血液もサラサラにしてくれるので、脳卒中、狭心症、心筋梗塞の予防にも
夏の食卓の定番といえば冷奴、そうめん、ぎるそばなどがあり、これに欠かせないのが薬味。とりわけ、しそに注目したい。しそには赤じそと青じそがあり、青じそは大葉といわれ、今日では一年中手に入るものの、旬は夏。
薬味として重宝されるのはしその香りのシソアルデヒトが食欲を増進させるからである。
加えて、それは細菌類の繁殖を抑える抗菌作用もあるため、刺身に飾り付けられている。さらに、しそには精神安定作用があるので、疲れて眠れない夜などには、しそ入りのおかゆが誘眠効果を発揮してくれる。免疫力は、このようにアップできるのだが、実は、しそ自体にガンを抑制する働きのあることがわかっている。
これは、近畿大学生物理工学部の教授グループの研究。121種類にも及ぶ野菜や果物の中から30%以上、ガンの増殖を抑えた3品目のうち、青じそに注目。青じそがガンを抑制したのはその中に含まれるオレアノール酸の作用であった。
そこで、教授グループはマウスを使って発ガン抑制を実験、研究した。オレアノール酸を塗らなかったマウスのグループには、5週目から腫瘍が発生し始め、9週目になるとすべてのマウスに腫瘍ができてしまった。
一方、同じ条件のマウスにオレアノール酸を塗った。すると、5週たっても腫癌が発生しない。
10週目にやっと腫瘍が発生したマウスが出始め、20週たった時点でも約40% のマウスに腫瘍が発生しているにすぎなかった。確実に腫瘍を抑制したのである。ガン以外にも、非常に患者の増えているアレルギー疾患にもパワーを発揮することがわかっている。
抗アレルギー効果を発見したのは帝京大学薬学部の教授。しそには免疫機能が過剰になりすぎたときにその過剰を抑える働きがあるのだ。免疫が過剰となって起きる疾患としてはリウマチ、肝炎、肺炎、アレルギー、アトピー性皮膚炎など数多い。そういう方々にも、しそは積極的に摂取してほしい食材なのである。薬味のみならず、スパゲッティにも、カツオのたたきにも、ありとあらゆる料理にどんどん工夫して使ってほしい。
血液もサラサラにしてくれるので、脳卒中、狭心症、心筋梗塞の予防にももってこい。ただし、調理で注意してほしいのは一点だけ。熱を加えすぎないこと。重要な作用が失われるからで、おかゆなどの場合は、できあがった後に細かく刻んでふりかける程度がいい。
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