「刺激コントロール法」を快眠に生かす

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餌を持ってきてくれる研究員の足音を聞くだけで、まだ餌を食べていないのによだれを流す犬を見て、パブロフは条件反射の研究を始めました。
長期間にわたって不眠症が続く人の中にも、この条件反射が問題となっていることがあります。
寝床についてもなかなか寝つかれず、布団の中で悶々としていると、次第に、布団が悪いわけではないのに、布団と不眠を結びつけて考えてしまいます。
それが繰り返されていくうちに、「布団・寝床・寝室=不眠の原因」という考え方が固定化してしまい、眠ろうとして布団に入っても、逆に日が覚めてしまいます。この状態を「条件不眠」といいます。
30年ほど前に、アメリカのリチャード・プーチンらが始めた「刺激コントロール法(刺激制限法)」は、この思考の悪循環を断って、「布団・寝床・寝室=リラックス・快眠・幸せ」という考え方になる方法です。具体的には、次のような方法で進めます。
①眠くなったときにだけ、寝床につく
睡眠時問の短縮を目指すのなら、眠くないのに寝床につくのは、時間の無駄です。また、「布団・寝床=睡眠」という考え方をしていないから、布団に入って目を閉じても、すぐに眠くならないのです。すでに「布団・寝床= 不眠」と思い込んでいるのなら、その間違った考え方を強化しないためにも、眠くなってから布団に入りましょう。

②寝床は、睡眠以外に使ってはいけない
これは、睡眠と寝床を関連づけるためのものです。ベッドや布団を、睡眠のためだけに使うのです。寝床で本を読んだりテレビを見たり、飲食をしてはいけません。睡眠以外の活動は、できれば寝室ではない場所で行ないましょう。
また、寝床につく前の~2時間は、趣味などリラックスできることを行ない、心と体の緊張をほぐしてください。

③寝床に入って15分たっても眠れなければ、寝室を出る
健康な人であれば、布団に入って目を閉じると、15分以内に眠り始めます。それ以上の時間がたっても寝つけないのなら、寝床にいても時間の無駄です。
起き上がって、ほかの部屋でしたいことをしてください。本当に眠くなるまでは寝室に人らず、再び眠くなったら寝床につきます。もし、布団に入ってもすぐに眠くならなければ、もう一度、寝室から出てしまいましょう。

④眠れるまで、夜通しかかっても③を続ける
あなたの心の中では、「間違った思い込み」と「よい考え方」が戦っています。くじけてはいけません。しばらくはつらいですが、ここを乗り切ると素晴らしい眠りが待っています。1週間くらいは睡眠不足になりがちですから、事前に段取りを組んだり、周囲の人たちに迷惑をかけるかもしれないことを根回ししておく必要があります。

⑤睡眠時間にかかわらず、朝は毎日決まった時刻に起きる
新しい睡眠習慣を得るためには、起きる時刻を一定にすることが鉄則です。睡眠時間が短くても、朝は頑張って起きましょう。目が覚めたらすぐ布団から出て、朝日を体全体に浴びると、体内時計がリセットされて、心と体が動き始めます。熱いシャワーを浴びると、体温も上がってエンジンがかかります。

⑥日中は、居眠りや昼寝をしてはいけない
上手に昼寝することは、睡眠時間を短縮するためには欠かせません。しかし、この刺激コントロール法を行なっている間は、眠るのは夜だけにしてください。日中、眠らずにいて、眠気が最大限になったところで寝床に入ると、効率的な睡眠がとれます。

アメリカ睡眠医学会が出している不眠症の治療に関する指針の中で、刺激コントロール法は、高い臨床的確実性が認められています。不眠のタイプでは、寝つきが悪い人や睡眠の途中で目が覚めてしまう人に、特に有効です。また、不眠を治そうとする本人の強い意志が、何よりも重要な成功のポイントとされていますから、効果を信じて取り組んでください。