「疲れたなぁ」は体からの大切なメッセージ

最近、「なんだか最近、すぐ疲れちゃうのよね」「日曜日にちょっと遠出したいけど、疲れるしなぁ」と、ちょっとネガティブなことを口にする機会が増えていませんか?日々の会話でも無意識のうちに「疲れたね!」を連呼していませんか?

でも、そんなふうにいう人がいる一方で、「疲れた~」といいながらも不思議なほど元気な人もいます。仕事でも遊びでも、「いつ寝てるんだろう? 」って思うくらい活動的なのに、「疲れてる」って感じがしない人。そういう人はすごく魅力的で女性特有の美しさや強さをより感じます。

確かに、仕事や遊びに寝る間も惜しむくらい全力投球すれば誰だって疲れるし、それ以外でも、世の中には「疲れるような」出来事がたくさんあります。でも、ここが大事なところで、疲れを感じたときに、それに対してどれだけ有効なメンテナンスができるかで、人生は劇的に変わっていくはずです。そこで自分のからだに手を抜いてしまうと、日々つらいだけじゃなく、下手したら病気を引き起こしてしまうことだってあるかもしれません。

逆にいえば、日々のちょっとした疲れを上手に解消していけば、疲れにくいからだになって病気と無縁になるだけでなく、一生、心身ともにもピカピカの女性でいられるということです。これは決して大げさな事ではないと思っています。

疲れには2種類ある

ところで、「疲れる」という言葉を、今は気持ちのうえで使うことも多くなっています。つまり、「疲れ」というのは大きく2種類に分けられます。

ひとつは肉体的な疲労、からだの疲れ。もうひとつは、精神的な疲労、こころの疲れです。でも、実際、日常生活の中で「からだだけの疲れ」って、ハードなスポーツでもしない限り、そうそうあるものではありません。だから、今の人たちは、「からだの疲れ」に「こころの疲れ」の要素も合わさっていることが多いんです。それが肩こりだったり、冷えだったり、何もやる気がしないっていう無気力につながっていたりもします。

こころの疲れは、たとえば、プライベートでは、人間関係がうまくいかないとか、彼氏や夫と喧嘩したとか、子どもがいうことを聞いてくれないとか。または、結婚を焦ったり、本当にこの人でいいのか悩んで不安になったり。だいたいこんなことが原因になって疲れを感じているはずです。

仕事だったら、同僚とうまくいかないとか、仕事そのものがつらいとか、いろいろあるでしょう。キャリアに迷ったり、イキイキと自分の夢を追っている人を見てうらやましくなったり。それに今は、女の人が仕事で活躍できる場が広がって、結婚しても出産しても仕事を続けることが普通になってきています。そうすると、ときには会社で肩身の狭い思いをしたり、家事や育児が思うようにできないストレスを感じたりすることもあるかもしれません。先のことを考えすぎて不安や悩みを抱え込むこともあれば、理不尽なことや、自分ではどうしようもない問題にぶつかってしまうことも多い。その結果、ぐったりと疲れてしまう。気づくと「はぁ~」とため息ばかりついています。

体と心はつながっている

この「からだの疲れ」と「こころの疲れ」。別モノのようでいて、実は根っこの部分は同じです。

これは「からだ」と「こころ」が密接につながっているからです。からだの滞りがこころに影響し、こころの悩みがからだにトラブルを引き起こすことはかなり多いのです。たとえば、「五月病」というのがあります。5月といえば、緑も美しい季節で、1年のうちではもっとも過ごしやすくて快適なのに、なぜかこの時期に憂鬱な気分になり、考えることもネガティプになったりして、人に会うのすらおっくうになってしまうことがあります。

でも、これは「やる気がなくなっている」という、こころの問題だけではありません。からだの機能も影響しているんです。

たとえば、脳の正常な働きの源である、糖がきちんと供給されていないときは、クヨクヨしがちになります。食べたものが糖に分解されるためにはインシュリンというホルモンが必要ですが、このインシュリンを分泌しているのが、膵臓という臓器です。

まだ肌寒さも残る4月から、5月に入ると一気に暖かくなります。それと同時に湿度も一気に上がります。この湿度に、膵臓は弱いんです。膵臓の働きが弱くなることによってインシュリンの分泌量が減り、食べたものがなかなか糖に分解されなくなると、糖が不足して脳が正常に働かずにクヨクヨしてしまうのです。

また、春とは言っても寒い日もありますから体が冷えて膵臓の働きが低下して糖がしっかり分解されずに不調を招くこともあります。体が冷えて膵臓の働きが衰えると、血液中の糖分が増える

つまり、膵臓(からだ) の疲れが、こころの疲れの原因となっているんです。また、仕事でもプライベートでも、なぜか何をやってもうまくいかない日があります。そういう日は、特別なことはしていなくても、1日が終わるころにはクタクタになって、からだが重く感じられる。これは、こころの疲れがからだに影響しているパターンです。

こんなふうに、からだとこころが連動している例はほかにもたくさんあります。だから疲れを解消するには、からだとこころの両面からケアしていく必要があるんです。そのときに、「からだ」と「こころ」がつながっているという視点があると、からだを整えることでこころの疲れを解消したり、気持ちのもちようでからだの疲れをラクにすることができるようになるのです。すると、みんなが日々感じている「なんとなくうまくいかない」感じも、それが自覚的な不調に発展する前に、解決できるんです。

今感じている疲れのもとを知る

さらに、今自分が感じている「疲れ」のもとはなんなのか、自分が今感じている「疲れ」は具体的にどんな症状なのか、といったことを普段からきちんと追究していくことが大事です。それができていると、疲れてもすぐに回復できるし、疲れと上手に付き合えるようになります。そうすると、何をするにも不思議なくらい積極的になれて、いろいろなことがうまくいくようになるんです。

たとえば、「疲れた」というのは、頭が重いのか、足腰がだるいのか、寝不足なのか。「頭が重い」疲れの原因は、パソコンの画面を1日中見ていて目を酷使したからなのか、昨日彼氏と喧嘩したことを何度も思い出して落ち込んでいたからなのか。そこまで分析できれば、「疲れ」の半分は解消できたことになるわけです。

蛇足ですが、目の疲れというのは、心身をかなり疲弊させます。パソコン、スマホ、ゲーム、TVなどで3~4時間以上毎日見る人で疲れ目チェックを行ってみるといいかもしれません。目の疲れからイライラが起きたり、頭痛が起きたりするケースは多々あります。現代人は、特にスマホやパソコンを使う時間が長時間になるので目の酷使は非常に増えています。

あとは、目を温めたり、気分転換をしたり、行動に移していくだけで解消できるのです。「疲れているときに、そんなこと考えられない!」と思うかもしれないけど、ただ「疲れた、疲れた」っていっているだけじゃ、いくら休んでもまた同じように疲れをため込むだけなのです。自分の「こころ」と「からだ」を普段から意識できているかどうか。この差は大きいと思います。

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