野菜の中でもガンへの抑制効果が高い「なす」」

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異常細胞を抑制する作用あり。煮ても炒めても揚げても効果は変わらない

98年の『第57回・日本癌学会総会』では、ナスが大いに注目を集めた。
研究発表を行ったのは、名古屋大学医学部と愛知学院大学歯学部のグループ。

古くからナスには異常細胞を抑制する作用がある、と言い伝えられていたが、まずはそれが正しいかどうかを実験。

ナスの抽出物がウイルス性のイボの治療に有効。と結果が出たのである。そこで、試験管内でのガン細胞増殖抑制効果を調べた。ナスを搾って抽出物を取り出し、沈殿物を除去。その抽出液を10、20、30 % の3種類にし、卵巣ガンなど8種類のガン細胞に加えたのである。
すると、いずれのガン細胞の増殖をも見事に抑え、とりわけ、卵巣ガンを抑える作用は顕著だった。ただし、これは試験管内での効果であって、人間に対してはこれからの研究によるが、抗ガン剤への新しい道がひとつ増えたことは明るい材料といえよう。もちろん、ナスのガン抑制作用を裏付ける研究はこれだけではない。

東京大学医科学研究所外科の講師が、身近な野菜82種類をテストし、ガン細胞を抑制することを裏付けている。

その中に、ナスも登場。ナスのへたの部分はガン抑制率74.8 % で第6位、ナスの皮は第7位で73.7% 、ナスの実は59.2 % だった。このような野菜には、ビタミンC などすでにガン予防効果がわかっているものも多く含まれる。それらを除いた野菜1種類のパワーを研究したのが農林水産省食品総合研究所。

ブロッコリーを抑えてナスが第1位。ガン抑制率は非加熱で82.5% 、加熱しても82.3% と、変化はほとんどなかった。ナスのガン予防効果は帝京大学薬学部の研究でも明らかになっている。ナスは人間の免疫に携わる白血球の中のTNFという物質の働きを約10倍もアップさせるのである。
現時点では、ナスのどの物質がガン抑制に働くのか、そこまでは特定されていない。が、野菜の中では極めてガン抑制効果の高いことは明らかである。ナスの料理には「ナスの煮びたし」「焼きナス」「ナスの漬物」「ナスの天ぶら」など数々あるが、ナスの炒め物は食欲不振の方にはうってつけ。

ナスが油を吸って、油のしっこさを取り除くので食べやすく、ほかの野菜のベータ・カロチンの吸収を10倍にも高めてくれる。ガン予防では、ナス本体の作用にほかの野菜のベータ・カロチンパワーがプラスされるので、とても効果的な食べ方といえる。

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