サムゲタンがガン細胞の増殖を抑える

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「アンセリン」と「カルノシン」が活性酸素の働きを抑制する

参鶏湯(サムゲタン) という料理をご存知だろうか。
ニワトリの内臓を取り出し、かわりに高麗人参、もち米、ニンニク、稟(なつめ)、栗などを詰め込んで何時間も煮込んだ韓国の宮廷料理。
この料理のパワーに魅せられたのが、「魚を食べると頭が良くなる」を浸透させた農林水産省食品総合研究所機能生理研究室。
参鶏湯と出会ったのは昭和63年に韓国を訪れたとき。二日酔いの朝だった。「食欲がまったくなかった私が、汗をかきながらあっという間にたいらげました。
つらい二日酔いも、解消していたんです」と。強肝作用があったと思われるが、薬膳でもある参鶏湯の薬効はそれだけにはとどまらない。動物実験ではあるが、ガン細胞の増殖を抑制する効果があったという報告もなされている。注目されるのはとりスープに溶け出したアンセリンとカルノシンという物質。悪さをする活性酸素の働きを抑制するのが抗酸化作用だが、アンセリンとカルノシンにはその作用があるのだ。

さらに、「脳卒中や心臓病を防ぐEPA(イコサペンタエン酸) や頭や目を良くするといわれるDHA(ドコサヘキサエン酸)が含まれています。
また、ビタミンA は牛肉や豚肉の3~4倍というのも注目に値します。
ここまではニワトリのパワーだが、参鶏湯にはさまぎまな食材の組み合わせによるパワーも存在する。高麗人参の主たる薬効成分はサポニンという物質で、血圧や血糖値を下げる働きがある。: ンニクも〝医者いらず“ と形容されるほど、数多くの薬効を秘めている。とりわけ注目されるのは抗ガン作用。アメリカの学者はニンニクの抽出液をガン患者に用い、患者の延命につなげた。ガン細胞に栄養が行くのをニンニクの中の酵素が阻止したと考えられている。

さらに免疫力のアップだ。裏は精神安定、便秘解消、利尿効果など。栗は皮膚の老化防止、疲労回復、風邪予防。「胃潰瘍などを抑える抗ストレス効果も、参鶏湯を食べることで得られます。

マウスを使った実験では、参鶏湯を食べているマウスは胃潰瘍の発生数が、食べていないマウスの半分以下に減少したのである。抗ストレス、抗ガン作用。その他、さまざまなパワーを発揮する参鶏湯、果たしてどれくらい食べるといいのか。「薬効を期待するなら1週間に1回。最近はレトルト製品も輸入されていますから、手軽に味わえます。

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