現代は、食材が健康を害してしまっている

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栄養失調といえばまず、骨と皮のガリガリに痩せた姿が脳裏に浮かびます。いまも世界の恵まれない地域では、天災や人災によってこうした状況に追い込まれる人々があとを絶ちません。

日本では、使えるものでも食べられるモノでもすぐに捨ててしまいます。日本などの先進国ではこうした国とは正反対です。先進国の現代食はカロリーは十分すぎるほど摂れていますが、そのカロリーを代謝するために必要なビタミン 、ミネラルなどの副栄養素が不足しているのです。

カロリーが摂れていて副栄養素が摂れていない「現代型栄養失調」は痩せるのではなく、逆に肥満として現れます。そのメカニズムは、摂取したカロリーをエネルギーに変えるエネルギーメイク( エネルギー代謝)や、古い細胞を捨てて新しい細胞を作るボディーメイク(新陳代謝)を促進させるために必要なビタミンやミネラルが不足しているために、代謝し切れなかった余剰カロリーが脂肪として貯蔵されるからです。

それが皮下や内臓に溜まったり、肝臓に蓄えられたり、あるいは血管の内部に付着・沈着し、肥満や脂肪肝や動脈硬化という生活習慣病の元凶となっているのです。この脂肪が溜まる、蓄えられるという現象は人間の体が飢餓に順応できるように、余ったカロリーを体内に蓄積するメカニズムを身に付けているから起こることなのです。

これは、人類が400万年以上 前に誕生して以来、闘ってきた飢餓というものに順応するために身に付けた人類が生き抜くために不可欠な能力で防衛手段なのです。

つまり、人間の遺伝子からこのカロリーの体内蓄積という部分を取り去れば、余ったカロリーを体外に排泄でき、肥満や生活習慣病の問題は解決する可能性があります。しかしそうなれば、ちょっとした飢餓にも耐えられない体となってしまいます。

現代人の肥満は、単に太っているというだけではなく、遺伝の問題と重要なかかわりを持っていることなのです。では、健康に過ごしていくために、また肥満にならないためには、どうしたらいいのでしょうか。それは摂取したカロリーに見合った量の、ビタミンやミネラルなどの副栄養素を最低限きちんと補給することです。

たとえば、カロリーを10摂ったらビタミンやミネラルも10 摂れば、カロリーは余らず、体内に脂肪として蓄積されることもありません。 しかし、1つ問題があります。必要なビタミン、ミネラルをどのように摂るかです。

日頃、食べている現代の食材では、ビタミン、ミネラルの必要量を確保できないからです。 野菜や魚など、スーパーなどで手に入る食品や食材そのものに、代謝に必要なだけの副栄養素は、残念ながら含まれていません。

「日本食品標準成分表」の1950年(初訂) と1982年( 四訂) を比べれば、それは一目瞭然です。

たとえば、玉ねぎに含まれているミネラルのカルシウムの場合。ここ20~30年の間に6割近くも激減しています。 日常的に食べている食品や食材の栄養分は年々少なくなっていて、特にビタミン、ミネラルなどの副栄養素が大量に失われているのです。

理由はいくつも考えられますが、中でも一番大きいのは土地がやせてしまったことでしょう。 日本の農業は狭い国土を有効活用しょぅと四季折々に色々な野菜を作り続けてきました。

そのために、土壌の酸性化が進み、作物はできるものの、含まれる栄養分は少なくなるということが起きています。

また、虫食いも少なく、時間が経っても新鮮さを失わない野菜を作るためにと使われてきた農薬や化学肥料の影響も大きいと考えられます。

主食であるお米でも、同じようなことが起きています。お米を美味しく食べるということで、いまや精米ほ当たり前ですが、じつは、精米される前の段階では、ぬかの部分には食物繊維がたくさん含まれています。

また、胚芽の部分には同じようにビタミンやミネラルが豊富です。しかし、お米の美味しさ優先で、これらの栄養素は精米の段階でそぎ取られ捨てられているのです。これでは、現代食で代謝のために必要なビタミンやミネラルが確保できないのも無理はありません。

さらに、他の加工の仕方にも問題があります。ビタミンやミネラルの大半は水や熱に弱いという特徴を持っています。

ビタミンやミネラルがたくさん含まれている野菜などを煮炊きすれば、水溶性のビタミンほ水に逃げてしまいます。 また、熱を加えれば、熱に弱いビタミンは壊れてしまいます。

つまり、美味しく食べるために調理しても、食物に含まれているカロリーだけが温存され、ビタミンやミネラルなどを破壊したり溶かしたり削ったりしているという皮肉な現象が起きてしまうのです。

そんなに副栄養素が少なくなった食材でも、毎日野菜を調理せず、調味料なしでバケツ1杯山盛りで食べていれば、ビタミンなどを十分に補給することができるかもしれません。 しかし、それは事実上不可能です。では、足りない副栄養素を毎日の食事の中でどう補うのか。その答えがサプリメントの有効活用なのです。

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