サメ軟骨には、血管新生を抑え、ガン細胞への栄養血管形成を阻害することにより、ガンに効果があるとされる。
サメ軟骨は、40% がタンパク質、5~20% がグリコサミノグリカン(コンドロイチンなど)、カルシウム塩などで構成されている。
また、基礎研究において、血管新生を抑制する作用のあるフラクション(画分) がいくつか報告されているが、特定の有効成分はまだ同定されていない。サメ軟骨の抗ガン作用は、これらの成分が、
① 血管新生を抑制し、ガン細胞への栄養血管形成を阻害する
② ガン細胞が正常組織へ侵入する際に活性化される酵素(メタロプロテアーゼ) の働きを抑制する、
という2つのメカニズムによって発揮される。基礎研究では、サメ軟骨の抗ガン効果を支持する数多くの報告がある。たとえば、ハムスター膵管ガンの発生抑制効果、ウサギ角膜における血管新生に対する抑制作用などが示されてきた。また、獣医学分野において、ガンと診断された動物(犬15頭、猫1 頭)にサメ軟骨とアガリクスを投与して、抗ガン効果や全身状態の改善を認めたという報告がある。
ガン患者を対象にした臨床研究では、効果の有無について結果が一定していない。まず、サメ軟骨が有効であったとするいくつかの報告がある。
たとえば、22人の腎臓悪性腫瘍に投与した研究では、4人に効果が認められたという。また、29人のガン患者を対象にして16週間投与された研究では、ある程度の効果が認められた。しかし、これまでの報告では、サメ軟骨の効果は劇的なものではなかったようだ。
進行ガン・末期ガンには効果がないとする報告もある。たとえば、乳ガン、大腸ガン、肺ガン、前立腺ガン、悪性リンパ腫、脳腫瘍の進行ガン患者60人にサメ軟骨を投与した臨床試験では、効果が認められなかった。
特に決まった摂取量はない。臨床試験では、1日あたり総量で3g のケースもあれば、体重1kg あたり1g投与する場合もある。
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