「EPA」と一致するもの

魚の油に含まれる「EPA」が大腸がんを防ぐ

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血液がサラサラになって、血栓症を防いでくれる働きもある

背の青い魚であるマイワシ、マグロ、ブリ、サバ、サンマ、ウナギなどに多く含まれるのは、何も「頭の働きを良くする DHA(ドコサヘキサエン酸)」ばかりではない。

魚の油には注目のEPA(イコサペンタエン酸) も多く含まれており、ここへきて、大腸ガンを抑えるという報告が毎年、癌学会で発表されている。

たとえば、関西医科大はラットを使った実験でEPAの有効性を調べた。発ガン物質を投与して大腸ガンになりやすくしたラットを2群に分けた。そして、第1群にはエサに純度91% のEPAを混ぜて与え、第2群にはエサにリノール酸系の油を混ぜて与えた。リノール酸についてはこちら。

結果は、リノール酸系の油を食べた第2群のラットの大腸ガン発生率が69% 。 一方、EPAを与えた第1群のラットでは大腸ガン発生率が3% に抑えられていたのである。 発ガン予防に、EPAが効果的に作用していることがわかる。

発ガン予防だけではない。ガン細胞の増殖が最小限に抑えられ、さらに、ガン細胞の転移も抑制することが、やはりラットの実験でわかったのである。 EPAが発ガン予防、ガンの増殖・転移の抑制に強く働くことはわかったものの、はっきりとしたメカニズムは明らかになっていない。

そして、この作用は大腸ガンのみならず、乳ガンにおいても報告済みと、ガン予防の範囲は広がりをみせている。が、EPAが脚光を浴び始めたのは心筋梗塞、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症などの血管系の病気に対して。血液がサラサラになって血栓症を防いでくれるからである。

魚やアザラシを主食とするイヌイットの疫学調査を約10年にわたって行った。極寒の地・グリーンランドで魚やアザラシを中心に食し、野菜などの摂取が少ないイヌイットの人々に、予想される血栓症が少ない点を解明するためだった。

研究を続け、「イヌイットに血栓症が少ないのは魚やアザラシを食べているからだ。魚やアザラシに含まれているEPAが血栓症や動脈硬化を防いでいる」と発表し、世界の人々を驚かせた。

EPAの作用は認められ、日本でも医科向け治療薬として認可されている。「EPAの恩恵にあずかるにはマイワシがベスト。 1日2匹がちょうどいい分量で、EPA摂取量1グラムをクリアする。

DHAやEPAの効能をみれば血液さらさらが最初に書かれていることを考えると魚の油は積極的に摂りたい。

肉類を多く摂取すると、がんが増える理由は、調理や加工の過程で生まれる代謝物質に発がん性がある、あるいは肉食が多いと腸内細菌が変化し、それががん発生を増やすなど、いくつかの仮説があります。肉などの加工食品は摂りすぎないことがとても大切です。

サムゲタンがガン細胞の増殖を抑える

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「アンセリン」と「カルノシン」が活性酸素の働きを抑制する

参鶏湯(サムゲタン) という料理をご存知だろうか。
ニワトリの内臓を取り出し、かわりに高麗人参、もち米、ニンニク、稟(なつめ)、栗などを詰め込んで何時間も煮込んだ韓国の宮廷料理。
この料理のパワーに魅せられたのが、「魚を食べると頭が良くなる」を浸透させた農林水産省食品総合研究所機能生理研究室。
参鶏湯と出会ったのは昭和63年に韓国を訪れたとき。二日酔いの朝だった。「食欲がまったくなかった私が、汗をかきながらあっという間にたいらげました。
つらい二日酔いも、解消していたんです」と。強肝作用があったと思われるが、薬膳でもある参鶏湯の薬効はそれだけにはとどまらない。動物実験ではあるが、ガン細胞の増殖を抑制する効果があったという報告もなされている。注目されるのはとりスープに溶け出したアンセリンとカルノシンという物質。悪さをする活性酸素の働きを抑制するのが抗酸化作用だが、アンセリンとカルノシンにはその作用があるのだ。

さらに、「脳卒中や心臓病を防ぐEPA(イコサペンタエン酸) や頭や目を良くするといわれるDHA(ドコサヘキサエン酸)が含まれています。
また、ビタミンA は牛肉や豚肉の3~4倍というのも注目に値します。
ここまではニワトリのパワーだが、参鶏湯にはさまぎまな食材の組み合わせによるパワーも存在する。高麗人参の主たる薬効成分はサポニンという物質で、血圧や血糖値を下げる働きがある。: ンニクも〝医者いらず“ と形容されるほど、数多くの薬効を秘めている。とりわけ注目されるのは抗ガン作用。アメリカの学者はニンニクの抽出液をガン患者に用い、患者の延命につなげた。ガン細胞に栄養が行くのをニンニクの中の酵素が阻止したと考えられている。

さらに免疫力のアップだ。裏は精神安定、便秘解消、利尿効果など。栗は皮膚の老化防止、疲労回復、風邪予防。「胃潰瘍などを抑える抗ストレス効果も、参鶏湯を食べることで得られます。

マウスを使った実験では、参鶏湯を食べているマウスは胃潰瘍の発生数が、食べていないマウスの半分以下に減少したのである。抗ストレス、抗ガン作用。その他、さまざまなパワーを発揮する参鶏湯、果たしてどれくらい食べるといいのか。「薬効を期待するなら1週間に1回。最近はレトルト製品も輸入されていますから、手軽に味わえます。