からだには、「排泄しやすくなるタイミング」というものがあります。このプログラムのスタートに一番適しているのは、生理がはじまる3 日前。そのころからは食欲が出て、食べすぎになりやすいだけでなく、この時期はからだに過剰なエネルギーがたまりがちで血糖値も高くなっています。

血糖値が上がると血液の熟も高くなるのですが、からだは生理によって血が排出されるのを見越して、その熱を維持しようと糖分などをより多く体内にため込もうとするわけです。なので、このタイミングで、排泄がスムーズにいくよう調整してあげると、からだが余分なものを必要とすることもなくなり、エネルギーの収支バランスがうまくとれるようになります。

この「3日間リセット」は、1日目「準備」、2日目「仕込み」、3日目「本番」という流れなので、その「本番」のあとすぐ生理がはじまるようにセッティングすると、生理という、そもそも非常に大きな排泄の流れにうまく乗っかることができる。そうすると、吹き出ものなんかも全部出切って、生理が終わるころには、からだの内側もすっきり、お肌もピカピカの状態になれるんです。では、「3日間リセット」の具体的な実践方法です。

1日目(準備)
基本的に何を食べてもかまいません。ただし、夕食の時間を早めにします。夕食の時間を早めにするのは、食べたものを消化する時間を、できるだけ長く確保するため。消化に時間をかけることで、排泄に対するからだの準備が整います。
2日目(仕込み)
2日目は、よりスムーズな排泄をうながすため、食事では繊維質の豊富な野菜類をとるようにして、白米や麺類、パンなどの炭水化物は控えます。炭水化物は、繊維質が少ないので、からだの中で粘土状にドロッと固まりやすいのです。また、全体的にいつもより軽めの量にするよう心がけます。食べる量がからだの消化機能の限界を超えると、そのぶんからだに負担がかかり、食べたものをきちんと排泄することが難しくなります。
  • 朝食...朝は繊維の強い野菜をとります。大根、人参などの野菜をスライサーで薄く削っただけのサラダなどがオススメ。手軽でからだが喜ぶレシピです。
  • 昼食...ラーメンでもなんでも、好みの食事をしっかりとって問題ありません。
  • 夕食...次の日の「本番」へ向けて、排便をうながす食材と、ダイエットにも効果的な食材を積極的にとりましょう。
3日目(本番)
この日は、早めに起きるようにします。そして、起きたら一番にコップ1杯の水を飲みます。この1杯の水がからだを目覚めさせると同時に、排泄の「呼び水」になります。

ここで軽い腹筋運動などでお腹に刺激を与えるのも効果的ですが、余裕があれば、骨盤を閉める体操をしましょう。睡眠中ゆるんでいた骨盤がキュツと閉まることにより、骨盤内にある直腸が締まって便が自然に押し出されます。

おそらく1日日・2日目をしっかりやっていたら、3日目の朝はきちんと便意を感じるはずです。ここで気持ちよく排便できたら、からだのリセットが完了した証拠。そのあとは、日々の排便を確認しながら、滞ってきたと感じたときに生理前でなくも適宜3日間コースを設定して、快適なからだを手に入れてください。

疲れをためない生活習慣 その2

からだの中の「ゴミ」をしっかり捨てる!

疲れないためには、疲れ切る生活を送ることが大切だけど、自分がどれだけからだを動かしているかは主観的な判断になってしまうことがほとんどです。たとえば、いつもよりちょっと歩いただけで、すごくからだを動かした気になる人もいれば、まだまだ動かしていないと感じる人もいるのと同じです。

なので、実際どれだけからだを動かしているのかを客客観的に見極めるには、「排泄」がつつがなく行なわれているかどうかが基準となります。

排便、排尿、発汗は、からだのそうじ3点セット

具体的にいえば、排便・排尿・発汗の「からだのそうじ」3点セットをチェックします。これがきちんと行なわれていると、女性の多くが悩まされがちな生理などもスムーズになります。だいたい、運動もせずに食べすぎ・飲みすぎている人が便秘知らず、なんてことは普通あり得ないのです。しかも、便秘している人が疲れを感じたことがない、なんてこともやっばりないのです。疲れないためには、いい排泄が必要であり、いい排泄のためには、やっぱり動きのあるエネルギー代謝のいい生活が必要なんです。

排便
まずからだのゴミ捨ての70%前後を担当するのが、排便です。便の状態は、疲れや病気など、からだに症状が出てから確認するのではなく、日々のチェックが大切。それくらい真剣になったほうがいい。便の中身を詳しく知る
排尿
排尿はからだのゴミ捨ての15%前後を担当しています。人間のからだは約60%が水分だから、その水分(体液) のコントロールをする腎臓を守るために、排尿によるデトツクスは重要です。
女性の中には「体操をしたあとのおしっこは色も黄色くて、においもきついんです」という人がいますが、これはからだの老廃物がと凍って出た鉦拠。
きっとそのおしっこがきっかけとなって便秘も解消されるはずです。透明のおしっこばかりでは、まだまだからだのゴミは捨て切れていないのです。ただ逆に、濃い黄色のおしっこが日常的に続くのも、からだにとってよくありません。色の漉いおしっこは、栄養過剰のしるし。糖尿病などになってしまう前に、食生活を見直す必要があります。
発汗
汗はからだのゴミ捨ての10%前後にあたります。「からだの代謝がいい」というのは、からだの内分泌腺から出ている津液(唾液・胃液・涙・汗などの総称) の代謝がいいということでもあるので、そのひとつである汗の役割は重要なんです。
ガンになってしまう人の多くは、普段あまり汗をかかない人だといわれるくらいです。
たとえば、肩甲骨や腕を動かす運動をすると脇に汗をかきます。この汗は、においがありますが、それはリンパ液(体液) のゴミのにおいです。いわゆる「疲労物質」というものです。普段汗をかかない水分循環の悪い人は体液が濃くなり、疲労物質がからだの中にたまってしまいます。これが腫瘍などの原因になっていくのです。
しかも汗をかかないと、汗として出るはずだったぶんの排泄を便や尿で行なうことになり、内臓の負担も増えます。特に腎臓が疲れます。汗をかくことで循環がよくなると、肌もきれいになるし、血液が十分に巡ることで冷えやむくみもなくなります。これほど発汗は重要ということです。

食物繊維と生活酵母でお腹は快腸に

疲れをためない生活習慣その1

週に1回は徹底的に体をつかう

翌日に疲れを残さないためには、その日その日を「きちんと疲れ切ること」が大切だということです。基本的に週に1~2回は、徹底的に自分のからだを疲労させたいと念頭において生活をしています。1日を終えたときに、全身がまんべんなく疲労して、偏りがないのが理想です。治療院の仕事で手も動かした、仕事でエネルギーを使い切っていないことのほうが多いように思います。

となれば、そこを使わなきや! と思うわけです。だから、たとえば1日のスケジュールの中で次の仕事までの間に1 ~2時間くらい余裕があったら、近くのゴルフの練習場などに行ってからだを動かします。そこで200発くらい打つと、足と腰を使うし、呼吸器にもいい負荷がかかります。そうするといい具合に疲れて、夜は寝床についた瞬間に眠りに落ちます。

どちらかというと、今の人たちは「疲れ切る」ことが少ないのでしょう。学生のころは部活動などで、運動系ならむちゃくちゃ走り込みをやらされたり、文力化系でも、それにすべて懸けてます! つてくらいがんばったりしていたでしょう。高校くらいまでは、毎日それなりに疲れていたんです。

ただし、たとえ疲れたとしても、それが「不調」につながることなんてなかったはず。その理由は、若くて体力があったから、というだけではありません。エネルギーを使い切っていたからこそ、毎日全力投球でもやっていけたんです。からだの「疲れ」そのものは、決して年齢のせいだけではないんです。 実は、からだは「疲れたがっている」けまた、「寝食忘れて」という言葉があるように、何かに夢中になっているときは不思議と、睡眠時間が少なくても、ご飯を食べなくても平気だったりするものです。

すでも近ごろは、「あまりお腹は空いてないけど、お昼の時間だからとりぁえず食べておこう」というように、頭で先に考えることで、からだ本来の欲求に対して鈍くなるような行動をとってしまう人が多くなっているんです。その結果、たとえば食べることに関していえば、胃腸を疲れさせることになり、それが肩こりなどにも発展してしまっているわけです。

さらにいえば、頭は疲れているのに、からだは疲れていない人が多い。「もっと動きたい」「動いて疲れたほうが逆に調子がいい」というからだ本来の欲求に気づかないんだよね。疲れが偏ると眠れなくなるなどの変調をきたすことも増えます。そうなる前に、頭もからだもまんべんなく疲れ切る生活をしよう!これって決して難しいことじやないし、読めば、おそらく「たったそれだけでいいの? 」と思う話がほとんどだと思います。この「たったそれだけ」の方法を本当に実践するかどうかで、老化のスピードも変わってきます。

でもそれが当たり前の.毎日になったら、もう「疲れ」とは無縁です。いや、疲れるかもしれないけど、逆にそれはクセになるくらい爽快感のある疲れのはず。ぜひ実感してください。

肩甲骨を動かすと美しいバストになる

現代人は特に、肩甲骨を全可動域にわたって動かすことが少なくなって、サビついています。手や指先はよく動かしているけど、肘をまともに動かせないなんて人はけっこう多いんです。これは、実は疲れだけじゃなく、女性の「胸」にも影響してきます。

ツヤ、ハリがあって形がいい胸になる秘訣は、肩甲骨にあるんです。肩甲骨がスムーズに動くことによって、肩甲骨と肋骨の間にある血管やリンパ管の流れがよくなり、胸に栄養が行きわたります。60代後半の奥さまたちが、よく「今の若い子たちの胸はショボイわねえ」なんていっています。

彼女たちの世代と、今の若い女の子たちで何が違うかっていえば、60代後半の彼女たちは全身を使って「家事」をしていた時代の人たちです。つまり「手や足を使っている」世代だということ。その世代の人たちが家事をやっていたのは、脱水できる洗濯機さえなかった時代だから、少なくとも毎日洗濯ものを手で絞って、物干し竿に干すという作業がありました。

さらに、そうじ機や食器洗い機なしに家事をしていたり、場合によっては畑仕事なんかも経験してきた人になる。畑仕事って全身作業です。しゃんがんだり、立ったり、手を上げたり下ろしたり。それも暑い日も寒い日も作業をする。季節によって外部環境が変化する1年間の中で、作物を育てるために畑を耕さなきやいけないし、作物が育ったら収穫の作業もあります。

農閑期(農業の仕事がひまな時期) は農閑期でやることは山ほどあるのです。これはかなりのハードワークです。さらに、農業を年間通してやっていると、季節に合わせて、偏った動作ではなくていろいろな作業をやることになります。

たとえば、異冬にただちょこちょこ葉っぱを摘んでいる程度だとからだが冷え切ってしまいますが、くわで土を掘り起こすという作業も必要だから、からだとしてはちょうどいいのです。その時季ごとに適切な、やるべきことをやっていくだけで、全身の関節がつつがなくなめらかに動くようになっていくのです。それが当たり前の日常だったんです。からだをまんべんなく使うことで、まさに日々「からだのそうじ」をしながら生きていたんです。

部屋の掃除はダイエットにもなる

昔の生活習慣がからだにいいからといって、それに戻すというのは不可能です。しかも、今の便利な時代だからこそ享受できるメリットだってたくさんあります。だから、今の時代にいつまでも健康で美しくいるためには、どれだけ自分のからだを意識して使っているか、ちょっとした工夫が重要です。そもそも、からだに必要な動きって、本当に日常的な動作なんです。だから、まずはそれを面倒くさがらずに楽しんでやることからはじめましょう。

エレベーターやエスカレーターを使わずに階段を使ったり、車を使うのをやめて歩いたり、部屋をこまめにそうじしたりなら、誰でもすぐできますね。

なかでも意外と効果があるのが、部屋のそうじ。そうじもしっかりやろうと思ったら、全身を使うだけでなく、神経も細かく使う必要があります。これは意外にエネルギーを消費します。関節の可動域を維持することになるだけでなく、からだのエネルギー循環もよくします。

さらにそうじのいいところは、快適に生きるために日常的に行なうものだということです。だから、特別に何かをするよりも、よほど効率的でダイエット効果も高いのです。たとえば拭きそうじは、しゃがんで行なう動作だから排便促進効果もあります。家をきれいにすることや、食事をつくる、洗濯物を干すなどの家事全般にはじまり、たとえば自分の身なりを整えるといったことでも、真剣にやれば、それだけでからだの正常な可動域は維持されるんです。髪の毛にブラシをかけるには手を後ろに回すし、お風呂で背中をきれいにしようと思ったら、腕を後ろに回すでしょう。大切なのは、自分に手を抜かないってこです。

人間下手に偉くなると損だとつくづく思います。たとえば会社の社長さんの多くは、出勤するときはもちろん車の送迎がつくし、ちょっとした買いものでも誰かが行ってきてくれます。そうしたら、足腰が硬くなっていき、どんどん弱っていって、最後は椎間板ヘルニアか坐骨神経痛かぎっくり腰になる。これは、からだを使わないことで起こるわかりやすい弊害です。

でも、これって、決して偉い人だけの話じゃない。からだをきちんと使わなければ、誰にでも起こり得ることです。便秘だ、生理痛だ、肌荒れだと悩んでいるなら、からだをもっと積極的に使おう。からだをちゃんと使っていれば、排泄も滞りなく行なわれて、そういった悩みとは無縁になるはずです。

疲労回復の効果はあるの? | ウコンの効能・効果

自分の疲れのタイプを診断

疲れにはいくつかの種類があります。あなたが今感じている「疲れ」がどんな種類のものなのかを、ここでチェックしてみよう。

次に挙げる項目のうち、今の自分の状態にあてはまる、と思うものをチェック!

□ は、からだを十分に動かしていないためにサビついている、「からだのサビ」タイプの疲れの諸症状。

○ は、不要なものがたまりつばなしの、「からだのゴミ」タイプ。△ は、メンタル部分でのサビつきやゴミがたまっている「こころのサビ& ゴミ」タイプ、です。あてはまる項目数の偏りによって、自分の疲れのタイプを判断してください。

体の錆び

□写真を振られるときに、どちらかの肩が上がっているといわれる

□歩いていると、スカートがどちらかの方向に回つてしまう

□靴やブーツの脱ぎ履きがおっくう

□年前のジーンズがキッキッ、または入らない

□メガネのフレームがきつい

□洋服が、タンスの引き出し部分にぶら下がっている

□エアコンのフィルターにほこりがついたまま

□部屋の四隅やベランダに、ほこりやゴミがたまっている

□出先では必ずエスカレーターかエレベーターを探す

体のゴミ

○1~2 年高熱を出していない

○唇が切れたり、口内炎ができたりしやすい

○手足やお腹が冷たい

○顔色が悪いとよくいわれる

○便秘がち

○口臭が気になる

○爪に横線がたくさん入っている

○夜、靴下を脱ぐと、足にゴムの跡がついている

○ふくらはぎやひざの真に、青い静脈が浮いている

老廃物を今すぐ出し切る

からだが固まったまま、まったく動いていない! 階段を使う、家のそうじをするなど、日常の動作を見直そう

心の錆び&ゴミ

△いつも時間に追われている気がする

△まわりの人たちが、なんでも私に頼んでくる

△やらなければならないことが山積みで、毎日があっという間に過ぎていく

△忙しくて家計簿なんてつけられない

△まわりが批判的な目で自分を見ている

△夜なかなか眠れず、朝起きるのがつらい

△そうじができない

△クリーニングに出した洋服を取りに行っていない

△電話やインターフォンなどの物音がうるさく感じる

まずはからだを動かすこと。また、考え方、行動をケチらず、いつも使っている「言葉」を変えて、こころのエネルギーを使い切ろう

しっかり寝ているのに疲れがとれずにスッキリしない(活性酸素)

心の荷物を軽くする

自分がやりたくないことを無理にやっても、不完全燃焼になって燃えかすが残るだけです。無駄に疲れないためには、「嫌になってまで、やらなくていい」ということも大切な考え方です。

必要なのは、自分の基本的なこころとからだの欲求にしたがって行動できる思い切りのよさや勇気なんです。疲れている人って、たいてい「いいことだ、必要なことだ」とみんながいう行為は、自分がやりたくないことでも、きちんとやり遂げなきやいけない、つて思っていることが多いのです。

整体の世界には、「いいこと」の啓嚢というものはあまりありません。なぜかっていうと、あれこれ「こうしましょう」なんて特に導かなくても、無駄なエネルギー、ネガティブなエネルギーをため込んでいなければ、人間は、それほど極端に変なことはしない、という考え方があるからです。

世の中で「いいこと」として奨励されていることはたくさんあります。「自分のことより相手のことを考えましょう」とか「資源の無駄使いはやめましょう」とかです。

そこで、たとえば「ゴミを1日3個でいいから拾いましょう」みたいな目標があるとしましょう。もちろん、「ゴミを拾う」というその行為自体はいいことだと思います。だけど、もし自分が何かの都合でそのゴミ拾いができないときは、無理してゴミを拾いつづける必要はないと思うんです。3個ちゃんと拾える日もあれば、1個も拾えない日もある。ときには、自分から「ええいー」ってゴミを捨てたくなってしまう日だってあるかもしれない。だって、人間つてそういうものです。

できないのに「今日はできません」っていえないことのほうが問題なんです。これは仕事でも同じ。自分にとって「気の進まないこと」が本物の負担になってしまったのであれば、そこでいったんリセットすることも必要です。最低限やるべきことだけやって、人に任せられるところは任かせてしまうとか。「もうくたびれた! 限界!」と思うなら、無理してやりつづける必要はないのです。

「やっておいたほうが得かもしれない」とか、そういう気持ちで「いらない荷物」を白分から背負い込む人は結構います。それで「よし。」と思い込むのでしょう。そのちょっとケチな根性みたいなものによって、より疲れてしまうんだと思います。「こうあらねばならない」「何かしなくちゃいけない」っていう自分の欲求とはかけ離れたことをしつづけることで疲れをため込んだ人が 破壊的な行動に出てしまう可能性はあります。

たぶんエネルギーの密度がどんどん濃くなっていって、あるとき突然、暴発してしまうんだと思います。だから、近年増えている異常な殺人事件の犯人にしたって、もしかしたら、「きちんと毎日ゴミを3個拾おう」って決めて、それを真面目に実行していた人かもしれない。

逆に、どんなことであれ、自分が活かされていると感じたり「面白い」と思えることであれば、たとえ今は活躍できなくても、努力をすること自体が楽しいはずです。好きではないことなら、無理してやりつづけるよりも、思い切って一時的にでもストップしてしまったほうが、結果的には自分のため。疲れない人生は、ちょつとしたことで簡単に手に入るものなんです。

自分の目の前にあることなのに、あえて「気づいていないふり」をしてしまうことはないでしょうか?たとえば会社で、トイレの洗面台が汚れていた。気づいたけど、なんとなく「汚したのは私じゃないし」とか「そうじのおばさんがやってくれるでしょ」とか思って、自分では何もしない。

自分の部屋が散らかっていて、本当はすごく気になるんだけど、片づけるのも面倒だし、「そのうちお母さんがやってくれるんじゃないか」って思ってそのままにしてしまう。ほかにも、会議中にみんなが飲んだコーヒーのカップが、机の上にそのまま残っているのに気づいたけど、「これを片づけるのは新人の仕事だし」って自分に言い訳して、そのままにしておく...。

事情はあるんだろうけど、こういう「気づいていないふり」が、もうほとんど無意識のものになってしまっている人は多いものです。よく考えると、みんなが日常的にちょくちょくやってしまっていることです。

みんなが「気づいていないふり」をしがちなのは、特に、自分が生きていくうえでやるべきこと、たとえば食事をつくることや、トイレそうじといった生理的な事柄に関わる行為である場合が多いのです。それをおっくうに思って「誰かがやるだろうから、私がやるのはやめておこう。気づかなかったことにしていればいいや」って目を背けたときから、こころにネガティブな疲労が発生します。だって、自分はもう、自分がやるべき作業、片づけるべき問題がそこにあることに気づいてしまっているんです。だったら、それがやり遂げられない限り、自分はずっと嫌な気分のままでいることになるのです。

気づいてしまっているのに「気づいてないふり」をしている、もやもやした気持ち悪い感じがつきまとうことになります。あとになって「コーヒーのカップはもう片づいているかな? 」と気になったりするわけです。

これは、やらなきゃいけないことをあと回しにしているときも同じです。メールの返事を送らなきやいけないとわかっているのに、「明日でいいや」って先延ばしにしたりね。でも結局はそれが気になって、なんとなく落ち着かないはずです。であれば、それが精神的な疲労になる前に、さっさとやってしまえばいいのです。自分から動けば、それを見ていた誰かが「自分もやろう」と思って次から動くようになる。すると、余計な疲れを発生させないだけでなく、「気づいた人から動く」という流れが生まれることで、「いい循環」のスタートになるんです。

家族や友だちや恋人、学校や職場の人たちに対して、ちゃんと自分から声をかけていますか? 人間関係は結局のところ「人どうしのエネルギーの循環」です。特に家族は自分にとって一番身近な存在です。だからこそ、当然、会話によるエネルギーのやりとりがあってしかるべきです。

そこで、なんの言葉も交わされないのは、かなり不自然な状態です。この不自然な状態というのが人を疲れさせてしまいます。だいたい「いわなくてもわかる」なんていうのは、エネルギーの無駄な備蓄といっていいでしょう。損するエネルギーの使い方の典型です。

たとえば、相手の顔をちゃんと見て声をかけたり、何かしてもらったら感謝の青葉をかけるというのは、人として当たり前のことです。それがなかなかできないときは、無意識のうちにエネルギーを使うのが「もったいない」と思っているんです。でも、そうやってケチっても、結局そこにたまるのはネガティブなエネルギーだけです。

言葉をかけなかったことによって「声をかけなかったのは変だったかな」「声をかければよかった」などといろいろ考えてしまい、ずっと重たい疲労を感じるようになります。

ためしに、苦手な人と目が合ったら、相手が目をそらす前に、自分から声をかけてみるといいでしょう。

屈託なく挨拶ができれば、最初驚いていた相手も、そのうち、ちゃんと挨拶を返してくれるようになります。まずは相手とのコミュニケーションに必要な、最初のひとことをケチらないこと。他人とのスムーズな関係は、お互いに余裕のある状態でこそ成り立つものです。最初のひと言を発することで自分に余裕が生まれれば、人間関係の疲れは、驚くほど簡単に解消されます。

面倒くさいは体が錆びている証拠

物事がうまく進まないと感じているときは、まずはきちんと休養をとるなど自分のからだを見直したうえで、相手と十分なコミュニケーションをとる時間やエネルギーをケチらないようにすることです。この「十分なコミュニケーションをとる」とは、人と人とのやりとりでいえば、メールなどですべてをすませるのではなく、直接相手と会って情報や意見を交換する労力を惜しまないというようなことです。

特に仕事の場では、直接会って話してしまったほうが早い、といこおとは多々あります。直接会って話をするときは、その人の表情や声の調子を読んで、相手の状態や立場を考えたやりとりができます。でも、これって、ただ自分の考えをメールで送るよりも疲れることです。

お互いに時間を合わせてその場所に出向いて話をする。それは確かにエネルギーを使うけど、直接会って話ができたことでそれまでの誤解が解けたとか、お互いの気持ちを理解し合えたという達成感や充実感があります。

これこそが、「十分なコミュニケーションをとる」ってことです。その労力を惜しみ、メールですませていたら、相手の本心もわかりづらいのです。自分の考えも正しく伝わったかわからない。気持ちはもんもんとしてすっきりしない。それによって逆に疲れてしまうのです。結局「面倒くさい」という感情がより一層「疲れ」を呼び起こしているんです。

からだを観ると、この「面倒くさい」という感情を抱くときは、必ず「骨盤開閉不全」の状態になっています。からだがサビて可動域が狭められることによっていろいろな部分が動かしづらくなると、人は疲れてしまいます。「面倒くさい」という感情が出てくるのは、からだが正常に動いていない証拠。

特に、女性の場合は、健康のバロメーターともいえる骨盤がサピついてしまっていることが多いです。その結果、ゴミがたまって代謝不良になるし、各器官の働きも鈍ります。「最近"面倒くさい"がログセになっている」と思ったら、意識して他人と積極的に関わってみることです。そうすることで、サビついていたからだも動き出します。からだの巡りがよくなると、自然と情報だとか人間関係だとか、自分を取り囲むすべてがなめらかに循環しはじめるようになるでしょう。

【体力】同年齢でも体力のある/なしの違いは?

「楽しよう」「疲れないようにしよう」とするせいで、みんなエネルギーがあり余っている状態と言いましたが、いつも爽快な気持ちでいたいなら、こころのエネルギーも、毎日の生活で使い切っていくことが大切です。こころのエネルギーを使い切るということは、考え方も青葉も行動もケチケチしないということです。

エネルギーの出し惜しみをせず、全力を使い切っていると、自分の生き方や人生そのものに対する姿勢にもいい変化が起こるんです。ここに、空っぽのコップがあるとする。中に入れる水をお金だと考えれば、誰だって、自分のコップを満タンにしたいと思うのは当然です。だからがんばってお金を稼いでそのコップが満タンになれば、うれしいに違いありません。

要は、そこからどう考えるかってことです。なかには「減らしたくない」「損したくない」という意識が強くて、他人になんて分けていられない、自分がもっているものを一切外に出したくないと思ってしまう人もいるでしょう。その状態になったら、もう夜も眠れないでしょう。

「あいつが、私のコップからちょろっと水を盗み飲むんじゃないか」なんて気持ちになってしまいます。当然のことだけど、コップは満タンだから外からのインプットはなくなります。出るものがなければ、入ってくるものもないから、ケチればケチるほど、コップの中身はたまりっぱなしでよどんでいきます。

だけど、自分のコップに入っているお金をほかの人たちと分けたとしたら、それぞれが、そのお金を使って自分自身のコップの中身をさらにちょっとずつ増やそうとするでしょう。そしたらまた、もっといろいろな人と分け合えるだけの余裕がそれぞれに出てきます。

ここで「循環」が生まれるのです。さらに、そうやってコップの中身を分け合った人たちが「あれはいいわよ」と何か新しいものをもってきてくれるかもしれません。女の人は、自分の好きなものや新しい情報を人に伝えるのがすごく好きです。

おいしいお店を見つけたら友だちに教えるし、いいものを安く買えたときも「聞いて!聞いて!」ってなります。自分がそうしていると、まわりからもうれしいニュースや情報が飛び込んできます。つまり、自分のコップに入っているものをまわりに出すことによって、今度はより新鮮で新しいものが、自分のコップの中に入ってくるわけです。人間関係でエネルギーを使えば使うほど、ほかの人からもらった新鮮なエネルギーで満たされるのです。だから、自分のエネルギーは使い切れば元気になるんです。

人間関係でも恋愛関係でも、家族でも、誰だってときには相手をうっとうしく感じるときがあるものです。自分のいいたいことが相手にまったく伝わらなくて、会話をしても疲れる一方。かといって、一緒にいるのに話をしないのも不自然だし、思うように言葉が出てこなくて沈黙が続けばイライラもするでしょう。そうすると「一緒にいるだけで疲れる」なんて状態になってしまうのは当然です。そういうとき、相手や状況のせいにしがちだけど、実は「自分のからだ」が原因ということも多いのです。

先に書いたように、「こころ」と「からだ」は密接に関わり合っています。こころが疲れるときは、「からだ」からの注意報が出ているときでもあるんです。

たとえば、トラブルが起こって相手との関係が行き詰まってしまったとき。頭はフル稼働で眠れなくなります。そんな状態で無理やり物事を進めようとしてもうまくいかないし、カラ回りするだけです。だけど、ちょっと時間を置いてみたら、あっさりトラブルが解決した、なんてことはよくあるでしょう。

そのときの体調はどうだったでしょうか?たいてい元気なはずです。誰でも調子がいいときは、いい発想も出てくるし、前向きな行動に出られるものです。時間を置いて、疲れがとれた状態で物事に向き合うと、自然といい流れになるものなんです。プライベートな関係でも、仕事における人間関係でも、ただがんばるだけではどうしようもないことがよくあります。そんな場合、忙しすぎて余裕がないなら、睡眠を十分にとって、すっきりとした頭とからだで次の日に臨めるようにすることです。

自分の不調から、イライラを相手にぶつけていた、というのはよくあることです。たとえば、相手に不満があったりこころがもやもやするときは、たいてい食べすぎていたり、からだを動かさずにもんもんと考えつづけていたりします。つまりエネルギーがあり余っている状態だから、それを上手に消費してからだを整えることです。

こんなふうに、まずは自分が抱えている「からだの問題」をリセットして、相手と向き合うことが大切なんです。だいたい普通に考えても、疲れたままではまわりの状況も人の気持ちも見えてこないでしょう。逆の立場でも同じことがいえる。相手がなんだかイライラしている、というときは、相手の「からだ」が疲れているということ。そう考えれば、こっちまでつられてイライラすることなく相手に気遣いができるでしょう。

だからこそ、自分や相手のからだの状態をきちんと見極める能力の高い人は、お互いに「壊れない関係」を保つことができる。からだを整えることは、健康を維持するだけじゃなくて、いい人間関係を築くことにもつながるんです。