体の大掃除が体を変える

風邪や湿疹は、日々の「ゴミ」がたまっていき、からだが目詰まりを起こして、飽和状態に達し、一気に排出された状態といえるでしょう。日ごろのからだのそうじをおろそかにしたツケが一気にやってくるというわけです。でも逆にいうと、風邪はからだの自発的な「大そうじ」でもあります。

風邪って、嫌なものだけど、普段の自分のからだの使い方や排泄の具合を振り返り、それを立て直すことでチャラにできるいいチャンスにもなります。つまり、風邪はからだが自分で行なう「システム修復作業」というわけです。簡単に説明すると、たとえば、普段意識せずにボーッとしているときに、急にサイレンのように大きな音が鳴ると「ハッ」とする...それと同じで、からだの「ゴミ」が飽和状態になると、からだそのものが「ハッ」と覚醒して新陳代謝が活発になる。からだの中でうまく機能していない部分を刺激してくれるんです。

しかも、風邪で発熱したときというのは、走り回っているのと同じくらい心拍数が上がり、血圧も上がり、呼吸数も上がり、脈拍も速くなっています。つまり、風邪を引くと基礎代謝がすごく高いレベルで維持された状態になるんです。からだの「ゴミ」が飽和状態になるというトラブルが起こったことで、からだの機能がみんな真剣になって、システムの修復・再生に努め出す。

風邪って、朝起きてなんとなく「のどが痛い」とか、会社や学校から帰ってゾクゾクしてきて、「寒気がするし、からだの節々も痛い」というところからはじまります。ここで、「今、からだが大そうじをはじめている」と思うか、「とにかく薬を飲んで治療しなきゃ! 』と思うかで、そのあとがまったく違ってくるのです。

仕事や趣味に没頭する生活を送っていて、「どうしていつも元気なの? 」ってまわりからもいわれるくらいの人がいますが、からだを積極的に使うだけでなく、普段から「腰湯」や「しゃぶしゃぶ」もやって日々疲れ切る生活をしているから、ぐっすり深く眠れているし、だからこそ逆に元気なんです。

それでも、休みなく毎日を過ごしていると、1年に1度くらいは風邪を引いて高熱が出ることがあります。そのときは、足湯(45~47 度くらいのお湯にくるぶしまでつかる) をしたり、五葉スープ( ニラ、エシャロット、長ねぎ、生姜、ニンニクを、みじごぞうん切りにして入れたスープ。五臓(腎臓、心臓、脾臓、肺臓、肝臓) に効く) を飲んだり、からだを温める工夫をして、すぐ寝てしまいます。すると、1日か2日でまさに風が通り抜けるように、風邪がスカッと抜けて、からだが軽くなります。発熱する前の自分と比べて、からだの機能がさらにパージョシアツプしているのを感じるくらい、元気になります。これは、特別なんじゃなくて、本来、みんな「ゾクゾクしてきた。節々が痛くなってきた。熱が上がってきた。平熱を超えた= 大汗が出た。気づいたら、関節の痛みは消えてた。眠くなってきた。寝た。朝になったら、治っていた... ... 」となるはずで、これは、からだがもっている自然な機能なんです。

ころが多くの人は、風邪で熱が出たり関節が痛くなったりすると、熱や痛みを抑えようとしてすぐに風邪薬を飲もうとします。でも、薬を飲んでしまうと、それが効いとんざている間はそれまで進行していたからだの修復作業すべてが頓挫してしまうんです。そして、薬が切れるとからだはまたもう一度、リペア作業に戻ろうとします。「風邪薬を飲んでよくなったけど、翌週またぶり返した」なんてこと、よくあるはずです。これは、修復が不完全なままだと、からだは完全になるまで修復をくり返そうとするからです。結果、「風邪の引きはじめ」程度だったものが本格的な風邪になって、そこから数日、不快感を引きずることになります。

さらに悪い場合には、弱っている状態でまた別のウィルスに感染して、長期間不調が続くこともあります。こうなると、せっかくのからだの「大そうじ」がうまく機能しないばかりか、それこそ万病のもとになってしまいかねないのです。風邪による発熱や痛みを「からだから起こってきた自然現象」ととらえて、うまく経過させることができれば、からだがスカツと軽くなり、新しい自分に生まれ変わることができるんです。もちろん、風邪に限らず、からだに出るいろいろな症状は実は「からだを変えるチャンス」。これをきちんと受け止めて、活かしていけば、そのあとからだに起こる出来事がまったく変わります。

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