憂鬱な生理を変える

自分から自発的に動かなくても、生理によって月に1回からだが勝手にそうじをして、体内をきれいに保とうとしてくれるのが女性の体です。だからこそ、女性は男性と違って、より柔らかくてピカピカの肌をもっていて、それが女性らしいしなやかで美しい印象につながっています。

だから「面倒くさい」とか「嫌だ」なんて思わずに、生理を楽しんで、上手に付き合う方法を見つけたいものです。先に簡単にふれたけど、月単位で眺めると、骨盤は2週間かけてゆっくり開き、その後2週間かけてゆっくり閉じる、というサイクルをくり返しています。開いていた骨盤が閉まる方向ヘスイッチするのが、生理開始のとき。生理が終わって約1 週間ほどで、また開く方向ヘスイッチするのが、排卵のタイミングです。

生理がはじまって骨盤が閉まってくる高潮期は、からだ全体がビリッと引き締まってきて、外へ出かけたり人に会ったりするのが楽しくなってきます。逆に、排卵から生理開始までの2週間、つまり骨盤が開いていく低潮期は、なんとなくボーッとしていて、アクティブな気持ちにはなりにくくなります。

骨盤が全体的に大きく開いている妊娠中の女性が、ホワホワッとした感じになるのと同じです。どんなに元気な人でも、やる気が起きず、内向的になる時期というのが必ずあるでしょう。こんなふうに、骨盤の開閉運動は、自分の感情の波ともつながっているんです。その時々で外向きや内向きに偏る自分に、びっくりしたりイライラしたりしないで、自然な感情の流れにまかせて毎日を送ろう。

生理で「こころも、すっきり!」するコツ

まずは、通常の骨盤の開閉運動に連動する高潮期・低潮期の披にうまく「乗る」ことです。骨盤が開いていく時期は、からだ全体がなんとなくダラーンとしているから、家の中で静かに過ごしたい。逆に高潮期へ向かうとき、生理がはじまって体内のゴミが一掃されると、外へ出て思い切りからだを動かすことが苦でなくなります。

このアップダウンは、決してどちらがよくて、どちらが悪い、というものではありません。高潮期・低潮期の移行がスムーズに行なわれることこそが大切なんです。だから、からだの意向に逆らって、無理やりがんばろうとしたり、からだに連動する感情の波を素直に受け入れられないと、骨盤の開閉に歯止めをかけてしまうことになりかねないのです。

大事なのは、自分のからだが本来もっているリズムを崩さないこと。からだが働きたいとき、休みたいときを感じとりながら、メリハリをつけて生活することで、からだのそうじもタイミングよくスムーズに行なわれます。「毎月の生理が楽しみ! 」なんてくらいになれば、感情のアップダウンともうまく付き合っていけるから、自分自身をもっと上手にコントロールできるようになる。それは、とりもなおさず、疲れないための第一歩でもある。

つまり、生理というのは、からだの中をきれいにしてくれるそうじでもあるけど、からだとこころのもやもやもそうじしてくれるものなんです。

生理痛がなくなる! 食生活のコツ

女性のからだに毎月訪れる「そうじ」のチャンス、生理とうまく付き合うには、食生活で気をつけるポイントが3つあります。

その1

まず、スムーズでラクな生理のためには、生理がはじまる3日前くらいから、高タンパク食を心がけること。高タンパク食というのは、卵や肉や魚などを中心に摂取する食事のこと。大豆製品も良質なタンパク質なので、納豆や豆腐でもいい。これはなぜかというと、生理というのは血液の入れ替え作業でもあるから、体内の血肉を再構築しなきやいけないわけ。だから、動物のからだをつくるのに一番必要な、タンパク質の摂取が必須なんです。

その2

この時期、控えたいのは炭水化物やお菓子頬。生理開始の2〜3日前に便秘になったりする人は多いんだけど、その原因は、炭水化物など糖の摂取が過剰になっていることにあります。白米やパン、お菓子といったものをとりすぎると、血糖値が上がり、毛細血管の炎症発生率が上がります。

生理によってこれから内膜がはがれて捨てられるという、そもそも炎症を引き起こす状況下で、からだはよりストレスフルな状態になってしまうわけです。それで、生理痛がひどくなったり、さらに炎症が広がって内膜症になったり... 。そんなことにならないよう、糖の過剰摂取には注意が必要です。

その3

食事全体についていえば、無理に食べる量を減らす必要はありません。むしろ、「食べたいものをちゃんと食べる⊥ ことを心がけてほしい。1日のうち2 食は、そういう食事ができるようにしてほしいんです。その日、自分が本当に食べたいものを食べて、食事をちゃんと楽しむ。お腹をすぐに満たすためにファストフードですませるのではなく、時間がかかっても自分で料理をして、きちんと栄養をとる。そうすると、自然とからだに必要なものを食べられるし、満足のいく食事ができれば、おせんべいやチョコレートに手が出る率も下がるでしょう。甘いものがどうしても食べたい、というときでも、ひとつふたつ食べれば満足して、食べすぎた、なんてことはなくなります。結果、からだに負担のない、しかもからだにとってとても効果的なそうじができるというわけです。

生理痛を和らげる食事はこちら。

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