マイタケ

マイタケ(舞茸) は、サルノコシカケ科に属する食用キノコであり、組織培養によって量産化されている。
近年、マイタケの成分が、ガンや糖尿病、高脂血症といった生活習慣病を予防する効果が示唆され、注目されるようになった。

効能、効果は、ガンの予防や治療効果。免疫賦清作用。糖尿病や高脂血症、高血圧、肥満など生活習慣病の予防や改善。抗菌作用。

有効成分の代表は、多糖類のβ グルカンである。1.3 あるいは1.6-βグルカン(マイクケD画分) の他、α グルカンも存在する。また、ビタミンD2の前駆体であるエルゴステロールや、リン脂質なども含まれている。有効成分には、免疫担当細胞であるマクロファージやNK(ナチュラル・キラー) 細胞、T リンパ球などの機能を高める働きがある。さらに、食後過血糖を改善する成分などもあり、糖尿病への効果も期待されている。動物実験では、高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満の改善作用、免疫賦清作用、抗菌作用などが報告されてきた。

動物実験など基礎研究において、マイタケの抗ガン作用が数多く示されてきた。たとえば、1.6 一βグルカンなどマイクケ抽出成分の腫瘍組織に対する効果を検証した研究では、マクロファージ、NK 細胞、キラーT リンパ球が活性化され、腫瘍細胞を攻撃することが示された。このとき、リンフォカインやインターロイキン1 などが放出されることも確認された。
2002年に報告された論文では、マイタケをガン患者に投与したそれまでの研究報告をまとめ、その抗ガン効果が検証されている。
対象となったのは、ステージⅡ~Ⅵのガンと診断された22歳から56歳の患者だ。マイタケ投与の結果、ガン組織の縮小や症状の改善が認められたのは、肝ガン患者の58.3% 、乳ガン患者の68.8% 、肺ガン患者の62.5% であった。一方、白血病や胃ガン、脳腫瘍に対しては10~2 0% 程度の改善率であった。また、マイタケをガンの化学療法と併用した場合、化学療法単独に比べて免疫応答細胞の活性が1.2~1.4倍に高まることも確認された。マイタケの成分が、抗糖尿病効果ももつことが基礎研究で示されている。まず、糖尿病の実験動物にマイタケを投与すると、耐糖能が改善した。別の研究では、マイタケの成分がαグルコシダーゼという酵素を阻害し、食後過血糖を改善することが示されている。また、マイタケによるコレステロール値低下作用も報告された。

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