ビルベリーは目の酸化を抑える抗酸化力が強力で欧米では強度近視や網膜の治療に応用されている
私たちの目の眼球の内部には、常に一定の圧力がかかっています。そして、眼球内で作られる」ほうすい房水という液体によって錮調節されています。房水は血管の通っていない角膜や水晶体に栄養を送り、老廃物を回収して眼球外へ排出する働きをしています。
ところが、何らかの原因で房水が排出されにくくなると、眼圧が上昇します。その結果、視神経が圧迫されて細胞が傷つき、視野が欠けたり、視力が急激に低下したりする緑内障が起こるのです。
では、一般に行われる眼圧測定の数値が基準値 の範囲内であれば、緑内障の心配はないのでしょうか。日本人の場合、約9割は、眼圧が基準値域内で起こる「正常眼圧緑内障」であることがわかっています。
日本人は強度近視の人が多く、近視では眼球が前後に引き伸ばされたような状態になるため、視神経への負担が大きくなると考えられています。
そこで私が、緑内障の治療で最優先に考えたのが、目の動脈硬化を改善し、血流をよくする方法です。視神経の障害を招く根本原因は、酸素や栄養の供給が足りなくなることにあるからです。酸素や栄養は血液の流れもうまくに乗って網膜動脈を通り、毛細血管へと運ばれて視神経に届きます。つまり、網膜動脈の血流が悪化すると、視神経にも悪影響を及ぼすことになるのです。
ビルベリーエキスで網膜の血流がよくなり正常眼圧緑内障の眼圧も大幅に改善
網膜の動脈硬化を予防・改善する有効な手段としはブルーベリーの野生種であるビルベリーです。
ビルベリーは北欧に自生するツツジ科の植物で、濃い青色や紫色の果実を実らせます。その鮮やかな色の正体は、アントシアニンという極めて抗酸化カの強い植物色素。ビルベリーには、15種類ものアントシアニンが豊富に含まれています。ビルベリーの働きにいち早く注目した欧米では、1970年代から強度近視、網膜症、眼精疲労(重度の疲れ目) といった目の病気の治療薬として、幅広く利用されてきました。
こうしたビルベリーの働きを確認するため、視力障害を持つ52~72歳の388を対象に、ビルベリーを6ヶ月にわたって飲んでもらう試験も行われています。その結果、全員に網膜動脈の血流量の増加が認められたのです。
この試験に参加した方の中には、正常眼圧緑内障の方が5人いました。そこで、この5人の眼圧の変化を調べたところ、ビルベリーを飲む前の眼圧が平均17.97mmHGだったのに対し、飲みはじめて4ヶ月後の数値は15.27mmHGと、大幅に低下したことがわかったのです。
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