コリオラス抽出液は、アジアに多く見られる食用キノコから採取されます。コリオラス抽出物は日本ではPSK、あるいはクレスチンと呼ばれ、政府公認の非毒性がん治療薬として広く用いられています。
現在、アメリカでは栄養サプリメントとして販売されています。コリオラスを摂取している患者について約20年にもおよぶ研究が行われましたが、驚くべき結果が得られました。コリオラスを放射線治療や化学療法、外科治療など、ほかのがん治療と併用したところ、患者の生存率が非常に高くなりました。
コリオラスの抗がん特性については解明されていませんが、免疫機能を向上させることがわかっています。とくに重要なのは、ナチュラルキラー細胞の活性を向上させ、がんがからだじゅうに広がる前にがん細胞の成長を抑制する働きです。試験管内試験では腫癌の成長を阻害することができますので、やがては人間にも応用できるでしょう。
コリオラスは日本では奇跡の薬ではなく、むしろ、総合がん治療プログラムの重要な要素となっています。アメリカでは自然療法士がコリオラス抽出液をほかの自然療法と併用し、がんやエイズなど、免疫機能の低下に伴う病気の治療を行っています。
また、リウマチ性関節炎や狼瘡など、免疫細胞がばらばらになって体組織を攻撃するために起こる自己免疫不全の治療薬としても利用できるという報告もあります。面白いことにコリオラスは、免疫システムの病気とたたかう細胞を活性化しますが、からだが自らを攻撃するのを防ぐT細胞(サプレッサー細胞とも呼ばれます)の数を維持する効果もあります。
コリオラスは病気だけに効果があるのではなく、健康時の免疫機能を維持する働きもあります。ある研究では、健康な人が毎日1 mgのコリオラスを摂取しはじめると、T細胞数が24時間以内に増加しはじめました。本書を執筆している時点では、コリオラスには医師が処方する多量用(3 gカプセル)のものしかありません。ほかのサプリメントと比べて幾分高価ですが、ほかの高価ながん治療薬と比べると買う価値はあります。
まもなく低量の比較的安価なコリオラス製品が販売されるでしょう。がんや免疫機能低下の治療を受けている人は、コリオラスを摂取する前に医師など専門家に相談してください。
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