緑内障の原因は花粉症などに使うステロイド剤

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

今や抗生物質と並び、現代医学に必須の薬とされているのがステロイド薬です。ステロイドとは、副腎皮質ホルモンと呼ばれる脊椎動物に作用するホルモンの一種。

副腎でコレステロールから生成され、私たちの体内に存在しています。例えば、体を男性らしくする男性ホルモンは、副腎皮質ホルモンの1つです。

副腎皮質ホルモンには、炎症を抑えたり、乱れた免疫反応を鎮めたりする強力な薬理作用があります。

そのため、医療現場でステロイド薬が特効薬のように使われているのです。おそらく、みなさんにとって最も身近なステロイド薬は、アレルギー病の1つである、花粉症を抑える注射や内服薬、点眼薬でしょう。

ステロイド薬の抗炎症作用、免疫抑制作用は花粉症のつらい症状を鎮めるのに最適なのです。

ところが、効き目が強いぶん、ステロイド薬には多くの副作用があります。感染症にかかりやすくなるほか、高血圧、糖尿病、脂質異常症、骨粗鬆症、消化性潰瘍、発疹などの起こる恐れがあるのです。

実は、ステロイド薬の副作用として、緑内障が起こったり悪化したりすることもあります。特に、高齢で近視の人、眼圧が基準値ぎりぎりの人、

また、家族が緑内障になっている人も含めて、ステロイド薬の使用で緑内障を招く危険が大きいと考えられています。

なぜステロイド薬で緑内障が起こるのか、明確な理由はわかっていません。おそらく、薬の影響で日の房水排出が悪くなり、眼圧が高まるからではないかと指摘されています。

ステロイド薬を使用する人は、定期的に眼圧・眼底検査を受けるようにしてください。そして、副作用による緑内障が疑われる場合は、すみやかに薬の使用量を減らすか、使用を中止して、医師の指示を仰いでください。

薬の中止が早ければ、上昇した眼圧は、大半は正常に戻ります。問題なのは、ぜんそくの患者さんのように、ステロイド薬を減量・中止すると、発作を起こす危険がある場合です。

薬を減量・中止できない人は、眼圧をなんらかの方法で下げる必要があります。なお、ステロイド薬の減量・中止で眼圧を正常に戻すことはできてもいったん視野が欠けてしまったら、ステロイド薬をやめても、欠けた視野はもとには戻りません。

今年の春は、花粉が大量飛散するといわれています、花粉症に悩んでいる人は、くれぐれも注意してください。

関連ページ

  1. ビルベリーは緑内障悪化の最後の切り札、眼圧に負けない網膜を維持する
  2. 手術負荷の糖尿病による血管新生緑内障が新手術で治療できた
  3. 何回もの手術をしても再発した眼圧40ミリまで上昇した先天性の緑内障が新手術でやっと改善
  4. 緑内障の新手術は房水を排出する極小チューブを眼球内に挿入、オペ後2~3日で退院できる
  5. 従来の手術ができない難治性緑内障に有効
  6. アスタキサンチンは強力な抗酸化力で視神経の血流を改善する
  7. 緑内障で眼圧が30ミリまで上昇したが頭皮こすりで正常値まで改善
  8. 緑内障の人は目の血流不足の疑い?頭皮こすりで血流を促進する
  9. 日本人に多い眼圧は正常な緑内障を診断する「三次元眼底検査」
  10. 緑内障の原因は花粉症などに使うステロイド剤
  11. 視野の欠けがすすみ最悪は失明の危険もある