力は落ちているし、基礎代謝も落ちるから、だんだん疲れがとれにくくなったと自覚する人も増えます。仕事をしていれば一番忙しい年代でもあるし、責任も大きくなっていく。また、結婚して子どもを産んだ人なら、まだ子どもも小さくてそっちにかかりきりになって、自分のことはおろそかになりがち。そうすると体調はイマイチだけど、つい「忙しくて...」を理由にからだのメンテナンスをあと回しにしてしまう人も多いでしょう。
でも、それをそのままにしていると、疲れは慢性化し、さらなる不調を引き起こしてしまうことも!だから、そういった日々の不調を解消するだけでなく、これから先ずっときれいで美しい自分を保つためにも、「からだのそうじ」を意識して習慣化しておくことが大切です。
30代で悩まされがちな「婦人科系のトラブル」を防ぐには?
30代は、20代のようにからだに余裕がないからこそ、今の自分にはどれぐらいのことができるのか、冷静に見直す必要があります。ところが、骨盤的エネルギーの過剰や不足に翻弄されていると、とても冷静にはなれないので、無理をしてからだにより負担をかけてしまいがちです。
たとえば、30代はやはり、婦人科系の疾患・トラブルに悩まされることが増えてきます。実は、更年期の初期的な症状というのは、このあたりからはじまっているんじゃないかと思います。これが「骨盤的エネルギー」が過剰な状態。特に、妊娠・出産を経験しない人は、そのぶんエネルギー過剰になるので、からだにとっては負担になる。ここでエネルギー過剰になった骨盤が、「じゃあ、余ったエネルギーで筋腫をつくろう」とか「内膜症になろう」なんて方向に行くと、病変につながってしまいます。
ちなみに婦人科系の症状、病気は漢方との相性がいいです。
だからこそ、子どもをもつ・もたないの選択にかかわらず、30代になったら骨盤に無駄なエネルギーがたまらないようにしなくてはいけません。反対に、妊娠・出産を経験する人にとっては、20代ほどのエネルギーやしなやかさ・気軽さがない中でのことなので、からだには確実に負担がかかります。
出産をしないとエネルギーは余ってしまうけど、出産をするにはエネルギーがやや足りない状態、というわけです。そのため、妊娠期間中のケアが大変だったり、出産自体が大変だったりします。それを体力でカバーしようとしても、20代のときのようにはなかなかうまくいかない。
子育ても、20代のお母さんには赤ちゃんを抱いて動き回れる体力があっても、30代だとけっこうきつかったりします。でも、しかし、多少のエネルギー不足になっても、産める環境にあるなら、出産はすべきでしょう。
もちろん、やってきた仕事も10年のキャリアとかになってくるので、いったんそういうものを清算・整理して「産む」ということになれば、自分の中で葛藤もあるだろうし、大変なことです。でも、30代になると、出産については「じゃあ10年後にしよう」というわけにも、なかなかいかなくなってくるのが現実です。
充実している仕事をいったん中断してでも、妊娠・出産ということに懸けないと、体力的にはとても無理。だからそこで欲ばらないで、信頼できる先輩の意見なども聞いて、「今、自分が何を選ぶか」ということを冷静に判断することが必要だと思います。
「これを選ぶ」と決めさえすれば、からだの面を見ても、こころの充実度を見ても、想像以上のものが手に入るに違いありません。
30代の腰湯
30代の腰湯は、女性ホルモン(エストロゲン) の分泌を活発にするために効果的です。30代になると、出産を経験する人が増えます。これは、からだのデトックス、女性がきれいになる大きなチャンス! 女性は、妊娠することで、20代のころに比べて減少傾向にあった女性ホルモンを再び増やすことができます。つまり、妊娠することで今後15年ぶんくらい得をすると考えてもいいのかもしれません。
加えて出産後には、出産時にダメージを受けた臓器を修復するために、大量の女性ホルモンが分泌されるので、さらに若返ります。ここであと一歩工夫して、若々しく美しいからだをめざしましょう。
女性ホルモンの活発な分泌をうながすものはなんでしょう。それは、からだの脊髄身の機能。頭蓋骨- 脊髄- 仙骨- 尾骨(おしりのしっぽ) と続く、「頭蓋仙骨系」と呼ばれる部分がその役割を果たしています。この頭蓋仙骨系の中を、先に出てきた「脳脊髄液」が勢いよく対流しています。脳脊髄液はからだのバッテリーのようなもの。この脳脊髄液の対流がいいと、女性ホルモンが活発に分泌されるのです。
腰湯は、下半身を温めることによって、全身に脳脊髄液の対流をうながしてくれます。
「こころ編」
一度、いらないものを整理する
30代は、自分の人生がだんだんと整理されはじめる時期です。20代のころからすると、ひと区切りつくというか、自分にとって虚飾的なものや実は本質的にあまり望んでいないのになんとなくやっていたこととか、人との付き合いとかが、淘汰されていくようになります。自分のことがよりわかってきて、人生が充実しはじめる時期でもあります。
ところが、30歳を目前に控えた28~29歳あたりで、漠然とした焦りから疲れを感じる人も少なくありません。20代は、仕事でもプライベートでも課せられるものが大きいので、それを乗り越えるのに必死だったりするのですが、それによっていい具合にからだもこころもデトックスできる。30代に入ると、とりあえずそれらがルーティン化されて、ある意味ラクになるけれど、そのために「私には確かなものがまだ何もない」と思いはじめたり、結婚して子どもを産んだ人なら「子どもは産んだけど、じゃあ、私の人生はいったいなんなの?」なんて考えることがあるかもしれません。
「転職したほうがいいんじゃないか」「何かはじめなきゃいけないんじゃないか」といろいろなことを考えてしまう。そういうこころの問題を上手に解消して、快適に有意義に過ごすにはどうすればいいでしょう?
「頭」にエネルギーがたまりはじめたら要注意!
「うつ」の項でも説明しましたが、こころがもんもんとしはじめたら、エネルギーが余って頭に回ってしまっているサインです。仕事がルーティン化したり、子育てがひと段落したときに、こういう思考に陥る人が多いのは、からだもこころもラクになってエネルギーを使っていないからです。
まずは、自分のからだを日常的によく使っているか、毎日きちんと疲れ切って気持ちよく眠りについているか、生活を見直してみましょう。まだまだからだを使っていないと思ったら、日常の動作を特に意識して、丁寧に行なうこと。そうじ、洗濯、料理を細心の注意を払ってやってみましょう。
それはつまり、こころのエネルギーも使うということになるから、からだの中の巡りがどんどんよくなっていくのがわかります。からだ主導の生き方になっていけば、本当に必要なものといらないものが自然とわかって、自分にとって一番いい選択ができるようになる。だから、もんもんとするよりからだを動かしたほうが、探している答えを見つける近道になるのです。
迷ったときこそ、「仕事」を続けよう
そうやってすっきりした頭で、あらためて考えてみましょう。30代の女性は、出産するかしないかという問題も含めて、仕事と結婚生活の両立、という問題が出てきます。今はだいたい20代後半から30代にかけて、結婚する女性が多いと思うけれど、ちょうどその年代は、仕事をしている人にとってはすごく重要で、「仕事をしている自分」のコアとなる時期でもあります。
仕事によって培った経験は、そのほかのことではとても得がたいものだし、その人の人間性を磨いていってくれるもの。だから、あえていうと、結婚や出産によって、仕事という自分が培ってきた経験を手放してほしくはないと思うのです。
それはたとえば、今、仕事からいったん離れて、家事や育児をしていたとしても、最終的には自分がやってきた仕事に戻ってほしいということでもあります。特に、30代後半あたりからは、残りの半生の生活設計について真剣に考えていかなければいけないとき。自分の力を発揮して、本格的なスペシャリストとして自分を磨き上げるのに最適な時期です。
それが結果的に個人の経済力につながります。「経済力がある」ということは、お金を稼げるということだけじゃなく、自分の可能性を広げられるということです。
30代を通して自分が集中すべきものがはっきりとしてきたときに、そこに力を注いで、さらにそれを研耕していくような生活を、経済的に余裕があればより選択しやすくなるでしょう。
30代は、自分という人間を形づくつている基本的な構成要素が、明確になってきます。だから、20代にできなかったことも含めて、自分にとって、「いる・いらない」という取捨選択を、すごくシンプルな気持ちでやってみるといいでしょう。この、自分の生活の整理が、20代後半から引きずっていたもやもや感を払拭し、30代をイキイキと過ごすための自分磨きにつながるから。人生の本番は、ここからです。