乳がんリスクが減少「オリーブオイル」

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乳ガン、肺ガン予防効果だけでなく、心臓病、動脈硬化予防にもパワーを発揮

「食用オイル」というと、多くの人は心臓に悪そうなイメージが定着している。
きわめて常識的で間違いではない。特に日本人にそう思う人が多い。それは、日本人が低脂肪食だからである。
実際、日本と欧米諸国の食卓をのぞいてみると一目瞭然。日本はメインディッシュが魚なのに対し、欧米諸国は肉がメイン。加えてオイルもふんだんに使っている。となると、心臓病で死ぬ人は欧米諸国のほうが断然多くなる?ところが、その予想をはねのけてしまう研究報告がある。
1986年にミネソタ大学の博士たちが発表したのは、15年の長きにわたって調査した7カ国の食習慣と死亡率の関係である7カ国とはギリシア、イタリア、旧ユーゴスラビア、フィランダ、日本で、対象者は1万1579人にも及び、年齢が40歳から59ランド、アメリカ、オまでの男性である。15年間に2288人が死亡し、心臓病による死亡率は、なんとギリシアが最も低く、最も高かったのはフィンランドだった。
フィンランドは動物性脂肪の摂取率が最も多いので、この点では予想通りだが、では、なぜギリシアが…。
ギリシアはオリーブオイルを常用する国。だから、同じくオリーブオイルを常用するイタリア、旧ユーゴスラビアも極めて低い心臓病死亡率となった。

オイルはオイルでもオリーブオイルは心臓病を予防する。そしてしっかりとガン予防にも作用する。
イタリアの地方保健局の疫学調査によると、サラダドレッシングにオリーブオイルを毎日使っていると肺ガン予防に結びつくという。
さらに、乳ガン予防にも働くという報告も行われている。

オリーブオイルの乳ガン予防効果を発表したのはギリシアのアントニア・トリコポーロ博士らのグループ。やはり、心臓病予防、肺ガン予防などと同様に疫学調査によるものである。ギリシア、イタリアといった地中海沿岸地域は毎日摂取する栄養の40% が脂肪で、そのほとんどがオリーブオイル。何を作るにもオリーブオイルを入れてしまう。そのようなオリーブオイルの入った料理を1 日最低1回食べている女性は、オリーブオイルの入った料理を食べるのが月に1回もしくはそれ以下の女性と比べて、乳ガンのリスクが、なんと25%もダウンするという。
ガン予防にまで効果を発揮するオリーブオイルは不飽和脂肪酸でも一価不飽和のオレイン酸が主成分で約76 %を占めている。酸化されにくく、動脈硬化を促進させるLDLコレステロールを低下させる。
さらに、オリーブオイルにはビタミンE、ポリフェノールも…。ビタミンEはビタミンAの作用を高め、ビタミンCの酸化を防ぐ抗酸化ビタミン。そして、ポリフェノールは発ガン予防に作用する。それだけに、オリーブオイルを上手に食材に取り入れてほしい。
とりわけ身体にいいのはエキストラ・ヴァージン・オリーブオイルで化学的な精製処理がなされていない。生のオリーブオイルだけに香りもいい。ドレッシングのみならず、熱にも強いので加熱しても安心して使える。

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