HDL コレステロールは善玉コレステロールといわれています。全身の細胞でさまざまな仕事をして用済みとなったコレステロールは、血液のなかに出てくるのです。それを拾い集めていく清掃係の車のようなものがあって、その清掃車は用済みのコレステロールを肝臓に送り届けます。肝臓はそれを処理して小腸に排泄します。
HDLコレステロールというのは、その清掃車に乗っているコレステロールのことです。車のなかにおとなしく入っていて何の悪さもしないし、あとはもう肝臓で分解されて排泄されるだけなので善玉といわれるます。車の数が多いとそれだけ血管に悪さをするコレステロールが減ることになります。
そこで善玉も悪玉もふくめた総コレステロールに対するHDLコレステロールの比率が重要になってくるのです。
有名なフラミンガム心臓研究所のウィリアム・キャステリ博士は、総コレステロールに対するHDL コレステロールの比率が、将来の心臓病(循環系障害) の発病を最もよく予言るものだといいます。
人間ドックなどの健康診断を受けると、総コレステロール値とHDLコレステロール値がわかるので、その比率は自分でかんたんに計算できます。検査項目にHDLが入っていない場合は加えてもらうようにしましょう。料金は変わりありません。
もし仮に、あなたの総コレステロール値が200で、HDLコレステロール値が50 だったとします。200を50で割って、比率は4ということになります。この数が小さいほどHDLの比率が高く、心臓病から遠ざかることになるのです。
では具体的に、どのくらいの数なら安心なのでしょうか?
- 菜食主義者「2.8」
- マラソン完走者「3.4」
- 女性平均「4.4」
- 男性平均「5.0」
- 女性の心臓病平均「4.6~6.4」
- 男性の心臓病平均「5.4~6.1」
菜食主義者の心臓病の発病率は極めて低いのですが、この数字をみるとなるほどとうなずけます。
スピードはどうであれ、マラソンを完走できる人の数値もさすがに低いです。HDLの比率が高く心臓血管の状態がよいから走れるけです。この人たちも菜食主義者に近い(コレステロールの摂取量が少ない) 食事をしていることになります。
水泳やジョギングなどの、エアロビックな運動はHDLを増加させることがわかっているので、下げる方法の1つはそういった運動をすることです。ところが、総コレステロール量を減らさない限り大幅な改善は期待できません。
総コレステロールや悪玉コレステロールを自然素材で下げる「コレステ生活」
ではどうしたらいいのかというと、5以下になるまで肉を減らすこと。総コレステロール量に大きく響くのは肉だからです。そうやって肉の量を調整していくと、次第に健全な食事のパターンが出来上がってくるのです。