キャベツの摂取量で大腸がんのリスクを減らせる

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ガンを防ぐ物質「イソチオシアナート」と「インドール」に注目

キャベツは冬キャベツ、夏秋に出回る高原キャベツ、春キャベツと季節によって多少異なるが、春キャベツが栄養的に、またガンに対する効力的にも最もすぐれている。

栄養価的にはビタミン、ミネラルがいっぱい。特に注目すべきなのはビタミンC で、100グラム中に44ミリグラムも含まれているし、カルシウム、カリウム、食物繊維も多い。
が、ガン予防で注目されているのはビタミンCや食物繊維のほかに、イソチオシアナート、ポリフェノール、ステロール、インドールといった含有成分である。

ここにたどりつくまでには長い時間を要している。現代科学的に、キャベツの抗ガン作用が認められたのは1931年、ドイツの科学者によってである。ある実験中に、ラットに放射線を照射した。その放射線量はラットの致死量だったにもかかわらず、死なないラットがいた。

「なぜ? 」と疑問を持って調べると、なんとそのラットだけ、キャベツをエサにしていたのである。以降、研究者の目はキャベツに集まり始め、広く世界で行われた疫学調査でも、キャベツを食べている量が最も少ない人と、逆に最も多いグループの間には、大腸ガンのリスクに8倍もの差があった。

つまり、キャベツをほぼ毎日食べていると、大腸ガンを明らかに予防するというのだ。イソチオシアナートはワサビの辛み成分でもあり、大腸に限らず、食道、肺、肝臓などのガン予防にも効果があるとわかってきた。

ポリフェノールはお茶で有名だが、キャベツにも含まれており、細胞をサビさせる活性酸素を防いでくれる。抗酸化作用である。ステロールもガン予防にパワーを発揮するが、やはりキャベツではイソチオシアナートとインドール。特にインドールはキャベツの中から「ガンを防ぐ物質」として、1970年代に発見された。植物中ではインドールは植物の生長に作用するがひとたび人間の体内に入ると、発ガン物質の作用を抑えるように働くことがわかっている。そのキャベツは、ロールキャベツにしたり、煮込みに使ったりすると、かなりの量を一度に食べられる。これを実行してほしいが、その一方で、実はキャベツの中の抗ガン作用を持つ成分の中には熱で壊されるものもあるので、いくらかは生でも食べるように心がけてほしい。

千切りのキャベツだけではなく、コールスローとして食べるとニンジンなども一緒に食べられ、効果はよりアップする。

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