甜茶

甜茶とは中国では「甘いお茶」の総称。それらの中で、中国南部で健康のために飲用されてきた甜茶の一種が抗アレルギー作用をもつとして注目されている。甜茶の有効成分である「甜茶ポリフェノール」が、抗炎症・抗アレルギー作用をもつことが示され、花粉症・アレルギー性鼻炎に効果のあるサプリメントとして利用されている。摂取後、比較的早く効果を示すという特徴がある。

効能、効果は、花粉症やアレルギー性鼻炎に伴う症状の緩和。アトピー性皮膚炎の症状の改善。抗ヒスタミン作用など。

花粉症やアレルギー性鼻炎では、花粉などの刺激によって作り出されたIgE抗体が、肥満細胞のIgE受容体に結合し、その結果、ヒスタミンやロイコトリエンといった分子が放出される。これらが、くしゃみや鼻水、かゆみなどのアレルギー症状を引き起こす。甜茶に含まれる有効成分は、ポリフェノール類である。
動物実験において、甜茶がヒスタミンの過剰分泌を抑えることや、アトピー性皮膚炎の症状を改善することが報告されている。甜茶に含まれるポリフェノール類が、抗ヒスタミン作用をもつため、アレルギー症状を抑制する。埼玉医科大学の研究グループによると、スギ花粉を与えたマウスにおける各種茶類の効果を検討した結果、甜茶による血中IgE濃度の減少と腹腔マクロファージのTNFα(腫瘍壊死因子α)産生抑制が認められたという。


甜茶の抗アレルギー効果については、これまでに多くの基礎研究や臨床試験が報告されている。それらの中で、1994年に日本アレルギー学会で幸隠された三重大学による臨床試験がよく知られている。
アレルギー性鼻炎患者18人を対象に、甜茶エキスキャンディ( 1粒あたり40m g の甜茶エキスを含む) を1 日3粒ずつ4週間にわたり投与した結果、2週間後に65% 、4週間後に75 %の改善率を認めたという。
具体的には、くしやみ発作、鼻汁、水性分泌量、鼻誘発反応といった所見の改善が示された。また、サントリーの研究では、アレルギー性鼻炎の患者に甜茶エキス2 0mg を1日4回投与したところ、投与しなかったグループに比べて、症状の改善が認められたという。さらに、スギ花粉症患者43名を対象にして、甜茶とシソ含有食品を、スギ花粉飛散1ヶ月前から2カ月間投与した臨床試験では、花粉症の発症予防と症状緩和の効果が示された。

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