「冷え性」を解消する方法

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からだや体調について気になるところを聞くと、「冷えに悩まされてます」「夏でも手足が冷たくて... 」という女性はたくさんいます。この「冷え」というのも、実はからだの「サビ」のひとつです。

人間のからだは、構造的に猿のからだに近いけど、猿の場合、骨盤よりも肩甲骨のほうが大きくて、足より手のほうが長くて、腕の骨のほうが足の骨より大きい。上半身に躯体の主体があるから、地面に手をついて歩いていても、すごく安定しています。

猿から人へ、という進化の中で、躯体の主体が入れ替わって、骨盤のほうが大きくなっていき、構造としては、下半身主体で血流のバランスがとれるようにできています。このシステム上、足が冷えやすいのはエンジンに冷却水が必要なのと同じで、過熱した筋肉の熱を逃しやすいようにできているからです。それが、足には比較的脂肪がつきにくい理由でもあり、人が長時間かけて登山などができる理由でもあります。

本来、人間の足腰、下半身というのは単調で過酷な、律動的な動きをくり返すことに耐えられるくらいタフなんです。

血の巡りをよくするコツは「足を使うこと」

さらに、骨盤より下の部分には、大腿四頭筋、腿の裏にあるハムストリング、ふくらはぎのヒラメ筋等の筋肉が揃っています。こういった筋肉は全部、人間のからだの中で上位5位に入るような大きな筋肉だから、そこを中心に使っていると、心臓の負担が軽くなります。心臓が血を送り出す以上に、下半身のほうから血を引っぱって呼び込んでくれるから、当然、血液の循環はよくなって体温が維持されます。走ったらからだが温まることは、当然です。

だから、足を使わなくなると、血液を引っばって呼び込む力がなくなって、下半身1が冷えてきます。これは、「心臓だけでは全身に血を送りつづけるのはきつい」というサインなんです。つまりこれが循環系における「サビ」。このサビを解消するには、下半身に限らず、大きな筋肉や関節を日常的に必ず動かすようにすることです。

そうしないと、血液を使うすべての内臓の働きにまで影響してきてしまう。循環器系の話というのは、心臓や血管に限定したことではなく、関節や筋肉を動かすことも、血液循環の領域に含まれてくるんです。

意識して手足を動かす

関節や筋肉を動かすためには、わざわざランニングをする必要はなく、歩くだけでも効果があります。基本的な方法ですが、足の指先まで意識して足全体の筋肉をしっかり使って歩くと、血流がよくなるだけでなく、足の裏の古い血小板や赤血球がつぶれることで、そのぶん新しい血がつくられる、という造血促進効果もあります。

それから、冷えの解消には手先・足先をしっかりと動かして、手足の腱を十分に使うことも大切です。特に、冬場には手足が氷のように冷たくなつてしまう末端冷え性の人は、家の中やオフィスでも、意識して手足の指を動かすようにするといいでしょう。手足のすみずみにまで血が送られて、全身の血行がよくなります。血の巡りが悪いと、肩こりや全身のだるさ、頭痛、むくみ、生理痛、肌の乾燥など、さまざまなトラブルにつながりやすくなります。もちろん、からだが冷えていたら、風邪も引きやすくなります。冷えているからといって、厚着をしたり、布団にくるまって家の中でじっとしていても、冷えは改善されません。普段から意識してしっかり歩くようにするだけでも、からだは温まります。

適度な運動が冷えによいとわかっていてもなかなか行動できない

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