パパイア

パパイアの菓や種子には、パパインというタンパク質分解酵素が含まれ
ている。東南アジアなどの伝統医療では、消化補助剤として、あるいは寄
生虫駆除のために、広く利用されてきた。

効能、効果は、タンパク質の多い食生活における消化補助など。

パパイアの薬や種子には、パパイン、キモパパイン、パパイア・ペプチダーゼといった酵素が存在する。精製されたパパインは、タンパク質分解酵素として作用する。ただし、パパインはあまり安定的ではなく、強い胃酸の中では容易に活性を失ってしまう。

パパインは、手術や外傷に伴う炎症および痛みを軽減する作用をもつ。パパインの抗炎症作用に関して、数多くの臨床試験が報告されてきた。
これまでに、頭頸部や腹部の手術後の浮腫や炎症、痛みに対する効果が示されている。
たとえば、口腔内の手術を受けた129人の患者を対象にした臨床試験では、パパインの効果が報告された。
また、125人の運動選手を対象に、打撲傷に対する効果を検証した臨床試験でも、パパインが有効であったという。ただし、1960 年代から70 年代にかけて実施された臨床試験の中には、被験者の自覚症状を指標とするなど、実験プロトコルが不備なものもあるため、再評価が必要と考えられる。

、その他、99 年にインドから報告された研究では、頭頸部のガンに対して放射線療法 を施 行 したあ と、 パパ インを投与 す る と、治療後の嚥下障害 などが抑えられたという。また、喉頭炎に対する抗炎症効果や、胃石に対する治療効果なども報告されているが、さらなる検討が必要である。
なお、動物実験では、利尿作用や血圧降下作用、消化性潰瘍予防作用などが示されている。

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