パイナップル果汁に含まれる酵素、ブロメラインには炎症を抑え、たんばく質を分解する強い力があります。ブロメラインは優秀な消化酸であり、食物やサプリメントに含まれる栄養分の吸収を高めます。キズロの痛みや炎症を抑える作用もあって、少なくともこの点では、イブプロフェンやナプロシンなどの非ステロイド性炎症薬(NSAID)よりすぐれていることは確かです。
NSAIDは、普通、炎症の原因となるホルモン性の化合物、プロスタグランジンを抑制し、炎症を抑えます。しかしプロスタグランジンには胃の内壁を保護する働きがあるため、NSAIDは胃の不調や、さらにひどい出血性の潰瘍などを引き起こします。
ブロメラインはこれとは逆に、限局性のはれの原因となるフィブリノーゲンを分解する体内化合物、プラスミンの生成を刺激して炎症を抑えるのです。
ブロメラインは痛みと炎症の緩和に効果があるうえ、NSAID に特有の胃腸の不快感を伴いません。プロメラインは、消耗性のケガの多いアスリートの間に普及しつつあります。ブロメラインはフィブリノーゲン(血液凝固因子)に作用するため、凝血などの深刻な症状も防ぎます。
フィブリノーゲンは血液の凝固に必要な物質です。フィブリノーゲンのあるおかげで、私たちはケガをしても出血が止まりますが、フィブリノーゲン値が異常に高くなると、必要以上に凝血して心臓病や心臓発作を引き起こします。実際、フィブリノーゲン値が高い人は心臓病の躍病率が高くなります。喫煙者は、フィプリノーゲン値が平均より高い傾向にあるため、心臓発作を起こす割合も高くなります。
ある研究で、心臓病患者にプロメラインを与えたところ、フィプリノーゲンが分解され、血液細胞同士の固着を阻害することがわかりました。ドイツでは、心臓病患者に毎日100~140 mgのブロメラインを投与したところ、患者14人の狭心症や胸の痛みが完治しました。
なかにはわずか3日間で改善した患者もあり、ほかの患者についても、90日以内に症状が改善されました。これまでに心臓病にかかったことのある人は、養生法にプロメラインサプリメントを加えることを医師や専門家に相談してください。ブロメラインは心臓血管に効果のあるサプリメントに配合されています。
- 効能:消化を助ける。炎症によるはれや痛みを緩和する。凝血を予防する。
「野菜を食べないなら、デザートは抜きです! 」あなたが、野菜を食べなくてもいいのなら、デザートをあきらめられる子どもだったとか、いまでもブロッコリーやほかのアブラナ科野菜を食べる気にはならないのなら、あなたも同類です。
アメリカ人の約25%は、*生まれつきアブラナ科野菜の苦みがきらいです。ある種の味覚に対して異常なほど敏感な人のことを、研究者の間では「超味利き(スーパーティスター)」と呼んでいます。スーパーティスターは、自分で食事の幅を狭めているため、健康状態を最良にするために必要な植物性化学物質を食物から十分に摂取できないのです。
実際、米国立がんセンターの勧告どおりに1日5種類の果物や野菜を食べているのは、アメリカ人のわずか十パーセントにすぎず、スーパーティスターのなかでこの目標に近い人は、ほとんどいないのではないかと思われます。
スーパーティスターには何が欠けているのでしょうか。アブラナ科野菜には危険な発がん物質を非活性化する天然のフリーラジカルスカベンジャーのインドールなど、いくつかの重要な抗がん性の化合物が豊富に含まれています。
インドールは、乳がんの成長を促すエストロゲンの働きを弱めます。このほか、アブラナ科野菜にはスルフォラファンという、からだを刺激して抗がん作用のある酵素を生成する、抗がん性化合物も含まれています。
当然、菜食主義者はあまり野菜を食べない人と比べ、どのがんについても罹患率が低くなっています。野菜嫌いにとって幸いなことに、アブラナ科野菜に含まれる有益な物質はブロッコリーから抽出され、錠剤やカプセルの形で売られています。
野菜には繊維など、サプリメントには含まれていないからだによい物質が含まれています。したがって、サプリメントを摂取さえすれば新鮮な野菜を食べたのと同じ効果があるというわけではありません。しかし、ブロッコリーの分離物からむアブラナ科野菜の薬効の多くは得られるため、この種の野菜を食べない人にとってはありがたい代替物であると思います。
20年以上前、当時コロンビア老人医療センターで臨床外科学の準教授をしていたジョ
ン・プルーデン氏(現在は医学博士であり、医科学博士でもある) により、ウシの気管軟骨がキズを急速に治癒し、さらに、乳がんの腰痛を縮小したという報告がありました。
自らの発見に驚いたプルーデン博士は、ウシの気管軟骨についての数々の研究を行いました。博士や、博士に続くほかの研究者のおかげで、現在、ウシの気管軟骨には素晴らしい薬効があることがわかっています。
FDAは最近になって、ウシの気管軟骨を治験薬(IND)として認可し、アメリカがん治療センターの研究者に対して、これまで化学療法や放射線療法で効果のなかった患者にウシの気管軟骨を投与することを許可しました。
これまで国内外で行われた研究報告によると、ウシの気管軟骨は多くのがん患者に対して効果をもたらしたということです。ブルーデン博士の研究では、ほかの治療法で効果のなかった患者に対しても、ウシの気管軟骨は効果があったのです。
がん細胞を殺すだけでなく、健康な細胞を犠牲にすることもある化学療法や放射線療法とは違い、ウシの気管軟骨はからだのもつ免疫システムを刺激してがんを予防します。また、化学療法や放射線療法と併用した場合、これらの治療法に伴う危険な副作用が軽減されます。ウシの気管軟骨は関節炎(骨をケガから守る保護役となる軟骨の破壊が原因となる一般的な症状)に効果があります。
現在、六十五歳以上の人の半数以上が、なんらかの関節炎をわずらっており、その多くが、痛みを抑えるために非ステロイド性炎症薬(NSAID)を使用しています。しかし、残念なことにNSAID の効果は長続きせず、効果があっても出血性潰瘍などの危険な副作用があります。
多くの人にとってウシの気管軟骨はNSAIDに代わる安全な治療薬です。ウシの気管軟骨が典型的な関節炎の痛みや炎症を軽減するという数々の報告があります。しかも毒性がなく、厄介な副作用もありません(注日本でも輸入品が販売されるようになりました)。
- 効能:単独で、あるいは従来の治療法との併用でがんを治療する。関節炎の症状を緩和する。
ボスウェリアは古代のハーブ薬のひとつで、現在は代替医学の最先端をいくハーブ薬です。インドハープ医療で何千年もの間用いられてきたボスウェリアは、骨関節症(いわゆる「消耗関節炎」) やリウマチ様関節炎(RA)、骨を保護する軟骨が破壊される自己免疫障害の治療薬として見直されつつあります。
リウマチ様関節炎では、関節が痛んだりはれたりし、ひどい場合には関節が衰弱してしまいます。一般的に非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDS)を投与しますが、治療薬はありません。かいよう問題なのは、どの薬にも副作用があり、とりわけ胃潰瘍など胃の病気にかかりやすいことです。また、こういった薬は効果が長続きしないため、投薬法をしばしば変えなければならないことは、よく知られています。
ボスウェリアなどの天然の治療薬は、NSAIDによる危険な副作用を伴うことなく関節炎を緩和します。関節炎患者にボスウェリアを与えたところ、驚くべき結果が得られ、痛みや炎症に処方されることがもっとも多いN S A I D と同様の効果がありました。ボスウエリアは、炎症を引き起こし、フリーラジカルを形成する体内物質ロイコトリエンの合成を阻害します。また、乾癬や潰瘍性大腸炎など、ほかの炎症性の病気治療にも効果があります。
関節炎に効くサプリメントには、ボスウェリアのほか、クルクミンやアシュワガンダなどの抗炎症性のインドハーブが配合されています。
また、ボスウェリアは関節炎を緩和すると同時に、心臓病の予防にも効果があります。インドで行われた研究では、ボスウェリアが心臓病や心臓発作を起こす危険要素となる、血中コレステロール値および中性脂肪値を低下させることがわかっています。
- 効能:関節炎の症状を緩和する。血液中の脂肪値を正常に保つ。
ボスウェリアのサプリ
ヨーロッパ・ブルーベリーとして知られるビルベリーは、健康な目という異名をもつハープです。
1千年以上もの間、ビルベリーはさまざまな目の症状の治療薬として利用されてきました。第二次世界大戦中には、英国空軍のパイロットが夜間飛行の前日に、視力を上げるためにビルベリージャムを食べていました。
ビルベリーにはフリーラジカルによるダメージから毛管(毛細血管) を保護し、血液循環をよくする働きをもつ天然の抗酸化剤、アントシアノサイドが含まれています。アントシアノサイドは、目が光に適応する際に必要なレチノール色素の再生に関与しています。
ビルベリーは、眼球の圧力が高いことが原因で起こる緑内障など、さまざまな目の病気や、眼球にうまく血液が循環しないために起こる糖尿病性網膜症に効果があります。ビルベリーから抽出されるアントシアノサイドは視力を上げ、目を保護する目的で開発された製品の大半に配合されています。
ある処方薬(ミルトシアンR) は、ビルベリーの抽出物でできあずかており、現代の医薬品が天然薬の恩恵に与っている一例となっています。ビルベリーには症状を治癒する力はありませんが、眼球への血液循環をよくすることで症状が悪化するのを防ぎます。
近年の研究で、この注目すべきハーブが目によいだけでなく、血液循環が悪いために起こる病気全般の予防と治療に効果のあることがわかりました。
血液循環が悪いと脚部に流れる血液の流れは妨げられ、痛みやしびれ、皮膚の打診痛や、うっ血を起こします。研究によって、アントシアノサイドがこのような衰弱症状を緩和することが明らかになっています。
このような症状がある場合は医師に相談し、自分にあった養生法を考えてもらうことが不可欠です。ビルベリーは、このほかにも効能があります。1996年にはビルベリーの抽出物に抗がん作用のあることがわかりました。
ビルベリーが、がんの予防と治療に効果的であるということを実証するためには、さらなる研究が必要とされています。
- 効能 一般的な目の病気を予防する。血液循環をよくする。
ビルベリー(別名:ホワートルベリー)の使用感
1960年代、感染性の病気はすでに過去のものだという認識が一般的でした。ペニシリンやそれに続いて発見された抗生物質は万能薬であり、何錠か飲むだけでどんな病気でも治ると思われていたのです。
しかし、いまはそれが誤りであることがわかります。抗生物質は数えきれないほどの生命を救いましたが、我々が思っていたような万能薬ではありません。
第一に、抗生物質はウィルスに対しては効果がありません。第二に、抗生物質の過剰投与により 抗生物質に耐性のあるバクテリア株を誕生させてしまいました。病気とのたたかいで大切なのは、まず病気を予防することであり、健康を維持する最善策は、免疫機能を高めることです。
ベータ1.3Dグルカンは、免疫機能を高めるサプリメントのひとつです。ベータ1.3Dグルカンパン酵母の細胞壁から抽出されており、免疫力を強化する働きがあります。とくにマクロファージと呼ばれる、免疫システムの「パックマン」とされる重要な免疫細胞を活性化します。マクロファージは体内を循環し、ウィルスやバクテリアやがん細胞、そのほかの危険な侵入者をむさぼり食います。また、マクロファージの活性は、病気から私たちを守る免疫システムのほかの成分にも作用します。ベータ1.3Dグルカンは免疫システムを強化し、病気になる前に原因を取り除くのです。
また、ベータ1.3Dグルカンには抗酸化作用もあります。放射線によるフリーラジカルのダメージから守ります。私たちは皆、なんらかの形で放射線を浴びているので、このことは非常に重要です。たとえば、日光は紫外線放射の主な原因ですが、これは皮膚がんの原因となるだけでなく、免疫機能を著しく低下させ、健康上のさまざまな問題を引き起こします。エックス線検査を受けるたびに、私たちはわずかながら放射線を浴びています。
がん治療にも放射線治療が用いられることがありますが、アメリカ陸軍放射線生物学研究所の研究で、ベータ1.3Dグルカンは、放射線によるダメージに対する保護力の強いことがわかっています。ラットに致死量の放射線を照射し、その後二十日間ベータ1、3グルカンを投与しました。通常、これほど大量の放射線を浴びたラットは人間と同様、放射線病にかかって死に至ります。しかし、ベータ1.3Dグルカンを投与したラットの9割が、放射線によるダメージをまったく受けていなかったのです。驚いたことに、ベータ1.3Dグルカンは免疫機能を保護する能力にすぐれ、このためラットが放射線病にかからなかったのです。
現在、代替医学の医師はカンジグ膣炎やエプスタイン・バール・ウィルス(EBV )、ヘルペス、エイズ(HIV)など、慢性的な感染症の患者にべ一夕1 、3 グルカンの摂取をすすめています。ベータ1.3Dグルカンは慢性の病気に用いられるほか、運動選手の間でも利用されるようになりました。
運動には健康を促進する効果もあるのですが、皮肉なことに、激しいトレーニングの肉体的ストレスが、免疫システムを低下させることもあるのです。マラソンランナーが激しいトレーニングを終えたあと、呼吸器感染症になりやすいのはこのためです。老化によって免疫機能が低下している高齢患者にベータ1.3Dグルカンなどの免疫強化サプリメントをすすめる医師もいます。ベータ1.3Dグルカンは免疫機能を向上させるだけでなく、処方薬と同様にコレステロール値や中性脂肪値を下げますが、副作用はありまん。コレステロール値や中性脂肪値が高いと、心臓病や心臓発作の危険性が高くなります。
- 効能:免疫機能を強化する。放射線によるダメージから守る。血液中の脂肪値を下げる。
免疫力強化にはなびらたけ!ガンも撃退する驚異のパワー
プロポリス(蜜ろう)は、ハチが予期せぬ侵入者や病気の感染から巣を保護するために使う粘着性の物質です。不幸にもハチの巣に侵入してしまった昆虫や小動物は、まずハチに刺され て死に、そして病気の原因となる腐敗を防ぐためにプロポリスで処置を施されます。
ハチはプロポリスをつくるのではなく、樹木から集めます。プロポリスにはレジン(樹脂) やビタミン、ミネラル、多量のバイオフラボノイドなどさまざまな物質が含まれています。
ギリシャ語で「砦を譲るもの」という意味のプロポリスは、古代には非常に重宝されました。古代療法士は、プロポリスは天然の消毒薬であり、さまざまな痛みに利用できることを直感的に知りました。ヒポクラテスは、皮膚のキズを癒したり、胃潰瘍の炎症をやわらげるためにプロポリスを処方しました。 イギリスの偉大なハーバリスト、ニコラス・カルペパーは、プロポリスが「からだのさまざまな部分のあらゆる熱や炎症に効果があり、キズの熱を冷やす」と記しています。
第二次世界大戦中には、兵士たちが、感染症を防ぐためキズにプロポリスをあてがいました。 言い伝えに関心をもった科学者がプロポリスの研究を行ったところ、プロポリスが天然の抗生物質であり、抗ウイルス性、抗炎症性化合物であることを発見しました。
近年、米国立心臓・肺研究所が行った臨床試験で、プロポリスがメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)などのさまざまな病気の原因となる微生物に効果のあることが実証されました。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌は、ほぼすべての抗生物質に耐性があり、病院内でもしばしば見受けられるほどです。
抗生物質の過剰投与が、あらゆる抗生物質に耐性をもつ新種の恐るべき耐性菌を生み出していることを考えると、この事実は非常に重要です。薬品に耐性のあるバクテリア蔓延を阻止するには、バクテリアを抑制するプロポリスのような天然療法に目をむける必要があります。
プロポリスは外服、内服どちらにでも用いられます。近年、プロポリスが口内炎や口腔潰瘍、のどの痛みなどにたいへん効果をもつことがわかりました。プロポリスの軟こうを口内炎に塗ると、炎症を抑え、感染を防ぐことができます。
うがい薬として使うと、のどや口内炎の痛みを緩和して治りを早めます。 また、ヘルペスウィルスにも効果があり、ヘルペスの病変に塗ると痛みをやわらげる作用があります。カプセルで内服すると免疫機能を高めます。
- 効効果:皮膚の傷の治りを早める。のどの痛みや口内炎に効果がある。
インディアンジンセンとしてとして知られるアシュワガンダは、ベラドンナの根と葉から採取したもので、インドの伝統的民族療法で使われるハーブのひとつです。
西洋では1つのハーブに含まれる1種類、ないしは2種類の成分を分離することに焦点をおいてきました。しかし、インドのハープ療法では、あらゆる成分が相乗効果で働くという考えに基づき、植物全部を使います。一千年以上もの間、アシュワガンダはインポテンツやストレス、不妊、関節炎などの治療薬として尊重されてきました。
からだのさまざまな機能に、幅広く効果のあることからアシュワガンダは高麗人参と同様、健康と活力を増強する強壮剤とされています。また、これも高麗人参と同様、スタミナ、体力、精神力を強めるともいわれています。
強壮剤になるハーブについては、西洋に匹敵するものがないので、西洋の言葉で説明するのが難しいのですが、一般的にアシュワガンダのような強壮剤はからだを強化するため、ストレスの多い状況に適しているとされます。このようなハーブは、からだが弱っているときでも平衡状態を保ってくれるからです。
現在、アシュワガンダはインドハープ複合剤に配合されている例が多く、さまざまな病気に効果があるといわれています。とくに、催淫薬や精力強化剤としても普及してきています。アシュワガンダは、性的願望や性的能力を高めるとされるハーブ( ハマビシなど)と混合された形で販売されています。インドハーブ療法士によると、アシュワガンダは性的衝動や勃起を持続させる力を高めるそうです。
また、天然の抗炎症性薬剤でもあるアシュワガンダは、関節炎に伴う不快感を軽減します。インドのプーナにあるプーナ大学で行われた研究報告では、アシュワガンダと亜鉛が配合されたハーブ複合剤を与えられた関節炎患者は、痛みと硬直が著しく軽減したということです。関節炎に効果のあるインドハーブのサプリメントが何種類か市販されていますが、その多くにカンランが配合されています。
- 効能:エネルギーを強化する。性的能力を高める。関節炎による痛みを緩和する。
よりよい性交と強い肉体のために必要なサプリメント、それがL-アルギニンです。L-アルギニンは、最近注目されはじめたアミノ酸、アルギニンの天然の型です。近年行われた興味深い研究で、L-アルギニンは免疫機能を高め、また一部のがんに対して効果をもつことがわかっています。
エネルギー アップのサプリ
自然療法士は、性機能障害のある男性、とくに勃起状態が長時間続かず、性交に支障をきたす男性にL-アルギニンの摂取をすすめています。L-アルギニンを摂取すると、ペニスに送られる血液が増加し、勃起状態となります。残念ながらこの効果は長時間持続しないため、L-アルギニンを用いて性交を改善するには、性交を行う約45分前に摂取しなくてはいけません。
L-アルギニンはすべての人に効果があるわけではないのですが、L-アルギニンの効果を信じるに値する十分な報告が集まっています。また、いくつかの研究により、L-アルギニンが精子の数を増やすため、男性の不妊症にも効果のあることがわかっています。
L-アルギニンは脂肪を落とし、筋肉をつくる成長ホルモンの生成を促す力があることでも知られています。ボディビルダーは筋肉を増強し、たるみをなくす目的でL-アルギニンを使います。
ダイエット&筋肉アップに最適なサプリ
また、L-アルギニンは医療現場でも重要な役割をしています。たとえば、病院で手術後のキズの治癒や、重度のやけど治療に用いられています。
研究によると、L-アルギニンは胸骨の後ろにある胸腺を刺激して免疫機能を増強するといぅことです。胸腺には病気とたたかうTリンパ球と呼ばれる重要な細胞(T細胞)が、病気の感染からからだを保護するためにここで待機しています
また、L-アルギニンがT細胞の数を増やし、不必要な微生物からからだを保護する力を強化することもわかっています。さらに日本の研究者が行った試験管テストでは、L-アルギニンが人間の免疫細胞に作用し、人体のもつ抗がん細胞であるナチュラルキラー細胞の生成を誘発することがわかっています。また動物実験では、L-アルギニンがさまざまながん腫癌の成長を抑制することも明らかになっており、このような研究の結果、現在、L-アルギニンのがん治療への使用が検討されています。
効能:男性の性的能力を高める。筋力増強に役立つ。免疫機能を強化する。
注意:確固とした証拠はありませんが、アルギニンがヘルペス感染を誘発するという説もあります。しかし、これはヘルペスウィルスを抑制するリジンを500 mg 摂取することで防ぐことができます。
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有名なカロチノイド族の筆頭、アルファカロチンからです。カロチノイドは果物いろどや野菜に含まれる物質で、天然の色素でもあります。
最近、カロチノイドは単なる彩り野菜ではなく、抗酸化剤や抗がん剤としての効果にすぐれていることがわかりました。植物の生長には日光が必要ですが、それでもやはり太陽から出される紫外線(UV)を日常的に浴びると、危険なフリーラジカルが形成され、遺伝子に異常をきたします。
植物は生存競争のなかで、危険要素となるUVから身を守るためのメカニズムを必要とします。それがカロチノイドです。
カロチノイドは紫外線を取り除き、発がん物質から身を守るためのサンスクリーン効果をもつ天然物質です。植物中に存在するカロチノイドは500種類以上もあり、約50種類が食用の果物や野菜に含まれています.
カロチノイド族全体のなかでもっとも有名なのが、ベータカロチンです。ベータカロチンにはビタミンA前駆体として、からだの要求に応じてビタミンAに変化する働きがあり、これまでの研究はベータカロチンを中心に行われていました。
そして最近まで、ベータカロチンそのものは利用価値がなく、ビタミンAに変化してはじめて体内で有益になると広く考えられていました。しかし現在は、ベータカロチンなどのカロチノイドにはそれぞれの効能があることがわかっています。
1980年代、いくつかの研究でベータカロチンが、一部のがんに対して効果のあることがわかり、脚光を浴びました。ほかのカロチノイドにも隠れた効能を期待して研究を行ったところ、驚くべき事実が判明しました。
それまで無名だったカロチノイドが素晴らしい抗がん活性を示し、しかもその多くが、ベータカロチンよりも効果が高かったのです。そのひとつαカロチンは、これまではまったく注目されていませんでしたが、現在はサプリメントとして見直されています。
αカロチンが動物実験で、肺がんや肝臓がん、皮膚がんのがん細胞数を大幅に減少させたのです。実際、αカロチンはβ-カロチンの十倍も、皮膚や目、肝臓や肺の組織をフリーラジカルによるダメージから保護する力をもっています。また、β-カロチンと同様に、αカロチンもビタミンA へと変化します。
αカロチンをもっとも多く含む食物は、調理した人参やかぽちゃです。αカロチンのサプリメントは単体で販売されているほか、混合カロチノイド・サプリメントや抗酸化剤補助食品にも配合されています。
- 効能・効果:天然抗酸化剤、フリーラジカルのスカベンジャー(捕捉機能)としての働きがある。抗がん作用が高い。
- 用法・用量:毎日、3~6 mgを混合カロチノイドから摂取。
- コメント:アメリカで日常的に食されている果物や野菜には、20種類のカロチノイドが含まれていますが、食事だけでは十分にカロチノイドを摂取できません。実際、米国立がん研究所の勧告どおりに、毎日五種類の果物や野菜を摂取しているのはアメリカ人の10%にすぎません。赤色やオレンジ色の果物や緑黄色野菜など、できるだけカロチノイドを多く含む食物を摂りましょう。必要なすべてのカロチノイドを十分に補うためには、αカロチン、βカロチンのほか、リコピンやルティンなど、色々な抗酸化物を摂取するのがいいでしょう(リコピンは前立腺がんの危険性を減らし、ルティンは黄斑変性の予防に効果があります)。
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