中国や日本では、古来より桑の葉を煎じて糖尿病に利用してきた。最近の研究によって、桑の葉に含まれるDNJという成分には食後に上昇する血糖を抑える働きがあることが示された。DNJというのは1-デオキシノジリマイシンの略称であり、糖質分解酵素の働きを阻害することで食後過血糖を改善する。そこで、DNJ を多く含む桑の葉エキスが、糖尿病の改善に役立つとして注目されている。
現在の糖尿病患者急増から糖尿病に効果のある成分は特に注目されやすい。
作用、効能は、糖尿病における食後過血糖の改善。糖尿病や肥満の予防および改善。抗酸化作用。動脈硬化抑制作用などになる。
食物に含まれる糖質・炭水化物は、小腸においてαグルコシダーゼといぅ酵素の働きによりブドウ糖に分解され吸収される。桑の葉エキスのDNJは、このα グルコシダーゼの働きを抑制することで、小腸から血液中へのブドウ糖の吸収を緩やかにする。健常者では、食事中の糖質が吸収されて血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が上がるのに応じ、膵臓からインスリンが必要な量だけ瞬時に分泌される。
しかし、糖尿病の人ではインスリンがゆっくりとしか分泌されないため、血液中のブドウ糖が処理されず、食後に血糖値が急激に上昇してしまうのである。なお、安全性について、2003年に神奈川県衛生研究所が、ラットにおける90 日間反復混餌投与毒性試験を報告。 それによると、毒性は認められず、亜慢性毒性は低いとされた。
糖尿病のモデルマウスを用いた実験では、DNJ投与群のほうが、対照群よりも血糖値の低下割合が大きくなる傾向が認められた。
また、10人の糖尿病患者にDNJを投与した臨床試験では、対照群に比べてDNJ投与群では食後血糖値の上昇が有意に抑制されたという報告がある。
国内で報告された試験では、他のサプリメントとの併用によって、桑の葉エキスの糖尿病改善効果を示したものが多い。たとえば、プロポリスやタマネギ濃縮粒などとの併用である0桑の葉エキス単独による臨床試験として、2 型糖尿病患者12名を対象に、8週間以上にわたり投与した報告がある。それによと、桑の葉エキスにょる食後過血糖抑制効果、ヘモグロビンA1Cの低下作用(改善効果) が確認されている。
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