キチン・キトサンは、カニの甲羅やエビの殻に存在する多糖類の一種。ヒトの消化酵素で消化されないという意味では、キチン・キトサンは動物性の食物繊維である。
甲殻類の殻からタンパク質やカルシウムなどの成分を除いたものがキチン。キチンをアルカリ溶液で処理するとアセチル基が除かれ、キトサンになる。 効果・効能は、LDLコレステロールの低下作用。動脈硬化の予防および抑制作用。慢性腎不全に伴う貧血や電解質異常の改善作用。肥満や高血圧、高脂血症、糖尿病といった生活習慣病の改善効果。
キトサンは、経口摂取のあと、消化管内で胆汁酸や窒素代謝物、リン脂質、コレステロール、脂溶性ビタミン、カルシウムなどと結合し、効果を発揮すると考えられる。
脂肪の排泄増加という作用は明らかではない。動物実験では、キトサンの抗肥満作用が示されている。
愛媛大学の研究では、高脂肪・高コレステロール食によって高脂血症および肥満を生じたマウスに対して、キトサンを投与すると、体重増加の抑制、高脂血症や糖尿病の改善を認めたという。
また、名城大学の研究では、キトサンを投与したマウスにおいて、糖尿病の進行を抑制する効果が認められた。 キトサンの抗肥満効果は、食事療法との併用で認められる0 また、コレステロール低下作用を十分得るためには、1日あたり1000mg以上とかなりの量が必要である。
したがって、肥満や高脂血症に利用する場合には、一般的な食事療法を行い、他のサプリメントも併用する。 動脈硬化や慢性腎不全に対して用いる場合も同様である。
注意点としては、高脂血症や腎不全、動脈硬化性疾患など何らかの病気で医薬品を服用している人は、主治医に相談の上、利用する。 腹部膨満感(おなかが張る感じ)、便秘といった消化器症状を認めることがある。
また、キチン・キトサンあるいは甲殻類の成分に対して、アレルギー症状や過敏症が現れることがある。 これらの症状が見られたら使用を見合わせる。甲殻類の食品にアレルギーのある人は、念のため使用を避ける。
ただし、一般的には、通常の食材に近い成分であり、特に問題となる健康被害や副作用は知られていない。なお、キトサンが脂溶性ビタミン(ビタミンA ・D・E・K )の吸収を抑制すると推測されるので、注意する。 これら以外のサプリメントや医薬品との相互作用は報告されておらず、併用は問題ないと考えられる。
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