ビールの植物ポリフェノールがガンを抑制

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さわやかな苦み・ホップにも栄養分の吸収を促進する働きが

ビール自体から薬用パワーが発見された。それも発ガン物質の作用を抑制する効果である。発見したのは岡山大学薬学部のグループ。『日本癌学会』で発表し、大いに注目を集めた。
「緑茶のポリフェノールとよく似た成分がビールにあるので、ビールだってと考えて研究を始めたという。
実験はサルモネラ菌1億個を試験管に入れ、そこへ『トリプP2』を10億分の2グラム加えた。
『トリプP 2』は、肉や魚の焦げた部分に含まれる発ガン物質としてよく知られている。すると、サルモネラ菌約2800個が突然変異を起こしたのだ。
次に『トリプP2』を加えるときにビール0.1ミリリットルを一緒に加えると、サルモネラ菌の突然変異の数は約半分の1400個に減少。さらに、効果を強くするために10倍に濃縮したビールを使用。すると予想どお

り突然変異数は約10分の1の280個にまで減少したのである。発ガン物質『トリプP2』のほかに『ニトロソグニアジン』も使った。これはネズミの胃ガンを誘発する薬。
『トリプP2』の実験と同じように『ニトロソグニアジン』を使うと、やはりサルモネラ菌は突然変異を起こし、ビールを加えると、変異した菌の数は80% の減少を見た。

ビールに含まれている多数の植物フェノール類が有効にガンを抑制していると考えられますし、フェノール類以外の可能性もある。ガン抑制作用のあるビール。
古代エジプト時代にはビールは「液体のパン」 といわれ、種々の病気の治療、予防に効果があるといわれ、大いに愛飲された。

免疫療法でガン治療を行っている医師は、「ビールに含まれている栄養分が、いわゆる滋養に効果を出すのでは、考える。
加えて、ビールの炭酸ガスが胃壁を刺激して胃液の分泌を促しますから、胃が活発に働きだし、食欲を起こさせます。食欲不振の方は食欲が出てきます。

食前酒の効果ですね。そして、ビールのあのさわやかな苦みになっているホップも、栄養分の吸収を促進して体力維持、補強にパワーを発揮すると考えられる。もちろん、ビールにも5% 程度のアルコールが含まれており、血液循環をよくする。

そして、アルコールの効用としてのストレス解消。ストレスも発ガンの大きな原因のひとつ。それを解消してくれるので、やはりこの点でも身体の免疫力はアップする。
さらに、注目したいのは動脈硬化を起こし、狭心症、心筋梗塞、脳卒中に結びつく悪玉コレステロール。
ビールはそれを除去する善玉コレステロールを増やす。

ドイツでは、ビールを飲む人と飲まない人では、ビールを飲む人のほうが善玉コレステロールが5~15mg/ dlも高いという疫学調査も報告されている。ビールは血液をきれいにし、動脈硬化も予防してくれるのである。が、ビールの飲み過ぎは、逆にガンのリスクを生む。

1日に大瓶2本以上飲んでいる人は直腸ガンのリスクがグンとアップするという報告もありますし、ビールとワインを多く飲む女性は乳ガンのリスクもアップするという報告もある。
薬にもなれば毒にもなるビール。ならば薬用効果をドカーンと得たいもの。

ビールを飲むと、ガンにかかりにくくなる可能性はあると話す医師は多い。今後、ビールのガン抑制物質が特定されれば、大変なビールブームが巻き起こるかもしれない。

チョコレートのポリフェノール成分がガンに効く

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スイス、イギリス、ドイツ、スウェーデンには胃ガン死亡者が少ない

チョコレートには予防ガンの次のデータがある。国別の胃ガンによる死亡者数とチョコレートの消費量の関係だ。杏林大学医学部の神谷茂教授の報告で、チョコレートの消費量が多いスイス、イギリス、ドイツ、スウェーデンといった国々は胃ガン死亡者が少なく、消費量の少ない日本、中国、イタリアなどは胃ガン死亡者が多い。

これだけでチョコレートが胃ガンに対して有効とは断言できませんが、チョコレートの効能を示す興味深いデータといえます。
そこで、チョコレートがガンの発生を抑制することを証明した動物実験がある。行ったのは名古屋大学医学部のグループ。
ラットを3つのグループに分け、すべてのラットの背中に発ガン物質を塗った。30分後、第1グループはそのままに、第2グループにはチョコレートのカカオマス・ポリフェノールを5ミリグラム塗り、第3グループには10ミリグラム塗った。さらにガンを促進させる物質をすべてのラットに塗って観察した。結果は、第1グループのラットには約90% もガンが発生した。
第2 グループは約50% 、第3 グループは約20% にすぎなかった。ガンの発生率のみならず1匹のラットに発生したガンの数も第1グループは1.6個、第2グループは3.8個、第3グループは0.4個だった。

この研究から、カカオマス・ポリフェノールには発ガンを防ぐのはもちろん、ガン細胞の増殖を抑制する働きもあることが、見事に証明されたといっていいと思います。

カカオマス・ポリフェノールはチョコレートに多く含まれている抗酸化物質で、ガンをはじめとして多くの病気を予防してくれる。食品中のポリフェノール含有量の多いことで知られる緑茶、赤ワインと比べてみよう。緑茶1 0 0 グラム中には0.1グラムの含有量で、赤ワインでは0.3グラム。これに対しミルクチョコレートは0.8グラムも含まれている。

このようにガン予防に効果はあるものの、チョコレートを食べると「太る」「虫歯になる」と思う人が多い。
が、最近の研究で、その両方とも「俗説」と判明。さらに、チョコレートのポリフェノールは、ガンにも関係するストレスに強くしてくれたり、胃ガンに関係するピロリ菌抑制にも作用する。しかし、食べ過ぎは肥満にもつながるので、1日30~50グラム前後で十分と思われる。

サムゲタンがガン細胞の増殖を抑える

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「アンセリン」と「カルノシン」が活性酸素の働きを抑制する

参鶏湯(サムゲタン) という料理をご存知だろうか。
ニワトリの内臓を取り出し、かわりに高麗人参、もち米、ニンニク、稟(なつめ)、栗などを詰め込んで何時間も煮込んだ韓国の宮廷料理。
この料理のパワーに魅せられたのが、「魚を食べると頭が良くなる」を浸透させた農林水産省食品総合研究所機能生理研究室。
参鶏湯と出会ったのは昭和63年に韓国を訪れたとき。二日酔いの朝だった。「食欲がまったくなかった私が、汗をかきながらあっという間にたいらげました。
つらい二日酔いも、解消していたんです」と。強肝作用があったと思われるが、薬膳でもある参鶏湯の薬効はそれだけにはとどまらない。動物実験ではあるが、ガン細胞の増殖を抑制する効果があったという報告もなされている。注目されるのはとりスープに溶け出したアンセリンとカルノシンという物質。悪さをする活性酸素の働きを抑制するのが抗酸化作用だが、アンセリンとカルノシンにはその作用があるのだ。

さらに、「脳卒中や心臓病を防ぐEPA(イコサペンタエン酸) や頭や目を良くするといわれるDHA(ドコサヘキサエン酸)が含まれています。
また、ビタミンA は牛肉や豚肉の3~4倍というのも注目に値します。
ここまではニワトリのパワーだが、参鶏湯にはさまぎまな食材の組み合わせによるパワーも存在する。高麗人参の主たる薬効成分はサポニンという物質で、血圧や血糖値を下げる働きがある。: ンニクも〝医者いらず“ と形容されるほど、数多くの薬効を秘めている。とりわけ注目されるのは抗ガン作用。アメリカの学者はニンニクの抽出液をガン患者に用い、患者の延命につなげた。ガン細胞に栄養が行くのをニンニクの中の酵素が阻止したと考えられている。

さらに免疫力のアップだ。裏は精神安定、便秘解消、利尿効果など。栗は皮膚の老化防止、疲労回復、風邪予防。「胃潰瘍などを抑える抗ストレス効果も、参鶏湯を食べることで得られます。

マウスを使った実験では、参鶏湯を食べているマウスは胃潰瘍の発生数が、食べていないマウスの半分以下に減少したのである。抗ストレス、抗ガン作用。その他、さまざまなパワーを発揮する参鶏湯、果たしてどれくらい食べるといいのか。「薬効を期待するなら1週間に1回。最近はレトルト製品も輸入されていますから、手軽に味わえます。

コラーゲンも免疫力アップに貢献

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ゼラチンを上手に食事に取り入れるエ夫を。魚のアラ煮もおすすめ

コラーゲンはたんばく質の一種で、動物の身体に豊富に存在している。たとえば、人間の身体でみると、体重の約16% がたんばく質といわれ、そのたんばく質の約35% を占めているのがコラーゲン。
たんばく質の中でも人間や動物が生きていくために非常に重要とされるコラーゲンは、細胞と細胞のほかに建物にたとえるならば骨組みにもなっているのである。魚を骨ごと煮て、それを冷蔵庫に入れておくと『煮こごり』ができるが、あれが元コラーゲンで、ゼラチンである。
このコラーゲン。人間の免疫力をパワーアップし、ガン予防に結びつくことが明らかになっている。
とりわけ、免疫力に関与するマクロファージ、Tリンパ球、Bリンパ球をパワーアップさせる。
さらに、ハツカネズミを使った研究でも、コラーゲンのガン予防効果がわかっている。ハツカネズミに14種類のゼラチンをそれぞれ週に1日で、3回投与。その後、15日前後で死んでしまう量のガン細胞をハツカネズミに移植した。すると、ゼラチンを注射しておかなかったハツカネズミはすべて死んだのに対し、ゼラチン投与グループはかなりの確率で生存していた。豚皮由来ゼラチンやクジラ由来ゼラチン、牛由来ゼラチンなどの中で最も生存率の高かったのが豚皮由来ゼラチンで、生存率83% にものぼったという。

それだけに、コラーゲンパワーを利用しない手はない。では、どのように利用するといいのかといえば、元コラーゲンのゼラチンを食事に上手に取り入れるのである。
その手本となるのが沖縄料理、『ラフティー』という豚肉の角煮がある。じっくり煮込んだ料理で、煮込む間に浮いてくる脂肪を取り除いているので、口にするときには脂肪が極めて少ないコラーゲン主体料理となっているのである。

このほか、豚足で知られる『足ティビチ』、豚耳のスライス『ミミガー』などもコラーゲンたっぷり食。とんこつラーメンもコラーゲン食。骨からエキスが出てきているが、その中心はコラーゲン。もちろん、アクは調理中に捨てられるが、そのアクには脂肪も混じっている。そして、もっと積極的に魚の煮こごりを食べるようにすべきである。それには、自宅で魚のアラ煮を作るとしっかりコラーゲンが摂取できる。週に3~4回はコラーゲン食を食べると、ガン予防のみならず、お肌もツルツル、スベスベになる。

青魚に多いDHAは初期の大腸がんに有効

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動脈硬化予防、痴呆症の改善・予防、ぜんそくやアトピー性皮膚炎を改善

「魚を食べると頭が良くなる」という評判で人気となった『DHA』とは、ドコサヘキサエン酸の略で、「αリノレン酸系の油」。
マグロ、ブリ、サバ、マイワシ、ウナギ... といった背の青い魚などに多く含まれている。その頭の良くなるメカニズムについて、「脳の血管のところには「血液脳開門」と呼ばれる開所があり、脳細胞に必要な栄養成分のみ通過できます。
DHAはこの開所を通過できる成分です。脳細胞の脂肪には数% のDHAが確認され、特に記憶学習機能をもつ海馬と呼ばれる部分のリン脂質には、20数%のDHAが含まれています。
海馬に取り込まれたDHAは神経細胞の中へ。その神経細胞の先端はシナプスといわれ、情報伝達の送受信アンテナです。
このシナプスにDHAが多く含まれ、シナプスが硬くならないようにしています。硬くなると送受信機能が鈍ってしまうのです。脳に十分にDHAが補給されていれば情報伝達はスムーズ。
それで、結果的に頭の働きが良くなると考えられるのです。

事実、これを裏付ける研究をマウスで行った。DHA入りのエサを食べていたマウスは、迷路の中でもほとんど迷わず出口にたどり着いたのである。記憶能力を高めるほかに、動脈硬化を予防する、痴呆症を改善・予防する、ぜんそくやアトピー性皮膚炎にも効果が確認されている。
さらに、国立がんセンターと相模中央化学研究所の共同研究によって、初期の大腸ガンにDHAが有効であることも報告された。
発ガン物質を注射したマウスを2群に分けて飼育。
一方にはエサにDHAを、もう一方のエサには水を加えた。12週間後に結果を見ると、DHAを加えたエサを食べていたマウスの腫瘍の数は49個、大きさは直径で平均1.6マイクロメーター。一方、水を加えたエサを食べたマウスの腫瘍の数は平均1 22個。大きさは平均1.6マイクロメーター。腫瘍の数、大きさともにDHAがグッと抑えたことがわかる。

こちらでは血栓の予防効果も紹介。

ビタミンの作用が低下すると、肺ガン、喉頭ガン、食道ガンなどのリスクが高まる

イチゴはビタミンCの含有量が果物の中ではレモンに次ぐ多さで、このビタミンCと赤い色素の『アントシアン』が注目されている。
ビタミンC は、身体に蓄えられないビタミンで、水溶性のため余分な量は尿と一緒に排出されてしまう。
1日に必要な所要量は50ミリグラムと日本では決められているが、このビタミンCだけは過剰になることがないので、どんどん摂取すべきである。
特に喫煙者などは意識してビタミンC をとるようにしてほしい。1本タバコを吸うとビタミンC が約25ミリグラム消費されている、という報告がある。それは、身体の細胞をサビさせる活性酸素がタバコを吸うことで発生し、それを除去するために消費される分と、さらに、ビタミンE を再生させるために消費される分である。ビタミンEも抗酸化作用が強く、やはり活性酸素の影響で老化する細胞を若々しく保つように働くのである。パワーのあるビタミンEが活性酸素と闘って破壊されると、ビタミンC が、それを助ける。
だからタバコを吸うとビタミンCはどんどん消費され、ビタミンEも不足しがちになる。
ビタミンには「最小律の原則」 があり、ひとつのビタミンが低レベルにあると、協調して働くすべてのビタミンの作用が低レベルに下げられてしまう。
ビタミンの作用が低下した結果、肺ガン、喉頭ガン、食道ガン、膵ガン、子宮頸ガン、勝脱ガンなどを引き起こしやすくなる。欧米諸国では活性酸素こそ「ガンの原因」 と強く訴えるグループが1980年ごろから登場し、現在は非常にたくさんの関心が集まっている。
イチゴは100グラム中におよそ80ミリグラムのビタミンC が含まれているので、1 日5~6 個は食べたい。

「ベータ・クリプトキサンチン」「オーラプチン」を発見

ミカンというのはいわゆる温州ミカンだが、98年5月に季節外れの大注目を浴びた。
「ミカンから世界初のガン抑制物質をなんと2種類も発見」 というから、驚きだ。発見したのは果樹試験場(静岡・清水市) の室長と京都府立医科大学の教授、京都大学農学部、近畿大学生物理工学部のグループ。
「柑橘類は発ガン予防に効果があるといわれるが、はたして作用している物質は何なのか」と成分特定に踏み出した。試験管内の実験、マウスによる実験で浮上してきたのが「ベータ・クリプトキサンチン」と「オーラプテン」。

まず、ベータ・クリプトキサンチンはミカンの黄色のもとになっている物質。同じ色素でガン抑制物質としてすでに有名なべ一夕・カロチンと発ガン抑制パワーを比較すると、なんとベータ・クリプトキサンチンが5倍も作用は強力だったのである。マウスの実験では皮膚ガンを抑制することが確認された。

もうひとつのオーラプチンは温州ミカンに限らずナツミカン、ハッサク、グレープフルーツといった柑橘類の果皮に含まれている。動物実験では、オーラプチンは濃度が低いほうがガン抑制に効果があったという、不思議な結果となった。
同じく、このオーラプチンに目をつけていたのが金沢医科大学の教授グループ。オーラプチンを抽出して舌ガンで効果を見た。

  1. 発ガン剤だけを与えたラットのグループ
  2. 発ガン剤と一緒にオーラプチンを与えたラットのグループ
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  4. 発ガン剤を与えた後にオーラプテンを与えたラットのグループ
の比較は… 。結果は1はラットに57% 舌ガンが発生、2は5%、そして3はゼロだった。
舌ガンのみならず大腸ガンにも効果が確認されており、オーラプチンの場合は細胞をガン化させたり、活酸素を消してくれるからと考えられる。

つまり、オーラプチンには強力な抗酸化作用がある。人気急騰のミカンだが、その摂取量は1日に2個程度で十分。一度に多量に食べると身体が黄色くなる柑皮症になるのでご用心。加えて、オーラプテンはミカンの皮や白いスジに含有されているので、丸ごとすべてとはいわないが、せめて白いスジごと食べるべきである。残ったミカンの皮は、入浴時に湯船に入れると身体がしっかり温まるので、冷え症の人にうれしい。

天日干でシイタケパワーがアップ! 骨租しょう症予防やコレステロールも下げる

ガンといえば、研究・治療の中心となるのは、やはり国立がんセンター。
そこでキノコにはガンの増殖を抑える効果があるのか、マツタケをはじめとして、多くのキノコについて研究が行われた。

マウスにS-180というガンを移植した後、キノコ類の熱水抽出エキスを投与。これを投与しなかったマウスと比較することで、効果のほどを判定するのである。
すると、増殖阻止率第1位に輝いたのは、超高級品のマツタケで91.8 % 。以下、ナメコ、エノキダケの順で、第4位にランクされたのが、今回登場のシイタケで、その阻止率80.7
% 。これに注目しないはずがない。アメリカ・ミシガン大学のケネス・コークラン博士はシイタケに免疫システムを高める抗ウイルス物質を発見。それこそ多糖類のレンチナンだった。そして、その5年後には、ガンを植えつけたマウスにシイタケから抽出したレンチナンを投与すると、なんとマウスのガンが治癒したのだ。レンチナンは現在、抗ガン・抗ウイルス薬として、実際に治療に使われている。それは、レンチナンが自然の防御物質であるインターフェロンをより多く放出させるからのようだ。ガンだけではなく、ノンカロリーのシイタケは血中コレステロール低下作用、血圧調整作用、血糖値安定作用も。1週間、毎日60グラムのバターを摂取したグループと、同量のバターに85グラムのシイタケを食べたグループとを比較。すると、前者は予想通り血中コレステロールが14%上昇。ところが、後者は上昇ではなく4%も血中コレステロールが低下した。
これは椎茸に含まれるアミノ酸の一種であるエリテダニンの働きによるもので過剰な毛中コレステロールを体外へ排出するのである。
コレステロールを下げる食品(しいたけ)

このほか、シイタケ特有の成分であるビタミンB12 は造血作用があり、エルゴステリンは紫外線に当たるとビタミンDに変化する。
カルシウムの吸収率を20倍も高めるパワーを発揮するので、骨粗鬆症に悩む人々にはシイタケは最高の食品。もちろん、シイタケパワーを十分に吸収するには効率よく上手に食べる必要がある。それには、干しシイタケを大いに摂取する。やはり抗ガン効果のあるブロッコリーなどと料理すると、よりガンになりにくい身体になる。干しシイタケとしたのは、ビタミンD効果も加わっているからだ。ただし、最近の干しシイタケは天日干しでない物もあるので、天日干し以外ならば自分で天日干しするべきである。
こちらでは便秘解消効果についても紹介。

乳がんリスクが減少「オリーブオイル」

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乳ガン、肺ガン予防効果だけでなく、心臓病、動脈硬化予防にもパワーを発揮

「食用オイル」というと、多くの人は心臓に悪そうなイメージが定着している。
きわめて常識的で間違いではない。特に日本人にそう思う人が多い。それは、日本人が低脂肪食だからである。
実際、日本と欧米諸国の食卓をのぞいてみると一目瞭然。日本はメインディッシュが魚なのに対し、欧米諸国は肉がメイン。加えてオイルもふんだんに使っている。となると、心臓病で死ぬ人は欧米諸国のほうが断然多くなる?ところが、その予想をはねのけてしまう研究報告がある。
1986年にミネソタ大学の博士たちが発表したのは、15年の長きにわたって調査した7カ国の食習慣と死亡率の関係である7カ国とはギリシア、イタリア、旧ユーゴスラビア、フィランダ、日本で、対象者は1万1579人にも及び、年齢が40歳から59ランド、アメリカ、オまでの男性である。15年間に2288人が死亡し、心臓病による死亡率は、なんとギリシアが最も低く、最も高かったのはフィンランドだった。
フィンランドは動物性脂肪の摂取率が最も多いので、この点では予想通りだが、では、なぜギリシアが…。
ギリシアはオリーブオイルを常用する国。だから、同じくオリーブオイルを常用するイタリア、旧ユーゴスラビアも極めて低い心臓病死亡率となった。

オイルはオイルでもオリーブオイルは心臓病を予防する。そしてしっかりとガン予防にも作用する。
イタリアの地方保健局の疫学調査によると、サラダドレッシングにオリーブオイルを毎日使っていると肺ガン予防に結びつくという。
さらに、乳ガン予防にも働くという報告も行われている。

オリーブオイルの乳ガン予防効果を発表したのはギリシアのアントニア・トリコポーロ博士らのグループ。やはり、心臓病予防、肺ガン予防などと同様に疫学調査によるものである。ギリシア、イタリアといった地中海沿岸地域は毎日摂取する栄養の40% が脂肪で、そのほとんどがオリーブオイル。何を作るにもオリーブオイルを入れてしまう。そのようなオリーブオイルの入った料理を1 日最低1回食べている女性は、オリーブオイルの入った料理を食べるのが月に1回もしくはそれ以下の女性と比べて、乳ガンのリスクが、なんと25%もダウンするという。
ガン予防にまで効果を発揮するオリーブオイルは不飽和脂肪酸でも一価不飽和のオレイン酸が主成分で約76 %を占めている。酸化されにくく、動脈硬化を促進させるLDLコレステロールを低下させる。
さらに、オリーブオイルにはビタミンE、ポリフェノールも…。ビタミンEはビタミンAの作用を高め、ビタミンCの酸化を防ぐ抗酸化ビタミン。そして、ポリフェノールは発ガン予防に作用する。それだけに、オリーブオイルを上手に食材に取り入れてほしい。
とりわけ身体にいいのはエキストラ・ヴァージン・オリーブオイルで化学的な精製処理がなされていない。生のオリーブオイルだけに香りもいい。ドレッシングのみならず、熱にも強いので加熱しても安心して使える。

みそ汁は大腸がんを防ぐ

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フラボノイドの一種「バイオカニンA」「ゲニスタイン」がガン細胞増殖を抑制

「みそ汁は、塩分が多いので高血圧になる」といって、みそ汁を食べなくなっている人が多くなっているが、それは聞達った認識。
実はみそには血圧を下げる働きがある。農林水産省食品総合研究所のラットを使った研究で明らかになった。
ただ、塩分を除いたみそ抽出物を使っていた。
普通のみそを使ったみそ汁でも血圧は上昇しないという。それは、塩分が血圧上昇に働いても、みそが血圧を下げるように働くため、プラス・マイナス・ゼロ。減塩みそだと、血圧を下げるという。それでも心配な人は、塩分を排出してくれる作用のあるカリウムを多く含んだ緑黄色野菜、海藻類、芋類などの「具だくさんみそ汁」 にすると大丈夫。
事実、束京と山梨の県境に位置する長寿村として有名な山梨県上野原町桐原地区の人々の食生活を調査してみると、その中心となっているのが、「具だくさんのみそ汁」だったのだ。

これほどみそ汁を勧めるのは、昔からみそに抗ガン作用のあることがわかっているからためです 。

1966年から82年の17年間にわたって、40歳以上の成人約26万5000人を対象に行ったコホート研究(長期継続観察調査) がある。
当時、国立がんセンター研究所ののグループが毎日どんな物を飲み、食べる人が大腸ガンになりやすいかを追跡調査した。
その結果、「毎日、魚介類をとる」「毎日、米麦2合以上を欠かさない」「毎日、緑黄色野菜をとる」「毎日、みそ汁を飲む」と、大腸ガンを予防できることがわかった。
そして、最も大腸ガンを防いでいたのがみそ汁。何とガン危険率を70% も減少させてくれるのだ。
乳がんを抑制するみそ | ガンの予防対策と増殖抑制作用を高めるでも紹介されているとおり。

81年10月にみそ汁と胃ガンについての発表も行った。その発表は「みそ汁をまったくとらない人と、毎日とっている人とでは死亡率が約30% も毎日みそ汁を飲んでいる人の方が低い」と。そのみその抗ガン作用を科学的に裏付けたのが、みその生物学的効果の研究を行っている、広島大学原爆放射能医学研究所予防腫瘍研究分野の伊藤教授。放射線照射によって肝腫瘍ができるラットを使った動物実験。まず、ラットを雄と雌、それぞれ4グループに分けた。「普通の飼料」「みそ飼料」「普通の飼料を与えた後に中性子線を照射」「みそ飼料を与えた後に中性子線を照射」。結果は、雄雌ともにみそ飼料を与えたラットのほうが肝臓ガンの発現率も、また、肝臓ガンができてもその数が少なかったのである。雄のラットで12 ~20%抑えられ、雌のラットでは37~40%抑えられた。さらに、肝臓ガンが自然にできるラットでも実験。やはり、同じ結果が得られたのである。みそには肝臓ガンを抑える働きがあることがわかった。実験は胃ガン、大腸ガンでも行われ、どのガンに対しても、みそは抑制に働くことがわかったのである。

みそに含まれるフラボノイドの一種、バイオカニンAやゲニスタインという物質がガン細胞に対して増殖抑制効果があることが明らかにされた。「朝の一杯のみそ汁は毒消し」 というが、ガンにならないためには少なくとも朝夕、具だくさんのみそ汁を習慣化していただきたい。