早期の肺ガンなら痛みも副作用もないレーザー治療で完治できる

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国内では1年問にガンで亡くなる人が約34万程度人いますが、ガンによる死亡数を部位別に見ると、男女とも肺ガンが第1位を占めています。
肺ガンは、ガンの中でも特に生存率が低いガンとされています。そんな中、肺ガンに対して行われる最新の治療法で、痛みも副作用もなく、ほぼ100%改善し、保険も使える新しいレーザー治療が注目を集めています。この治療法は、日本語では光線力学的療法といわれており、英語の頭文字を取って「PDT」と呼ばれています。
レーザー治療というと、高いエネルギーのレーザー光線で患部を焼き切るという印象を抱く人がいると思います。しかし、PDTで用いられるレーザーは出力が低く、レーザ一に手をかざしても、ほとんど熟さを感じないほどです。従来のレーザーメスは、40ワットの高エネルギーを利用しますが、PDTのレーザーは、その200分の1 の200ミリワット前後の弱いエネルギーしか使いません。

PDTの特徴は、レーザー光線を当てると化学反応を起こす光感受性物質を用いることです。特定の光感受性物質は.健康な細胞よりもガンの細胞に集中する性質があります。それを利用して光感受性物質をガン細胞に集中させ、そこにレーザーを当てると、健康な細胞には損傷を与えず、ガン細胞だけを選択俄に攻撃することができるのです。DNA(遺伝子の本体) にも影響を与えないので、新たなガンを誘発する心配もありません。肺ガンの患者さんには.高齢でタバコを吸う人が多く、肺が衰弱している場合が少なくありません。そんな患者さんに肺を切除する治療を行うと、呼吸機能が低下して極端にQOL(生活の室が低下したり、肺炎などの合併症で生命の危険を招いたりするおそれがあります。
その点、正常な細胞に損傷を与えないPDTなら、治療後の肺機能が維持されるので、そうした危険は少なくなります。
ガンに集中させる光感受性物質は、「腫瘍親和性光感受性物質」と呼ばれ、光を当てると化学変化を起こします。現在、フォトフリンとレザフィリンの2種類が、ガン治療用の腫瘍親和性光感受性物質として厚生労働省に認可されて保険適用を受けています。
レーザー光線を当てると、光感受性物質はいったん活性化しますが、その後、安定した状態に戻るときに活性酸素(酸化力が強い悪玉酸素)を出すと考えられています。この活性酸素がガン細胞を死滅させるのです。肺ガンのほか、胃ガン、食道ガン、子宮頸ガンに保険を使って治療ができます。

近年、早期の胃ガンに対して、内視鏡(胃カメラ)を使った治療が広く行われるようになってきました。この方法で胃ガンの治療を行うためには、ガンがリンパ節へ転移していない状態であることが条件ですが、腹部を切り問いたり、胃を切り取ったりせずにすむため、患者さんの体力的な負担が軽くてすみ、胃の機能を維持することができるという優れた特徴があります。以前から、胃ガンの内視鏡手術は行われていましたが、それは、EMR(内視鏡的粘膜切除術)と呼ばれる方法でした。これは、内視鏡の先端からスネアと呼ばれる金属の輪を出してガン組織の椒もとに引っかけて、高周波電流でガン組織を焼き切って切除する方法です。

粘膜下層までしか進んでいないものを早期胃ガン、固有節層以上に進行したものを進行胃ガンとそれぞれ呼んでいます。ガンが粘膜内にとどまっていれば、リンパ節への転移はないことが、今までの研究で明らかになっています。したがって、内視鏡治療の対象となるのは、早期胃ガンと呼ばれる段階のものです。

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