「肩こり」で、現代人はテレビやパソコンで目を酷使しがちと書きましたが、それによって、視力低下や目の疲れ、ドライアイを感じている人は急増中です。しかも、長時間テレビの前やデスクに張りついて、あまりからだを動かさない生活。骨盤や肩甲骨など、からだの大切な機能と密接に関わっている関節を動かしていないため、疲れが目に集中します。
人間のからだは「偏り疲労」といって、部分的に疲れがたまると、なかなかその疲れが抜けず、蓄積されてしまう傾向があります。蓄積された疲労は、関係する個所の動きを鈍らせ、病気につながってしまうことさえあるんです。
目は「股関節」とつながっている
たとえば、整体では「眼球の異常は股関節で治し、股関節の異常は目で治す」といわれるほどですが、眼球って実は股関節とつながっているんです。目の神経は眉の上から足先までつながっていて、そのちょうど中心に股関節があります。だから目に異常を感じたり、目が疲れやすい人は、股関節が硬くなっている可能性が高いのです。
もちろん目を酷使していることが原因には違いないけど、目を酷使するような生活は、必然的にあまり股関節を使わない、歩かない生活になりがちです。でも逆にいえば、積極的にからだを動かす生活をすれば、それはそのまま目が疲れにくい生活をすることにもなる。また、股関節は目だけではなくて卵巣ともっながっているから、目の酷使によって卵巣嚢腫(卵巣の一部に袋状の腫瘍ができ、その中に液体や粘液がたまった状態) とかチョコレート嚢腫(卵巣嚢腫のひとつ。
子宮内膜症が原因で卵巣にできる嚢腫のこと) などになる可能性もあります。さらに、眼球のインナーマッスルが目の酷使によって縮みすぎると、股関節の内側が硬くなって股が開けなくなることも。だから、目頭にある米粒くらいの大きさのコリッとした部分を押さえて、痛かった硬かったりするときは、鼠径部(足の付け根、ビキニライン) も硬くなっていて、排卵時の異常や生理異常がある可能性が高いんです。
目が疲れると肩こりや頭痛を引虐起こすというのは、経験的に知っている人も多いと思うのですが、ここに書いたような部分に問題が起こることもあるので、「たかが疲れ目」とあなどってはいけないのです。
目の疲れを解消する方法は、いくつかあるけど、そのひとつは「泣くこと」です。目は、眼球のレンズを引っばつている筋肉である「毛様体」が収縮して、レンズの厚さを調節することで焦点を合わせています。パソコンなどの画面や蛍光灯はずっと同じ光が出ているように見えるけど、実は細かい光が点滅しています。毛様体はそのたびに収縮をくり返し、そのため疲労物質がたまっていくんです。疲労物質がたまると、筋肉に炎症が起き、熱をもつようになる。すると涙腺が硬くなって涙が出なくなるんです。ひどくなるとピクピク痙攣したりすることも。そんなとき、目と鼻の間にある涙腺をつまむと、すごく痛いはず。でも、しばらくすると徐々に涙が出てきます。涙も、大切なからだの排泄物のひとつ。涙を流すことで、目もすっきりするんです。
つまり、泣くことは「目のそうじ」でもあるわけです。
肝臓に「手当て」をする
また、目の疲れは肝臓にも影響を与えます。肝臓は、からだの中では「血液の再生工場」という役割があります。目が疲れると充血するのは、簡単にいうと、「充血=炎症=肝臓が腫れている」という方程式です。だから目が疲れているときは、肝臓に直接アプローチするのもいいでしょう。寝転がって肝臓のあるあたり(お腹の右上) に、やさしく手をあてる。からだの目詰まりを起こしている部分に、軽く手をあてると、滞っていた部分が不思議と動きはじめます。血流もよくなって、肝臓もゆるみ、目の緊張がとれて楽になります。
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