これまで見てきたように、毎日食べている現代食には肥満や生活習慣病の危険が隠れています。普段はそんなことにも気づかずに食べています。
それにも負けず日本人が世界一の長寿を保つことが出来るのほなぜでしょう。その秘密は和食にあります。
和食は世界一の健康食なのです。アメリカのハリウッドの女優や歌手なども和食を食べています。
日本ほど豊かな自然と食に恵まれた国ほありません。温帯に属し、降雨量も世界平均の2倍もあり、四季を通じて山や川、海や平野から折々の豊富な食材を入手出来ました。
穀物と豆類からはたんばく質と炭水化物を摂り、海の辛からは動物性たんばくやEPA・DHA のオメガ3 系の脂肪とミネラルを、さまざまな野菜や果物からはビタミソやミネラルやファイバーを摂取してきました。
さらに、納豆菌などの微生物を上手に利用して、味噌や醤油などの発酵食品なども多数作り出しました。栄養学的に見ても、これほどバランスの取れた食事は世界のどこにもありませんでした。
しかし、第二次世界大戦後の素材不足の貧しい時代を経て、日本人は、一見豪華で華やかな欧米食に憧れ、一気に欧米化の食事が主流となってしまいました。
その結果が順応しきれずに増え続けるさまざまな欧米型生活習慣病です。日本人には欧米食が合わないという典型的な食材があります。それは牛乳です。牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしてしまう人が多いのです。
これは乳糖不耐症が原因で、牛乳の成分である乳糖を代謝するために必要なラクターゼという酵素の活性が低いのです。
これは、日本人という農耕民族の宿命とも言える遺伝的特徴なのです。-方、欧米人は主食としてのお米が取れなかったために、小麦を一度、粉にして練り上げ、焼いてパンを作りました。しかし、お米ほどは栄養価が高くなかったために、主食にはなりませんでした。
というか欧米食にほ主食となりうる食材がなく、主食という概念が育ちませんでした。欧米食には、メインディッシュという言葉があり、これほ肉料理を指します。日本人がご飯をおいしく食べるために味噌汁や惣菜や香の物があるように、欧米食は、メインディッシュの肉をおいしく食べるためにパンやスープやサラダがあるのです。また、欧米でほ、農作物の収穫も十分ではなかったために、家畜を育て乳を摂り肉を主食としたのです。
欧米ではパンが主食と考えがちですが、それは誤解です。欧米人にとってパンは副食の一部でしかありません。フランスパンは残ったスープを染み込ませて食べるために硬く作られたといいます。アメリカで生まれたといわれる食パンは、手が汚れないように肉などを包んで食べるために作られたということです。
和食のほうが洋食よりも優れています。確かに和食でも、素材の栄養価が下がり、昔ほどの栄養は摂取しにくくなっていますが、それでも欧米食よりも、低脂肪で炭水化物が多くバランスの取れた食事となっています。この豊かな食習慣を、守り育てていくべきです。
お米が日本人の体をつくるのに最適なのです。
コメント